
ほうれい線が目立つことによって、老けて見えてしまうことを悩んでいる方も多いのではないでしょうか。美容医療の1つであるボトックス注射は、表情筋の動きを抑えてしわを軽減する治療法です。悩み解消のため、こうした美容医療を検討する方も少なくありません。
この記事では、ボトックスがほうれい線に与える影響や施術のメリット・デメリット、費用相場、適応するほうれい線の種類などを詳しく解説します。施術を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ボトックスはほうれい線に効果がある?
ボトックスは表情筋の働きを抑えることでしわを目立ちにくくする施術ですが、ほうれい線への効果はそのタイプによって異なります。
表情筋の動きが原因でできた浅いほうれい線には効果が期待できますが、加齢によるたるみや骨格の影響が大きい深いほうれい線には適していません。そのため、ヒアルロン酸注入やハイフなど、他の美容施術と組み合わせることが推奨される場合もあります。
ほうれい線の改善のためにボトックスを検討する場合は、自分のほうれい線のタイプを把握し、施術効果が得られるかどうか確認することが大切です。
ほうれい線とは?
そもそもほうれい線とは、どのような状態のものを指すのでしょうか。ここでは、ほうれい線の特徴や、ほうれい線ができる原因を詳しく解説します。
ほうれい線とは
ほうれい線とは、鼻の横から口角にかけて伸びる2本の線のことです。医学的には「鼻唇溝(びしんこう)」と呼ばれます。
主な原因は、加齢に伴う肌の弾力低下やたるみ、表情筋の衰え、乾燥、紫外線によるダメージなどが挙げられます。これらの要因が重なることで、頬の脂肪や筋肉が下垂し、ほうれい線が深く刻まれていきます。
ほうれい線は、老けて見えたり、疲れて見えたりする印象を与えやすいため、多くの人が悩みを抱えています。改善方法としては、保湿ケアやマッサージ、表情筋トレーニング、美容医療などが挙げられます。
ほうれい線ができる原因
ほうれい線ができる主な原因には以下のようなものが挙げられます。
- 肌のハリや弾力の低下
- 表情筋の衰え or 過剰発達
- 骨格
ほうれい線ができる原因はさまざまですが、 肌のハリや弾力の低下が主な要因です。加齢とともにコラーゲンやエラスチンの生成量が減少し、肌がたるむことでほうれい線が目立つようになります。
また、 表情筋の衰えや逆に過剰な発達もほうれい線を悪化させる原因の1つです。加齢とともに筋力が衰えると、皮膚を支えきれずにしわが深くなります。
さらに、 骨格もほうれい線の深さに影響します。頬の骨が小さい、または鼻の下が長いと、皮膚の支えが少なくほうれい線が深くなりやすいです。
ボトックスの効果があるほうれい線
ボトックスは、筋肉の動きを抑制することでしわを改善する施術です。しかし、 ほうれい線にはいくつかのタイプがあり、すべてのほうれい線にボトックスが有効というわけではありません。
ここでは、ボトックスが適しているほうれい線のタイプや、効果が期待できないケースについて詳しく解説します。
ほうれい線のタイプ
ほうれい線は、大きく分けて以下の3つのタイプに分類されます。
- 表情じわによるほうれい線: 笑ったときにできる浅いしわで、筋肉の動きが原因
- たるみが原因のほうれい線:加齢により皮膚がたるみ、刻まれた深いしわ
- 骨格によるほうれい線:頬の骨が小さい、または鼻の下が長いことで目立つしわ
このように、同じように見えるほうれい線にもタイプがあり、原因はさまざまです。効果的な美容医療を受けるためには、自分のほうれい線がどのタイプにあたるのかを把握しておく必要があるでしょう。
ボトックスで改善できるほうれい線
ボトックスで改善できるのは、 表情筋の動きが原因でできる「浅いほうれい線」です。具体的には以下のような特徴があります。
- 笑ったときに目立つが、無表情では薄い
- 肌のハリや弾力がまだ保たれている
- 20〜30代の比較的若い方に多い
ボトックスを注射することで、 口周りの筋肉の動きを抑え、ほうれい線が刻まれにくくなる ため、予防的な効果も期待できます。初期段階で施術を受けることで、ほうれい線が深く刻まれるのを防げるでしょう。
ボトックスでの改善が難しいほうれい線
ボトックスで改善が難しいのは、 たるみや骨格によるほうれい線です。以下のような特徴がある場合、ボトックス単体では十分な効果が得られない可能性があります。
- 無表情でもくっきりと刻まれている
- 40代以降で肌のハリが大きく低下している
- フェイスラインのたるみが目立つ
- 頬のボリュームが減っている
このようなほうれい線には、 ヒアルロン酸注入やハイフ などのたるみ治療を併用することで、より自然な仕上がりを目指せます。 クリニックでカウンセリングを受け、自分のほうれい線のタイプに合った治療法を選ぶことが重要です。
ほうれい線にボトックスを打つメリット
ほうれい線がボトックスの適応タイプであれば、施術を検討する方も多いでしょう。ここでは、ほうれい線にボトックスを打つ際の、主なメリットを詳しく解説します。
施術時間が短くて済む
ボトックス注射は、 注射器を使って薬剤を筋肉に注入するシンプルな施術です。そのため、施術自体の時間は 5〜10分程度で完了するケースが多いです。
- 通院回数が少なく済む
- カウンセリングを含めても30分程度で終わる
- 仕事や予定の合間に施術ができる
美容医療の中でも特に ダウンタイムが短い施術であるため、施術後すぐに日常生活へ戻れる点が大きなメリットです。ただし、施術後 1〜2時間は注入部位を強くこすらないようにするなどの注意事項を守る必要があります。
施術に対するリスクが小さい
安全性に関しては、一般的にリスクの低い施術とされています。アレルギー反応などの副作用も少なく、正しい方法で施術を受ければ、リスクを最小限に抑えることができるでしょう。
また、切開を伴わないため傷跡が残らず、施術後すぐにメイクができる点もメリットといえるでしょう。ダウンタイムも短く、腫れや内出血は起こりにくいとされています。
ただし、過剰な注入は表情が不自然になる可能性があるため、経験豊富な医師による適切な施術が重要です。医師とのカウンセリングを通して、希望する仕上がりイメージを共有し、適切な注入量や部位を決定することが大切です。
顔の左右非対称が整う
ほうれい線は左右非対称になりやすく、片側だけ深く刻まれることがあります。ボトックス注射は表情筋のバランスを調整し、ほうれい線の左右の深さを均一にする効果が期待できます。特に、片側の口角が下がる、頬の筋肉が発達しているなど、表情の癖による左右差に有効です。ボトックスにより、片側だけ目立つほうれい線を軽減し、顔全体の印象を整えます。
これにより、表情の癖によるしわの左右差を均一にし、顔の印象をより美しく見せることができるでしょう。ただし、効果には個人差があるため、事前カウンセリングでの医師との相談が重要です。
ほうれい線にボトックスを打つデメリット
ボトックスは手軽に受けられる施術ですが、 デメリットや注意点も存在します。効果の持続期間や、副作用のリスクを理解したうえで施術を検討することが重要です。ここでは、ボトックスを受ける際の主なデメリットについて解説します。
永久的な効果は期待できない
ボトックスの効果には、永久的な効果は期待できません。そのため、以下の点に注意が必要です。
- 効果が切れると、元のほうれい線が戻る
- 継続的に施術を受けることで効果を持続できる
- 3ヶ月〜半年ごとに施術を受ける必要がある
ボトックスの効果は 一時的であるため、 3〜6ヶ月程度で徐々に元に戻ります。定期的に施術を受けないと、ほうれい線が再び目立ってしまうため、継続的なメンテナンスが必要です。
また、 1回目の施術では大きな変化を感じにくいこともあるため、希望する仕上がりにするには 複数回の施術が必要になるケースもあります。
施術には痛みを伴う可能性がある
ボトックス注射は、 極細の針を使用するため痛みは比較的少ないですが、 注射の瞬間にチクッとした痛みを感じる方も少なくありません。また、注射針のあとが内出血を起こすケースもあります。
痛みの感じ方には個人差があるため、麻酔クリームを使用することで痛みを軽減できます。
特に、 痛みに敏感な方は事前に医師に相談し、 麻酔クリームや冷却による痛み軽減対策をしてもらうと良いでしょう。
ほうれい線が悪化するケースがある
ボトックスの注入量や注入位置を誤ると、ほうれい線が悪化する可能性があります。具体的な例は以下のとおりです。
- 筋肉のバランスが崩れると、口元のたるみが強調される
- 過剰な注入で、不自然な表情になる
- 皮膚のハリが減少し、しわが目立つこともある
特に、適量以上のボトックスを打つと口元の動きが不自然になり、笑顔がぎこちなくなる ことがあります。そのため、施術経験が豊富な医師を選ぶことが重要です。
ほうれい線へのボトックスにかかる値段
ほうれい線へのボトックス注射には、 どれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここでは、ほうれい線へのボトックスにかかる費用相場と、クリニックごとに価格が異なる理由について解説します。
ほうれい線へのボトックスの費用相場
ほうれい線へのボトックスの費用には、製剤代、施術費用、クリニックの設備や医師の技術料などが含まれています。具体的な価格帯や特徴を表にまとめました。
価格帯 | 特徴 |
2〜5万円 | 韓国製のボトックス(コアトックス、リジェノックスなど)を使用することが多く、施術時間も短め |
5〜8万円 | 多くのクリニックで提供される価格帯で、FDA(アメリカ食品医薬品局)認可の製剤が使用されることが一般的 |
8〜10万円以上 | 施術経験が豊富な医師が対応するクリニックや、ボトックスリフトを希望する場合、価格が高くなる傾向がある |
価格は使用する製剤の種類やクリニックによって変動するため、事前にカウンセリングで費用をしっかり確認することが大切です。
クリニックによって値段が異なる理由
ほうれい線へのボトックスの料金は、クリニックによって大きく異なります。その理由として、以下のポイントが挙げられます。
- 使用製剤の種類
- 注入量
- 施術回数
ボトックスには、アラガン、ボツラックス、ゼオミンなど、さまざまな種類があります。
アラガン社製のボトックスは高品質で効果が持続しやすいため、価格が高めになりがちです。また、ほうれい線の深さやしわの状態によって必要なボトックスの注入量が異なるため、注入量が多いと高額になりやすいです。
施術効果は永久的ではないため、メンテナンスとして定期的に施術を受けると、年間で数十万円のコストがかかることも理解しておく必要があるでしょう。
ほうれい線へのボトックスに関するよくある質問
ほうれい線にボトックスを注入する施術について、疑問や不安を持つ方も少なくありません。ここでは、ボトックスについてよくある質問を紹介します。
ボトックスを打つ部位はどこですか?
ボトックスは、表情筋の過剰な動きを抑えることで、ほうれい線の改善を目指します。主に以下の部位に注入することが多いです。
- 小鼻の横の筋肉:小鼻の広がりを抑え、ほうれい線を目立たなくする
- 口角を下げる筋肉(口角下制筋):口元のバランスを整え、しわの悪化を防ぐ
- エラの筋肉(咬筋):頬のたるみを軽減し、ほうれい線の進行を予防する
ほうれい線のタイプによって適切な注入部位が異なるため、施術前のカウンセリングで診断してもらうことが大切です。また、希望する仕上がりも、しっかりと伝えておくと良いでしょう。
ボトックスとヒアルロン酸どちらがおすすめですか?
ボトックスとヒアルロン酸には、それぞれ異なる効果があります。 どちらが適しているかは、ほうれい線の状態によって異なります。
【ボトックスが適している人】
- 表情筋の動きが原因でほうれい線が目立つ人
- 浅いほうれい線を予防したい人
- 短期間でのメンテナンスが可能な人
【ヒルロン酸が適している人】
- 深いしわを目立たなくしたい人
- 施術直後から効果を感じたい人
- 長期間の効果を求める人
ボトックスが筋肉の動きを抑制するのに対し、ヒアルロン酸は皮膚のボリュームを補うため、状態によって使い分けるのがポイントです。
まとめ
この記事では、ほうれい線へのボトックス注射の効果や、メリット・デメリットについて詳しく解説しました。
ボトックスには、表情筋の動きを抑え、ほうれい線を目立たなくする効果が期待できます。ただし、すべてのほうれい線に有効ではないため、適応するタイプのほうれい線かどうか確認する必要があります。
施術の手軽さやリスクの少なさがボトックスのメリットですが、同時にデメリットにも注意が必要です。費用はクリニックや施術内容によって異なるため、カウンセリングでしっかり確認しましょう。
自分に合った施術方法を選び、理想の仕上がりを目指してください。

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