
ボトックス注射にはほうれい線をケアする効果が期待できます。しかし、ほうれい線ができる原因によっては改善できないケースもあるので注意しましょう。
この記事は、ほうれい線へのボトックス注射に期待できる効果や注意点を解説します。また、ほうれい線をボトックス注射で改善させるメリットやボトックス注射以外で改善させる方法も紹介します。
ほうれい線へのボトックス注射を検討している方は、この記事を参考にしながら自分に合った改善方法を見つけましょう。
目次
ボトックスでほうれい線は改善できる?
ボトックス注射で改善できるほうれい線と改善できないほうれい線があります。そもそも、ほうれい線はしわではなく、鼻唇溝(びしんこう)と呼ばれる溝です。生まれたときから、頬を動かす筋肉と口元を動かす筋肉の間にあります。
加齢による皮膚のたるみや乾燥などが原因でほうれい線が目立ちやすくなる方が多いです。ボトックスは筋肉に作用するため、皮膚のたるみが原因のほうれい線を改善させる効果は期待できません。
このように、ほうれい線を改善させるには原因に適した施術方法を検討する必要があります。
ほうれい線ができる原因
ほうれい線が形成される原因は年齢に限られるものではなく、個人の生活習慣や遺伝的な要素も含まれています。 ほうれい線ができる主な原因は以下の4つです。
- 皮膚がたるんでいる
- 表情筋が過剰に発達している
- 小鼻周辺の骨がくぼんでいる
- 複数の要因が重なっている
それぞれ解説します。
皮膚がたるんでいる
皮膚のたるみが原因でできるほうれい線は「皮膚たるみ型」と呼ばれます。皮膚たるみ型のほうれい線は、加齢により以下の要因が低下することで目立ちやすくなります。
- 頬の皮下脂肪
- 顔面筋の筋力
- 肌のハリ・弾力
- 肌に含まれる水分量 など
ボトックス注射にも筋肉の動きをサポートする効果が期待できますが、根本的にたるみを改善させる効果は期待できません。皮膚たるみ型のほうれい線を改善させたい方はリフトアップ系の施術や、肌の弾力性を回復させるコラーゲンの生成を促す治療方法がおすすめです。
表情筋が過剰に発達している
表情筋の過剰発達が原因となるほうれい線を「筋肉型」と呼びます。特に、普段から笑顔が多い方や表情が豊かな方は筋肉の緊張が強く、表情の変化により顔の筋肉が発達していくケースが多いです。
ボトックス注射には筋肉の働きを抑制する効果が期待できるため、筋肉型のほうれい線を軽減できる可能性があります。表情の変化により筋肉が発達していくため、ボトックス注射を打った後は無理に表情を作らず、自然な筋肉のリラックスを取り入れることを意識しましょう。
小鼻周囲の骨がくぼんでいる
小鼻周囲の骨がくぼんでいるためにできるほうれい線を「骨くぼみ型」と呼びます。骨がくぼんでいると、そのくぼみに沿って皮膚が引っ張られ、ほうれい線が強調されやすくなります。骨くぼみ型のほうれい線は若い世代からほうれい線が目立っている場合が多いです。
また、骨くぼみ型のほうれい線は、遺伝や骨の成長に大きな影響を受けるため、ボトックス注射だけで改善することは難しいことが多いです。一方、ヒアルロン酸注射を併用すると、肌表面を柔らかくしてほうれい線の深さを軽減する効果が期待できます。骨くぼみ型のほうれい線を改善させたい方は、ボトックス注射とヒアルロン酸注射の併用を検討してみてください。
複数の課題が重なっている
実際には、複数の原因が絡み合っているケースも少なくありません。複数の絡み合っているタイプを「混合型」と呼びます。例えば、肌のたるみと表情筋の過剰な発達が同時に進んでいる場合、ボトックス注射に加えてリフトアップやヒアルロン酸注入などの施術を併用することで、ほうれい線の改善が目指せます。
混合型のほうれい線は、年齢による変化が顔全体に表れるようになる30代以上の方に多いです。顔全体のバランスを見ながら適切な治療を受けることが求められるので、医師と相談しながら、自分に合った施術を選びましょう。
ほうれい線へのボトックス注射に期待できる効果
ほうれい線へのボトックス注射に期待できる効果は、主に 以下の3つです。
- ほうれい線を目立ちにくくする
- ほうれい線の左右差を整える
- ほうれい線の悪化を防ぐ
それぞれ解説します。
ほうれい線を目立ちにくくする
ボトックス注射には筋肉の働きを抑える作用があるため、表情の変化によって出現するほうれい線を目立ちにくくする効果が期待できます。自然な仕上がりでほうれい線を目立ちにくくするので、顔全体が柔らかい印象になります。
また、ほうれい線が目立ちにくくなると、見た目年齢も若く見られやすくなります。表情が柔らかくなり他人からの印象もより好意的になる点も魅力です。第一印象を良くしたい方や日常でよく話す機会が多い方にも、ほうれい線へのボトックス注射がおすすめです。
ほうれい線の左右差を整える
ほうれい線へボトックス注射を打つと、深さや長さなどの左右差を整える効果が期待できます。ほうれい線の左右差は表情の癖や片方での噛み癖など、日常生活で何気ない行動により、片方の筋肉だけが発達して生じている場合が多いためです。
例えば、片方のほうれい線が特に気になる方は、その部分にボトックスを注入して筋肉の動きを抑えてバランスを整えると、左右差を目立ちにくくできます。顔全体の印象を整えたい方やよりすっきりとした顔立ちに見えるために印象を大きく変えたい方におすすめです。
ほうれい線の悪化を防ぐ
ボトックス注射には、ほうれい線の悪化を予防する効果も期待できます。 年齢とともにほうれい線が深く刻まれるのは、筋肉が緊張し続けることで肌に圧力をかけるからです。ボトックス注射により筋肉を緩めることで、ほうれい線の悪化や進行を防ぎます。
さらに、予防的にボトックスを利用すると、ほうれい線が将来的に深くなるリスクも軽減できます。 ほうれい線ができにくい肌状態を保ちたい方や将来のケアを減らしたい方も、ほうれい線へのボトックス注射を検討してみてください。
ボトックスで改善できるほうれい線
ボトックス注射には、特に表情筋の動きによりできやすくなる「筋肉型」のほうれい線を改善する効果が期待できます。 筋肉型のほうれい線は、笑ったり話したりする際に深くなりやすいです。ボトックスを注入することにより筋肉の働きが抑えられ、表情の変化に伴って出現するほうれい線が目立ちにくくなります。
また、筋肉型のほうれい線は他のタイプに比べて、比較的早い段階でボトックスの効果を感じられることが多いです。筋肉型のほうれい線を改善したい方は、ボトックス注射を試してみてください。
ボトックスでは改善できないほうれい線
一方で、「骨くぼみ型」と「皮膚たるみ型」のほうれい線は、ボトックス注射で改善できない可能性があります。例えば、骨くぼみ型のほうれい線は顔の骨格によってでき、特に小鼻の周囲の骨がくぼんである場合にできるためです。ボトックスは筋肉に作用するため、骨の形状には影響を与えられません。
また、皮膚たるみ型のほうれい線も加齢による肌のハリや弾力の低下など、筋肉の働き以外の原因で発生する場合が多いため、ボトックスだけでは改善が難しいです。皮膚たるみ型のほうれい線を効果的に改善させたい方はボトックス注射のみでなく、リフトアップやヒアルロン酸注射などの施術も併用しましょう。
ボトックスでほうれい線を改善するメリット
ほうれい線にボトックス注射を打つメリットは、主に以下の3点です。
- リスクが少ない
- 施術時間が短い
- 顔の左右差を解消することができる
それぞれ解説します。
リスクが少ない
ほうれい線へボトックス注射を受けるメリットは、施術後のリスクが少ない点です。ボトックス注射の効果は3〜6ヶ月程度で自然に薄れていき、元の状態に戻ります。また、メスを使わないため体への負担も少なく、施術によるトラブルも起こりにくいです。
また、ダウンタイムが短く、施術後すぐに普段通りの生活を送れる点も、ボトックス注射のメリットです。 特別なケアや行動制限もほとんどなく、すぐにメイクや食事を楽しめるため、忙しい方もボトックス注射を気軽に試せるでしょう。
施術時間が短い
ボトックス注射は施術時間が短いため、日常生活に取り入れやすいです。 ほうれい線へのボトックス注射自体は10〜15分程度で完了します。時間をかけずに見た目の変化を実感できるので、仕事の昼休みや週末のちょっとした空き時間を活用して、気軽に施術を受けられるでしょう。
ただし、痛みが気になる方には麻酔を併用することもあります。 麻酔が効くまでに約30分かかりますが、より快適に施術を受けられるようになります。痛みの軽減により安心した気持ちで受けられるため、初めての方や痛みに敏感な方にもおすすめです。
顔の左右差を解消することができる
ほうれい線は顔の左右差が生じやすい箇所のため、表情を作った時に左右で差がある場合もあります。 特に片方が深く刻まれているケースでは、片方の筋肉だけにボトックスを注入すると、左右のバランスを調整しやすくなります。
ただし、自然な仕上がりにするためには医師の技術とセンスが重要です。なぜなら、 注入量やポイントを細かく調整し、顔全体のバランスを見ながら施術する必要があるからです。左右差のない理想の仕上がりを実現するためにも、施術前に医師へしっかりとイメージを共有し、自分の希望を伝えておきましょう。
ほうれい線へボトックス注射を打つ際の注意点・デメリット
ほうれい線のボトックス注射には多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 副作用やリスクを伴う
- ボトックス注射で改善できないケースもある
- 永久的な効果は期待できない
ほうれい線へボトックス注射を打つ前に注意点や対処方法を把握しておくことは大切です。 特に、副作用のリスクや持続期間は、事前に確認しておくと安心して施術を受けられるようになります。ほうれい線へのボトックス注射を考えている方や施術を後悔したくない方は、ぜひ参考にしてみてください。
副作用やリスクを伴う
ボトックス注射には低リスクというメリットがあるものの、完全に副作用やリスクがないわけではありません。以下の副作用やリスクを伴う恐れがあります。
- ほうれい線が深くなる
- 施術部位が腫れる
- 内出血が発生する
- 表情に違和感がある など
施術部位の腫れや内出血などの症状は数日で治まることが一般的ですが、体質や肌質によっては長引くこともあります。気になる症状がある場合には、早めに医師へ相談して対処してもらいましょう。
ボトックス注射で改善できないケースもある
ほうれい線の原因によっては、ボトックス注射では十分に改善できないこともあります。例えば、皮膚のたるみが原因でできるほうれい線は、筋肉を緩めても大きな改善は期待できません。より効果的なヒアルロン酸注入を検討してみてください。
また、皮膚のたるみが原因かどうかは、医師による診察で確認できます。ボトックス注射だけで満足できる結果が得られないケースでは、他の施術を併用することで総合的な改善が可能です。自己判断が難しい場合は自分のほうれい線の種類や適切な施術を把握するために、カウンセリングで相談してみましょう。
永久的な効果は期待できない
ボトックスには永久的な効果が期待できないため、定期的な施術が必要になります。ほうれい線が目立ちにくくなった状態を維持したい場合は、半年から1年程度の間隔でボトックス注射を打ちましょう。ただし、施術の継続は時間やコストがかかるだけでなく、打ち続けることで筋肉が変形したり、体がボトックスに耐久性を持ってしまったりするリスクもあります。
さらに、ボトックスによる効果や頻度は個人差があるため、最初の施術で様子を見ながら、自分に合ったサイクルを見つけることも重要です。施術を後悔しないためにも、ボトックスについて医師へしっかりと相談し、施術内容や回数も納得の上で受けましょう。
ほうれい線をボトックス注射以外で改善する方法
ボトックス以外にも、ほうれい線を目立たなくするための施術方法はいくつかあります。ここでは以下の3つの施術方法を紹介します。
- ヒアルロン酸注入
- フェイスリフト
- ポテンツァ
施術方法の詳細を解説します。ボトックス以外の方法を探している方や、自分の症状や目的に適した施術を選びたい方は、参考にしてみてください。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入は、ほうれい線が深く刻まれている場合や、たるみが原因でほうれい線が入っている方におすすめです。肌にヒアルロン酸を注射してボリュームを補うことで、ほうれい線が目立ちにくくなります。
ヒアルロン酸の持続期間は約6ヶ月〜1年程度です。ヒアルロン酸注射は即効性があるため、施術後すぐに変化を感じたい方に適しています。ヒアルロン酸はもともと肌に存在する成分で、注入後に肌へなじみやすい点もヒアルロン酸注入の魅力です。継続して効果を実感したい方は繰り返し施術を受けましょう。
フェイスリフト
フェイスリフトは、顔のたるみを物理的に整える手術方法です。 皮膚を切開し、筋肉や脂肪を持ち上げることで、皮膚のたるみが原因のほうれい線を根本的に改善できます。メスを使用する施術のためのダウンタイムがありますが、その分効果が長く続く点が特徴です。
年齢による深いほうれい線や顔の全体的なたるみが気になっている方は、フェイスリフトを検討してみてください。
ポテンツァ
ポテンツァは、針を使ったRF(高周波)を利用し、肌のハリを取り戻す施術です。 針を肌に細く刺し、真皮層に高周波を直接届けることで、コラーゲンやエラスチンの生成を促し、肌の引き締めとリフトアップ効果が期待できます。
ボトックス注射と違って、自然な肌のハリを考えるため、ふっくらとした印象を目指したい方に適しています。そのため、ほうれい線が軽い方や、肌全体のハリを増して顔全体のリフトアップ効果を期待したい方におすすめです。痛みやダウンタイムも少ないため、忙しい方もポテンツァは受けやすいです。
ほうれい線へのボトックス注射に関するよくある質問
ほうれい線へのボトックス注射について、よくある質問に回答します。ほうれい線のボトックス注射にかかる値段が気になる方や、ボトックス注射とヒアルロン酸注射で迷っている方は、こちらもあわせて確認しておきましょう。
ほうれい線へのボトックス注射の値段はどれくらい?
ほうれい線を含む口回りのボトックス注射を打つ際にかかる費用は、1〜5万円が目安です。 ただし、クリニックによって使用する薬剤の種類や注入量が異なります。また、ボトックスの製剤自体にもいくつかの種類があり、効果の持続期間や品質が異なるため、選択する施術プランにより値段が前後する場合もあります。
自分に合った施術を受けるためにも、料金だけでなく納得のいく施術内容を選ぶことが大切です。クリニックの症例や医師の経験も考慮し、事前のカウンセリングで詳細な料金を確認しておくと安心です。
ほうれい線にはボトックス注射とヒアルロン酸注入のどっちがおすすめ?
ほうれい線の原因が表情筋の動きによってできる「表情じわ」である場合には、ボトックス注射がおすすめです。一方、深く刻まれたほうれい線を自然にふっくらさせる効果が期待できる「ヒアルロン酸注入」は、表情じわ以外の原因でできるほうれい線の場合におすすめです。
ボトックス注射とヒアルロン酸注入で迷ったら、ほうれい線のタイプや原因に適した施術方法を選びましょう。
まとめ
ボトックス注射には、筋肉型のほうれい線を改善させる効果が期待できます。しかし、皮膚たるみ型や骨くぼみ型などのほうれい線は、ヒアルロン酸注射やフェイスリフトなど、その他の施術方法を併用することをおすすめします。
また、ボトックス注射にはほうれい線を目立ちにくくする効果が期待できますが、ほうれい線そのものをなくすことはできません。ほうれい線を目立ちにくくしたい方はこの記事を参考にしながら、自分に合った施術方法を検討してみてください。
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