
ボトックス注射は美容医療で幅広く利用されている施術ですが、副作用が心配な方も多いのではないでしょうか。副作用について知ることは、安心して施術を受けるためにとても重要なことです。
この記事では、ボトックス注射による副作用や、失敗しないために大切なことについて詳しく解説します。ボトックス注射を受けるか悩んでいる方は、ぜひこの記事を最後まで読んでみてください。
目次
ボトックス注射で生じる可能性のある副作用
ボトックス注射で生じる可能性のある副作用は、以下のとおりです。
- 射時の痛み
- 内出血・腫れ・むくみ
- 頭痛
- アレルギー反応
- 左右非対称になる
- 嚙む力が弱まる
- 表情がこわばる
- 皮膚にたるみが生じる
- 意図しない部位の汗が増える
それぞれの副作用について詳しく見ていきましょう。
①注射時の痛み
ボトックス注射を行う際、注射針が肌に入ることでチクっと刺さるような軽い痛みを感じることがあります。とはいえ、この痛みは一瞬なうえ、麻酔を使用するためほとんど痛みはありません。
それでも痛みが心配な方は、施術前に医師に相談し、痛みを和らげてもらうように相談すると良いでしょう。
②内出血・腫れ・むくみ
切開を伴う施術のような傷跡は残らないものの、注射後に内出血や腫れ、むくみが生じることがあります。これは針が皮膚の血管に触れることで発生するものですが、1週間程度で消失します。
施術後は、内出血や腫れを防ぐために、患部をこすらないように気をつけましょう。内出血や腫れ、むくみの出方には医師の技術力もかかわってくるため、術後の症状を抑えるには技術力の高い医師のもとで施術を受けることが大切です。
③頭痛
ボトックス注射後に頭痛を感じる方もいます。咬筋や顔の筋肉にボトックスが作用することで、普段あまり使わない他の筋肉に負担がかかり、筋肉が疲労することで頭痛が引き起こされることがあります。
安静にしていれば、数日以内に治まる場合がほとんどですが、頭痛が長引く場合や、吐き気・発熱・めまいのような症状がある場合は医師に相談しましょう。
④アレルギー反応
まれなことではありますが、ボトックスにアレルギー反応を示す方もいます。アレルギー症状としては、発疹や痒み、腫れなどがみられることがあります。これは、体内でボトックスが異物として察知されるためです。
多くの場合、アレルギー反応は1週間〜1ヶ月程度で治まります。深刻なアレルギー反応が出ることはほとんどありませんが、アレルギーの症状が長引く場合は医師に相談しましょう。
⑤左右非対称になる
ボトックス注射によって、左右非対称の見た目になることがあります。これは、医師がボトックスの注入量や注入箇所を誤り、ボトックスが均等に行き渡らないことにより生じる副作用です。
これを防ぐためには、技術力の高い医師のもとで施術を受け、注入量の調整をしっかりと行うことが大切です。
⑥噛む力が弱まる
エラなどにボトックスを注入した場合、噛む際に使う筋肉が弱まるため、噛む力が一時的に低下することがあります。特に、硬い食べ物を噛む際に違和感を覚えることがあるため、施術後しばらくは柔らかい食べ物を中心に摂るのがおすすめです。
経過とともに症状は改善されていき、1週間ほどで気にならない程度まで回復するでしょう。日常生活に支障が出ることは少ないですが、違和感が長引く場合には医師に相談しましょう。
⑦表情がこわばる
ボトックスには筋肉を弛緩させる作用があるため、表情筋が抑制されて表情がこわばることがあります。これは、医師が注入量を誤り、ボトックスが意図した以上に作用し、表情筋の動きを抑えすぎるために起こる副作用です。
口角が下がったり、不自然な笑顔になったりなどのケースがみられますが、数週間ほどで自然に回復します。この副作用についても、経験豊富な医師に施術を依頼し、適切な注入量で適切な箇所に注入してもらうことでリスクを減らせます。
⑧皮膚にたるみが生じる
ボトックスの影響で筋肉が萎縮し、皮膚の支えが失われることで一時的に皮膚にたるみが生じることがあります。この症状は、筋肉の収縮が抑えられることで起こるもので、主に皮膚の弾力が少ない方や皮膚の薄い方などにみられやすいです。
通常はボトックスの効果が薄れるとともに改善しますが、心配な方は施術前に医師と相談し、顔全体のバランスを考慮した注入方法を検討することが大切です。
⑨意図しない部位の汗が増える
ボトックスには汗を抑える作用もあるため、多汗症治療にも使われますが、意図しない部位で汗の分泌が増えることがあります。これは、注射部位は汗腺の働きが抑えられて発汗量が減るものの、身体全体で出る汗の量は変わらず、注射部位以外から汗をかきやすくなるためです。
汗止めを目的としてボトックス注射を受ける場合は、このようなトラブルについても医師と十分に相談するようにしましょう。
ボトックス注射の副作用を抑えるためには?
ボトックス注射による副作用は、通常は軽度で、時間の経過とともに自然に治まることが多いです。しかし、副作用を最小限に抑えるためには、技術力の高い医師を選ぶことが重要です。経験豊富な医師は、適切な注入量や注射位置を見極められるため、副作用のリスクを軽減できます。
また、万が一ダウンタイム中の症状が長引いたり、違和感が続いたりする場合には、すぐに施術を行ったクリニックに相談することが大切です。さらに、ダウンタイム中は、施術部位を強くこすらない、過度な運動を避けるといった適切なケアを行うことで、回復を早めることが期待できます。
ボトックス注射で思うような効果が得られないこともある
ボトックス注射で効果が得られない原因として、注入量が不足していることや、注入位置が適切でないことなどが挙げられます。また、ボトックスに対して抗体ができてしまうと、効果が出にくくなることもあるため、定期的に施術を受ける際には注意が必要です。
さらに、施術後のNG行為として、注射直後に施術部位を強く押したり、激しい運動をすることなどがあります。施術後のケアを守ることで、ボトックスの効果を最大限に引き出すことが可能になります。
ボトックス注射を控えた方が良い・受けられない人はいる?
ボトックス注射は、基本的に安全な施術ですが、一部の方は控えた方が良い場合や、施術を受けられないケースがあります。また、たとえ「ボトックス注射を受けても良い」と診断されても、副作用やリスクが完全にないわけではありません。ここでは、ボトックス注射を控えた方が良い、または受けられない方の条件を詳しく見ていきましょう。
- 控えた方が良い|高齢の方
- 受けられない|神経疾患のある方
- 受けられない|妊娠中・授乳中の方
それぞれについて詳しく解説します。
控えた方が良い|高齢の方
65歳以上の高齢の方は、ボトックス注射を控えることが推奨されています。年齢を重ねることで筋肉の働きが弱まり、ボトックスの効果が想定どおりに現れない可能性が高いためです。
また、高齢の方は皮膚や筋肉の弾力が低下している場合が多く、効果が出にくいだけでなく、不自然な見た目になるリスクもあるなど、副作用のリスクが高いです。ボトックス注射には禁忌薬があるため、施術を検討する際は医師と十分に相談することが大切です。
受けられない|神経疾患のある方
神経疾患があって神経伝達に影響を与える薬を服用している方は、ボトックス注射を受けることができません。ボトックス注射は筋肉の働きを抑える作用があるため、神経筋接合部に影響を及ぼし、神経伝達に関連する薬の効果が弱まったり、逆に効果が強く出すぎたりするリスクがあります。
特に、ボトックス注射には併用禁忌薬が定められており、服用中の薬がある場合は、事前に必ず医師に相談し、適切な判断を仰ぐことが重要です。
受けられない|妊娠中・授乳中の方
妊娠中や授乳中の方も、ボトックス注射を受けることができません。ボトックスの成分が胎児や乳児に影響を与えるリスクを否定できないため、施術は控えるように指導されることが一般的です。中には、「妊娠中・授乳中にボトックス注射を受けても問題なかった」という方がいるものの、決して安全性が保証されているわけではありません。
妊娠や授乳期間中は身体に変化が多く生じやすい時期であり、ボトックス注射を受けることで体に負担がかかるリスクもあるため、出産・授乳期間後まで待つのが安全です。
ボトックス注射を受ける際の注意点
ボトックス注射は、笑う・怒るなどの表情によって生じるシワの改善には効果的ですが、無表情の時に刻まれている深いシワに対しては効果が限られます。また、施術後すぐに効果が現れるわけではなく、2日〜1週間程度経ってから徐々に効いてきます。
エラへの注射で小顔効果を期待する場合は効果が安定するまで約1ヶ月かかり、多汗症治療で脇に注入する場合は2週間ほどで安定します。
また、ボトックスは筋肉の動きを一時的に抑制するものであり、効果は一般的に3〜4ヶ月程度で徐々に薄れていきます。効果を持続したい場合には、効果が切れるタイミングでの再施術が必要です。スケジュールに余裕を持って施術日を決めると、計画的に効果を維持できます。
ボトックス注射で失敗したときの対処法
ボトックス注射で「失敗した」と感じるケースの多くは、ボトックスの注入量が多すぎて、効果が過剰に現れてしまい、表情が硬くなって無表情に見えることです。このような場合、対処法としては、ボトックスの効果が自然に弱まるのを待つしかありません。
ボトックスの効果が緩和するまでには通常3〜6ヶ月かかるため、その間は違和感を感じることがありますが、時間が経過するにつれて徐々に回復します。不安な場合は、施術を受けたクリニックで相談すると良いでしょう。
ボトックス注射で失敗しないためのクリニックの選び方
ボトックス注射の失敗を避けるためには、信頼できるクリニックと経験豊富な医師を選ぶことが重要です。クリニックや医師を選ぶ際には、医師の実績や口コミ評価、カウンセリングの丁寧さを確認しましょう。
特に避けた方が良いクリニックや医師の特徴として、患者の希望に対して十分な説明を行わない、施術の料金が不透明である、無理に施術をすすめるといった点が挙げられます。安全で満足のいく施術を受けるためには、カウンセリング時の対応や説明内容をしっかり確認することが大切です。
まとめ
ボトックス注射は美容効果が期待できる一方、痛みや内出血、表情が硬くなるなどの副作用が生じることがあります。施術の失敗を避けるためには、信頼できる医師のもとで適切な施術を受けることが重要です。
また、施術後の注意点を守り、効果が出るまでの期間や持続期間に対する理解を深めておくことも大切です。副作用やリスクについての正しい知識を持ち、安全で効果的な施術を受けるための参考にしてみてください。
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