ボトックス注射は、表情じわを改善したり、小顔効果が期待できます。そんなボトックス注射ですが、「どのような副作用があるのか気になる」「ダウンタイム中にみられる症状について知りたい」と思う方は多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、ボトックス注射はどのような副作用が出るのか、エラや脇などの部位別の症状について解説します。また、副作用をできるだけ抑えるためのポイントやダウンタイム中の過ごし方も併せて紹介します。

この記事を読めば、ボトックス注射の副作用とダウンタイムの過ごし方について理解できるので、副作用について知りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

ボトックス注射とはどんな施術?

ボトックス注射は、美容クリニックで広く行われている人気の施術です。薬剤の主成分である「ボツリヌストキシン」という成分が、神経と筋肉の信号をブロックし、特定の筋肉の働きを抑えます。

筋肉の働きを抑えることで、さまざまな効果を得られることから「顔の印象を若々しくしたい」「エラ張りが気になる」「汗を抑えたい」などの悩みを抱える方に選ばれています。

始めに、ボトックス注射で期待できる効果と、ボトックス注射の効果が現れる時期について解説します。

ボトックス注射で期待できる効果

ボトックス注射で得られる代表的な効果は、以下のとおりです。

  • 額や目尻、眉間のしわを目立たなくする
  • 咬筋(エラの筋肉)を抑制し、顔のラインをシャープにする
  • 脇や手のひら、足裏の多汗症を改善する
  • ふくらはぎの筋肉を小さくして美脚を目指す

上記の効果に加えて、施術時間が短いことやダウンタイムが少ない点も大きな魅力です。

ボトックス注射の効果が現れる時期

ボトックス注射は施術後、すぐに効果が現れるわけではありません。効果が出始めるのは通常2日〜3日後です。

効果は3ヶ月〜6か月程度持続し、徐々に元の状態に戻っていきます。定期的に施術を受けることで、効果を長期間維持することも可能です。

ボトックス注射の副作用

ボトックス注射は比較的安全な施術ですが、副作用がまったくないわけではありません。副作用として、以下の4つが挙げられます。

  • 施術中の痛み
  • 施術後に腫れや内出血が起こる
  • 発熱や頭痛がみられる
  • アレルギー反応が出る

施術後に、どのような副作用がみられるのかを詳しく解説します。

施術中の痛み

ボトックス注射では、非常に細い針を使用するため「チクッとする」程度の痛みを感じることがあります。痛みが苦手な方や、肌が敏感な方は、麻酔クリームを希望することで痛みを軽減することが可能です。

また、施術部位によっても痛みの程度が異なり、エラやふくらはぎなど筋肉が厚い部位では、比較的痛みを感じやすい傾向にあります。痛みが気になる場合は、事前に医師に相談しておくと安心です。

施術後に腫れや内出血が起こる

注射部位に、軽い腫れや内出血が見られることがあります。原因は針を刺した際に、血管が傷つくことです。特に、目元など皮膚が薄い部位では、内出血が起こりやすい傾向にあります。

多くは1週間程度で自然に消えるため、心配する必要はないでしょう。また、施術後に冷やすことで、症状を軽減できる可能性があります。

発熱や頭痛がみられる

まれに、発熱や頭痛を感じる方もいます。これらは、一時的な体の反応であり、数日以内に治まることがほとんどです。必要に応じて、市販の鎮痛剤を使用することで症状を和らげられますが、症状が長引く場合は医師に相談するのが良いでしょう。

アレルギー反応が出る

ボトックス注射によるアレルギー反応は非常にまれですが、可能性はゼロではありません。皮膚に赤みやかゆみが出たり、呼吸が苦しくなったりした場合はすぐに医師に連絡しましょう。

アレルギー体質の方は、施術前に医師にその旨を伝えておくことが重要です。

【部位別】ボトックス注射の副作用

ボトックス注射は部位ごとに異なる効果を発揮する一方で、副作用も部位によって呈する症状が異なります。

ここからは、エラと脇・額・肩などの主要な施術部位ごとに、副作用について詳しく解説します。

エラにボトックス注射をしたときの副作用

エラにボトックス注射を打つと、顔がシャープになり小顔効果が期待できますが、噛む力が弱まったり、皮膚がたるんだりする副作用がみられる可能性があります。

副作用は施術量や方法によって変動するため、事前に医師と十分な相談を行うことが重要です。それぞれの症状を詳しく解説します。

噛む力が弱まる

エラのボトックス注射は、咬筋(こうきん)と呼ばれる筋肉の働きを抑えることで小顔効果を生み出しますが、噛む力が低下する副作用がみられることがあります。

硬い食べ物を食べる際に違和感を覚えたり、顎が疲れやすくなったりする人もいます。副作用は数週間から数か月で回復することが一般的ですが、食生活を工夫することで顎への負担を最小限に抑えられます。

顔の皮膚がたるむ

ボトックス注射によって筋肉が萎縮することで、皮膚が余り、たるみが目立つようになることがあります。咬筋が発達している方は、たるむリスクが高くなるといわれているため、注意が必要です。

たるみを防ぐためには、一度に多くの薬剤を注入するのではなく、少量ずつ施術を進めていくと良いでしょう。注入する薬剤の量については、カウンセリング時に相談するのがおすすめです。

脇にボトックス注射をしたときの副作用

脇のボトックス注射は、多汗症の改善を目的に行われることが多いですが、施術部位の痛みやだるさ、代償性発汗などがみられることがあります。

ここからは、脇ボトックスの副作用について、詳しく解説します。

筋肉痛のような痛みやだるさが出る

脇のボトックス注射後、一時的に筋肉痛のような痛みや重だるさを感じることがあります。これは、ボツリヌストキシンが筋肉に作用することで起こる自然な反応とされています。

症状は軽度であり、数日で治まるケースがほとんどです。冷却ケアや鎮痛剤を使用したり激しい運動を控えたりすることで、症状を緩和できる可能性が高くなります。

脇以外の部位で多汗症のような症状が出る

脇の発汗が抑えられると、代わりに背中や太もも、首筋などの発汗が増える「代償性発汗」が起こる場合があります。代償性発汗は、体温調節を行うための体の自然な反応ですが、発汗量が多すぎて不快に感じる人もいます。

事前に医師とリスクについて話し合い、適切な施術計画を立てることが重要です。

額にボトックス注射をしたときの副作用

額へのボトックス注射は、表情ジワを目立たなくする効果があり、自然に若返り効果を得られると人気の施術です。ただし、過剰に筋肉を抑制すると表情が硬くなり、日常生活に支障をきたすことがあります。施術後の自然な仕上がりを重視する人には注意が必要です。

ここからは、額にボトックス注射をしたときの副作用を解説していきます。

表情が不自然になる

額にボトックスを注射後に、効き目が強いと顔を動かしにくく、不自然な表情になることがあります。また、笑顔を作ったときに眉間が動かなかったり、驚いた表情が作りにくくなったりする可能性もあります。

リスクを避けるためには、適量の薬剤を注入してもらえるように、経験豊富な医師の施術を選ぶことが重要です。

目が開けにくくなる

額の筋肉が緩みすぎると、目が開けにくくなることがあります。症状は一時的なため、効果が薄れるにつれて改善していきます。

ただし、日常生活に大きな支障をきたす場合は、すぐに施術を受けたクリニックに相談しましょう。

肩にボトックス注射をしたときの副作用

肩へのボトックス注射は、肩こりの改善や筋肉の緊張を和らげるために行われますが、まれに体の動きや体調に影響を及ぼすことがあります。

ここからは、肩にボトックス注射をしたときの副作用を解説していきます。

腕が重く感じる・肩こりのような症状が出る

ボトックス注射によって肩の筋肉がリラックスすることで、腕の重さやだるさを感じることがあります。程度は体質によって異なりますが、数日から数週間で自然に治まります。

症状の程度が強い場合は、軽いストレッチやマッサージを行うことで、症状を和らげられるでしょう。

吐き気が起こる

肩のボトックス注射後に、吐き気を感じる人もいます。吐き気がみられる原因として、ボツリヌストキシンが神経系に一時的な影響を与えるためと考えられています。

症状が軽い場合は心配いりませんが、強い吐き気が続く場合はすぐに医師に相談することをおすすめします。

ボトックス注射の副作用はいつまで続く?

ボトックス注射による副作用は、数日から1週間ほどで治まることが一般的です。腫れや内出血、軽い痛みなどは施術後数日で消えるケースが多いですが、施術部位によっては数週間続くこともあります。

薬剤の注入量や施術箇所によっては副作用が長引くこともあります。副作用が心配な方は、カウンセリング時に医師へ確認すると良いでしょう。

ボトックス注射の副作用をできるだけ抑えるための大切なポイント

ボトックス注射の副作用を最小限に抑えるためには、施術前後に適切な準備とケアを行うことが重要です。ここからは、副作用を防ぐための具体的なポイントを解説します。

施術に適切な時期を見極める

ボトックス注射を受けるタイミングは、体調が良好なときが最適です。体が弱っている状態では、副作用が強く出る可能性が高まります。風邪を引いていたり、体調不良や肌のトラブルがみられたりする場合は、施術を避けると良いでしょう。

信頼できる医師に施術してもらう

ボトックス注射の副作用は、施術者の技術や経験によって大きく左右されます。経験豊富で評判の良い医師を選ぶことで、副作用のリスクを抑え、自然で美しい仕上がりを得ることが可能です。

クリニック選びでは、口コミや施術実績を確認し、納得のいく説明をしてくれる医師を選びましょう。

カウンセリングを十分におこなう

施術前のカウンセリングでは、自分の希望や不安をしっかり伝えることが重要です。どのような効果が期待できるか、副作用に対してどの程度のリスクがあるかを理解することで、施術後のトラブルを未然に防げます。

医師とコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことが成功の鍵といえます。

ボトックス注射の副作用を抑えるダウンタイムの過ごし方

ボトックス注射後のダウンタイムを適切に過ごすことで、副作用を軽減できる可能性があります。ここからは、ダウンタイム中の過ごし方を詳しく解説します。

患部を擦ったり揉んだりしない

施術後の注射部位を擦ったり揉んだりすると、薬剤が意図しない方向に広がり、副作用が現れるリスクがあります。また、効果が弱まる可能性もあるため、数日はなるべく触れないようにしましょう。

血行が良くなる行為を控える

運動や飲酒・入浴などの血行が良くなる行為は、施術後24時間程度控えるのが望ましいとされています。血行が促進されると薬剤が広がりやすくなり、副作用のリスクが高まる恐れがあります。

施術後はできるだけ安静に過ごすと良いでしょう。

レーザー治療を控える

ボトックス注射後にレーザー治療を受けると、副作用が出やすくなります。注射直後の肌は敏感になっているため、少なくとも1週間はレーザー治療を控えることをおすすめします。

施術スケジュールを立てる際には、事前に医師に相談すると良いでしょう。

ボトックス注射の副作用に関するよくある質問

 

最後に、ボトックス注射の副作用に関するよくある質問を紹介します。

ボトックスを打ち続けると体に悪いですか?

ボトックスを定期的に施術した場合でも、基本的に体に悪影響を及ぼすことはありません。ただし、過剰に注射を行うと筋肉が過度に萎縮し、不自然な見た目になる可能性があります。

また、効果が出にくくなる「抗体形成」のリスクもあるため、適切な間隔で施術を受けることが大切です。

ボトックス注射をやめるとどうなるのですか?

ボトックス注射をやめると、徐々に施術前の状態に戻っていきます。ただし、筋肉の働きが戻ることで、しわが目立つ可能性があります。

継続的に施術を受けることで効果が数ヶ月持続しやすくなるため、定期的な施術を希望する場合は、医師とスケジュールを相談しましょう。

ボトックス注射に危険性はありますか?

ボトックス注射は、正しい方法で施術を行えば非常に安全な治療法です。しかし、注入量や施術部位が不適切な場合、副作用が起こるリスクが高まります。

副作用をできる限り防ぐには、信頼できる医師を選ぶことが重要です。施術前のカウンセリングで疑問点を解消し、不安を軽減しましょう。

まとめ

ボトックス注射はしわの改善や小顔効果、多汗症治療などの効果が期待できる安全性の高い施術です。しかし、副作用として施術中の痛みや施術後の腫れや内出血・筋肉の違和感などが現れる可能性があります。

副作用のリスクを最小限に抑えるためには、適切な施術時期を見極め、信頼できる医師による施術、十分なカウンセリングを受けることが重要です。施術後は患部を刺激せず、血行を促進する行為やレーザー治療は避ける必要があります。

副作用や効果の持続期間について疑問があれば、事前に医師に相談することで理想的な結果を得られる可能性が高まります。

この記事を参考に、副作用を最小限に抑えられるよう信頼できるクリニックを選び、ダウンタイム中の過ごし方にも注意しましょう。

足立 真由美
この記事の監修者 医療法人 涼葵会 理事長 足立 真由美
美容医療の豊富な経験から美容医療の枠を超え、東洋医学・アーユルベーダ等のホリスティック医療を展開。「美は健康な身体から」をテーマに、美容クリニックとは思えない多彩なアプローチで、最新の美を提供する。
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