顎ボトックスは、顎の梅干しじわやフェイスラインのもたつきを改善する人気の施術です。「顎ボトックスに興味はあるけど、本当に効果があるの?」「どんな効果が期待できるの?」と疑問に思う方も多いでしょう

この記事では、顎のボトックス治療の効果が出る仕組みや、ヒアルロン酸との組み合わせなどを詳しく解説します。顎ボトックスの効果や、施術を受ける際の注意点など、気になる疑問もご紹介します。施術を検討されている方は参考にしてください。

顎にボトックスを打つ効果とは?

ボトックスには、以下のような効果が期待できます。

  • 梅干しじわの改善
  • スッキリとしたフェイスライン
  • 顎関節症の改善

ボトックスは、過剰な筋肉の働きを弱めることで表情じわを目立たなくさせる効果があります。また、ダウンタイムが少なく、効果も実感しやすい施術として注目を集めています。

梅干ししわの改善

顎のボトックス注射は、顎の下から唇の下に向かって伸びる、オトガイ筋と呼ばれる筋肉に注入します。オトガイ筋は、普段「う」と発音する際、下唇を下に引っ張るときに使われるものです。

オトガイ筋が緊張し続けると特定の部位に圧力がかかるため、梅干しじわができる原因と考えられます。しかし、ボトックスを注入することで、緊張した筋肉をリラックスさせ、梅干しじわを改善できます。

梅干しじわとは

梅干しじわとは、下顎にできるデコボコのしわのことです。名前の由来は、梅干しのじわに形が似ているからといわれています。梅干しじわは、年齢とともに目立ってくることが多く、30代後半から気になり始める方が増えてきます。

梅干しじわは見た目の印象を悪くするだけでなく、口角があがりづらくなる場合や表情が硬く見えてしまうことがあるでしょう。ボトックスを注入することで、表情筋の過度な動きを抑え、梅干ししわを目立たなくすることができます。

梅干しじわができる原因

梅干しじわは、顎の下にあるオトガイ筋の筋肉の過度な緊張によって生じます。歯並びや噛み合わせに問題がある人は、この筋肉に余分な力がかかりやすくなるでしょう。

オトガイ筋は下唇を持ちあげ、口を閉じる役割を持っていますが、この筋肉が常に緊張状態にあると、顎の部分にしわが形成されてしまいます。

スッキリとしたフェイスライン

フェイスラインがぼんやりとしてしまう原因の1つに、オトガイ筋の発達があります。オトガイ筋は普段の生活での噛み癖や歯ぎしり、ストレスによる顎の緊張、歯並びの状態などによって、徐々に大きくなっていくことがあります。

筋肉が発達するとフェイスラインがはっきりしなくなり、顎に不自然な厚みが出ることがあるでしょう。このような場合、ボトックスが効果的です。ボトックスを注入すると筋肉の緊張がやわらぎ、オトガイ筋の負担が減ります。結果として、フェイスラインがなめらかになります。

顎関節症の改善

顎関節症は、無意識に行っている歯ぎしりや食いしばりが原因で起こる症状です。顎の関節や筋肉に負担がかかり、痛みや違和感が出ることがあります。ボトックスは、原因となる筋肉の緊張をやわらげる効果があるため、顎関節症の治療に役立ちます。

効果として、顎の痛みや疲労感の軽減や、歯ぎしりによる歯のすり減りも予防が可能です。顎の筋肉の緊張がやわらぐことで、フェイスラインがスッキリとする小顔効果も期待できます。

顎にボトックスを打つと効果はいつから実感できる?

ボトックスの魅力は理解したけれど、顎にボトックスを打った場合の効果はどんなものなのか気になるものです。ここでは、効果に関して、以下の3点を詳しく見ていきましょう。

  • 実感できる期間
  • 持続時間
  • 効果が出るまで施術は何回必要?

それぞれ詳しく解説します。

実感できる期間

顎にボトックスを打った場合、効果を実感できるまでの期間は個人差や注入量、部位によって異なります。

一般的には、2~3日後から効果を感じ始めるといわれています。歯ぎしりの習慣がある方は、朝起きたときの顎の張りがやわらいでくるのに気づくかもしれません。1週間程度経つと、効果がピークに達するでしょう。

持続時間

ボトックスを注入した後の持続時間は、個人差があります。通常3ヶ月〜6ヶ月程度で、効果が薄れてくるでしょう。

一気に効果がなくなるのではなく、約3ヶ月〜4ヶ月間程度持続した後、時間の経過とともに少しずつ効果が薄れていきます。長期的な効果を希望する場合は、効果が切れる前に次の施術を受けることをおすすめします。

効果が出るまで施術は何回必要?

ボトックスの効果は、個人差があります。1回目の施術で、望む結果が得られる方もいるでしょう。ボトックスは一時的に筋肉の働きを抑えているため、時間がたてば元の状態に戻ります。そのため、効果を継続させるには、定期的なケアが必要です。

ただし、定期的にボトックス注入すると、徐々に施術の間隔を半年から1年程度まで延ばせるようになることもあります。

顎にボトックスを打つことで効果が出る人・出ない人

顎にボトックスを打っても、必ずしも効果が出るわけではありません。効果が出るかどうかは、個人の体質やエラのでき方など、さまざまな要因によって異なります。治療を受ける前に、必ず医師に相談し、自分の状態に合った治療法を選びましょう。

効果が出る人

顎にボトックスを打って効果が出る方は、以下のような方です。

  • 表情を作ると梅干しじわができる人
  • 口を閉じるときに梅干しじわができる人

これらの症状は、オトガイ筋が緊張することで生じます。顎にボトックス注射を打つことで、オトガイ筋の緊張をやわらげられるでしょう。顎にボトックス注射を打つと、オトガイ筋の過剰な動きを抑え、しわを防ぎます。

ただし、即効性はありません。効果は約1週間後から現れ始め1ヶ月程度でピークになります。

効果が出ない人

顎にボトックス注射を打つことは効果的な治療ですが、すべての人の悩みに対応できるわけではありません。具体的には、脂肪や骨格が原因の梅干しじわには、ボトックス注射が十分な効果を発揮できない可能性があります。

これは、ボトックス注射が筋肉にのみ作用するためです。脂肪が多い場合や顎の骨格構造に起因するしわの場合は、筋肉をリラックスさせるボトックス注射では根本的な解決が難しくなります。

顎にボトックスを打ち続けるとどうなる?

顎にボトックスを継続的に注入することで、効果を長く保つことができます。しかし、頻繁な治療には注意が必要です。ボトックスを短い間隔で繰り返すと、体内でボトックスに対する抗体が作られ、効果が徐々に弱まってしまう可能性があります。

また、過剰な量を注入された場合、不自然な表情になったり呼吸に支障をきたしたりする危険性もあります。

安全で効果的な治療のために、注入の間隔や量は必ず担当医師と詳しく相談してください。

ヒアルロン酸とはどう違うの?

ヒアルロン酸とボトックスは、どちらもしわを改善する治療として人気がありますが、その作用の仕組みは異なります。

ヒアルロン酸は肌の下に注入することで、失われたボリュームを補い、しわを内側から改善します。

ヒアルロン酸とは

ヒアルロン酸は、私たちの肌の潤いを保つために必要な成分です。年齢とともに減少し、ヒアルロン酸が不足すると肌は乾燥しハリや弾力が失われ、しわやたるみの原因となるため適切なケアをすることが大切です。

ヒアルロン酸注射は、短期間で効果を実感できる美容治療ですが、医師とよく相談して、安全に治療を受けましょう。

ボトックスとヒアルロン酸の違い

ヒアルロン酸とボトックスの違いは、以下のようなことがあります。

 

作用機序

持続期間

即効性

ヒアルロン酸

ボリュームを与える

6月〜1年

施術直後から実感できる

ボトックス

表情筋の動きを弱める

3月〜6

数日かかる

同じしわの治療でも、ヒアルロン酸は「溝を埋める」のに対し、ボトックスは「筋肉の動きを抑える」と違う仕組みです。

ヒアルロン酸を併用する相乗効果

梅干しじわの悩みには、ボトックスとヒアルロン酸を組み合わせることで、より良い効果を実感できるでしょう。

ボトックスで顎の筋肉の動きを抑えた後にヒアルロン酸を注入すると、筋肉が動かないため、注入したヒアルロン酸の形が崩れにくくなります。さらに、ヒアルロン酸には皮膚を内側から持ちあげる効果があり、顎にハリを与えることができます。

顎にボトックスを打つときのデメリットや注意点

顎にボトックス注射を継続することで、効果を長く保つことが可能です。しかし、ボトックス注射を短い間隔で繰り返すと体内でボトックスに対する抗体が作られ、効果が徐々に弱まってしまう可能性があります。

ここでは、顎にボトックスを打つときのデメリットや注意点を紹介します。

副作用がある

ボトックスの副作用は、下記のようなことが考えられます。

  • 痛み
  • 腫れや内出血、赤み
  • 口が開けづらくなる
  • 筋力低下
  • 倦怠感
  • アレルギー反応

ボトックス注射をする際には、副作用が起こる可能性があることを理解しておきましょう。

皮膚に針をさすため、施術箇所に内出血や腫れが生じる可能性があります。また、ボトックスは筋肉の働きを抑える効果があるため、顎に注入することで違和感を伴うことや、動かしにくく感じることもあるでしょう。

失敗する可能性がある

ボトックスの治療がうまくいかない可能性がある理由には、下記の点が挙げられます。

  • 表情の固定化、不自然
  • ボコボコしたフェイスライン
  • バランスが不均衡な下顔面

ボトックスの注射は、注入位置や量を正確に調整する必要があります。施術者の技術や経験が不足していると、期待する効果が得られない場合や逆に副作用が出ることがあります。ボトックスを受ける際には、信頼できる医師を選ぶことが大切です。

効果は永久的でない

ボトックス注射の効果は、永久的なものではありません。これは、ボトックスが筋肉の動きを一時的に抑えているからです。注射することで表情筋の動きを抑制し、しわを改善することやエラを小さくできます。

希望の状態を保つためには、定期的な施術が必要になります。効果の持続期間には個人差があるため、ご自身の状態にあわせて医師と相談しながら、最適なタイミングを見つけましょう。

施術を受けられない人がいる

ボトックス治療を安全に施術するため、以下のような人は治療を受けることができません。

  • 妊娠中または授乳中、3ヶ月以内に妊娠を希望している
  • ボツリヌス毒素に対するアレルギーがある
  • 施術部位に感染兆候がある
  • 筋疾患や神経疾患の既往歴がある、継続して内服している薬がある
  • 献血(血液の提供)予定のある
  • 喘息などの慢性的な呼吸器の病気、重度の筋力低下、筋肉の萎縮、緑内障がある

ボトックスを受ける前に、自分の健康状態や体調をよく確認し、医師と相談することが重要です。

顎ボトックスに関するよくある質問

顎ボトックスに関する、よくある質問にお答えします。施術後の注意点や料金など、Q&A方式で紹介しますので、より知識を深めましょう。

施術後に注意することはありますか?

ボトックス施術後には、いくつかの注意点があります。これらを守ることで、施術の効果を最大限に引き出し、トラブルを避けることができます。

まず、施術直後は注射部位に触れたり、こすったりしないことが重要です。これにより、ボトックスが他の部位に流れ込むのを防ぎます。また、施術当日は激しい運動や長時間の入浴、サウナ、過度な飲酒を避けましょう。

これらの行為は、ボトックスの効果を減少させる可能性があります。

顎ボトックスの費用はどのくらいですか?

顎ボトックスの費用の相場は、約4,000円〜約40,000円です。ただし、使用するボトックスの量で費用が決まります。また、必要な注入量は治療する部位や範囲によって異なります。

例えば、広い範囲を治療する場合は多くのボトックスが必要となるため費用は高くなるでしょう。一方、狭い範囲の治療であれば、少ない量で済むため費用も抑えられます。そのため、同じ顎のボトックス治療でも、患者さんの状態や希望する効果によって費用が変わります。

顎ボトックスを途中でやめるとどうなりますか?

ボトックスを中止しても、肌の状態が悪化するわけではありませんが、治療前の状態に戻ります。

治療後のなめらかな顔に慣れていると、効果が切れて元のしわが現れたときに違和感を覚えることがあります。治療を続けるかどうかは、自身の希望と医師の意見を総合的に判断して決定しましょう。

ダウンタイムはありますか?

一般的に、ダウンタイムは1〜3日程度で落ち着きます。注射後は、赤み、かゆみ、腫れ、内出血などの症状が現れることがあります。また、注射時に針の痛みを感じる場合もありますが、使用される針は非常に細いため、痛みは最小限に抑えられるでしょう。

ボトックス注射の大きな利点は、手術のような大きな負担がなく、すぐに日常生活に戻れることです。ほとんどの場合、日常生活に大きな支障はありませんが、個人差があることを理解しておきましょう。

まとめ

この記事では、顎ボトックスを打ったらどんな効果があるのか解説しました。

顎ボトックスは、安全性が高いといわれていますが、アレルギーがある人は、施術を受けられない可能性があります。また、適切な間隔で継続的に施術を受けると、効果を維持できる美容施術です。

ただし、失敗する場合もあり、永久的なものでもありません。顎ボトックスはダウンタイムがなく、初めて美容施術をする人でも取り入れやすい施術です。

この記事を参考に、理想の自分になれるように、よく医師と相談し施術を受けるか検討しましょう。

足立 真由美
この記事の監修者 医療法人 涼葵会 理事長 足立 真由美
美容医療の豊富な経験から美容医療の枠を超え、東洋医学・アーユルベーダ等のホリスティック医療を展開。「美は健康な身体から」をテーマに、美容クリニックとは思えない多彩なアプローチで、最新の美を提供する。
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