目の下のしわやたるみが気になる方にとって、ボトックスは手軽に受けられる美容施術の1つです。ボトックスには筋肉の動きを抑制する効果があり、表情じわの軽減や目元の印象を変えるのに役立ちます。しかし、適応範囲が限られるため、期待した効果が得られない場合もあります。

この記事では、目の下のボトックスの効果やメリット・デメリット、注意点を詳しく解説します。施術を検討している方は、失敗しないためのポイントと併せてぜひ参考にしてください。

目の下のボトックスとは

目の下のボトックスとは、ボツリヌストキシン製剤を目の下の筋肉に注入することで、しわやたるみを軽減し、若々しい印象の目元を目指す美容施術です。

ボトックスには筋肉の動きを抑える作用があり、目元の表情じわを軽減するのに効果的とされています。特に、笑ったときにできる目の下のしわが気になる方や、目元のハリを取り戻したい方におすすめです。

また、目の下のボトックスは、目の形を調整する目的でも使用されることがあります。例えば、つり目を和らげたり、目の開きを改善したりすることが可能です。ただし、目元の筋肉は非常に繊細なため、適切な量を注入しないと、不自然な表情になるリスクもあります。

施術を検討する際は、経験豊富な医師のもとでカウンセリングを受け、自分の目元に適した施術かどうかを確認することが大切です。

目の下のボトックスに期待できる効果

目の下のボトックスには、さまざまな美容効果が期待できます。ここでは、目の下のボトックスによって期待できる主な効果を解説します。

目元のしわ改善

目の下のしわは、加齢や乾燥、紫外線ダメージ、表情のクセなどによって深く刻まれることがあります。特に、笑ったときにできるしわや、無意識のうちにできる細かいしわは、ボトックスを注入することで軽減可能です。

ボトックスには、目の周りの表情筋の過剰な動きを抑える作用があるため、しわが深くなるのを防ぎます。また、目の下のハリを取り戻し、若々しい印象を与える効果も期待できます。ただし、注入量が多すぎると目元の動きが不自然になり、笑顔の印象が変わることもあるため、適量を見極めることが重要です。

つり目の解消

目の下のボトックスは、つり目を和らげる効果も期待できます。目尻が上がりすぎていると、きつい印象や疲れた表情に見えることがありますが、ボトックスを適量注入することで、目尻の筋肉をリラックスさせ、ナチュラルな目元に整えることが可能です。

特に、つり目を気にしている方や、目尻が引き上がりすぎていることで表情がきつく見える方におすすめの施術です。

ただし、つり目の原因が骨格や皮膚のたるみによるものである場合は、ボトックスのみでは十分な効果を得られない可能性があります。他の施術と組み合わせることで、より理想の仕上がりに近づくことができるでしょう。

目の大きさ改善

ボトックスは、目の開き方にも影響を与えるため、目の大きさを改善する目的でも使用されることが多いです。目の下の筋肉の緊張を和らげることで、目が開きやすくなり、よりぱっちりとした印象になることが期待できます。

ただし、ボトックスを打ちすぎると、まぶたが下がってしまい、目が開きにくくなるリスクもあります。そのため、注入量を慎重に調整することが大切です。

目の開きを改善したい場合は、ボトックスだけでなく、ヒアルロン酸注入や目元のリフトアップ施術と併用することも検討すると良いでしょう。

目の下のボトックスのメリット

目の下のボトックスは、加齢によるしわや目元のハリの低下が気になる方におすすめの治療法です。ここでは、目の下のボトックスを受けることで得られるメリットについて詳しく解説します。

目元の悩みが解消する

目の下にボトックスを注入すると、筋肉の過剰な動きを抑える効果が期待できます。これにより、目元のしわが目立ちにくくなり、ハリのある若々しい印象に近づけます。

特に、目の下の小じわや表情じわが気になる場合に有効です。また、目の下のクマの一部も改善が期待できます。筋肉の緊張が和らぐことで、血流が促進されるため、目元が明るく見えることもメリットの1つです。

ただし、ボトックスは皮膚のたるみを直接引き締める効果はないため、たるみが気になる場合は他の治療と併用するとより効果的です。

施術時間が短い

ボトックス注射の施術時間は、一般的に5〜10分程度と非常に短時間で完了します。手軽に受けられる点は、忙しい方にとって大きなメリットといえるでしょう。

施術後のダウンタイムもほとんどないため、仕事や予定の合間に受けることも可能です。美容クリニックによっては、カウンセリングを含めても30分ほどで終了することも多く、施術後すぐに日常生活へ戻れます。

施術直後は注入部位に赤みや腫れが出ることがありますが、これらの症状は数時間から数日で落ち着くため、大きな影響を受けることはありません。

切開が不要で手軽に受けられる

ボトックス注射はメスを使わずに行えるため、傷跡が残る心配がありません。切開を伴う手術に抵抗がある方でも、比較的気軽に受けることができる治療です。

また、切開手術と比較すると施術時間も短く、術後の回復も早いため、「気軽に目元の印象を変えたい」「ダウンタイムを少なくしたい」と考える方に適しています。

ボトックスは繰り返し施術が可能なため、効果が薄れてきた場合でも、定期的に注入することで持続的な効果が期待できます。

ダウンタイムが短い

目の下のボトックスは、ダウンタイムがほとんどない点も大きなメリットです。施術後、注射部位に軽い腫れや赤みが生じることがありますが、多くの場合数時間から1日程度で治まります。

また、メイクも施術当日から可能な場合が多いため、日常生活への支障が少ないのも魅力の1つです。ただし、施術後は過度な刺激を避けるため、以下の点に注意が必要です。

  • 施術当日は長時間の入浴やサウナを避ける
  • 注入部位を強くこすらない
  • アルコール摂取を控える

このようなポイントに気をつけることで、よりスムーズな回復が期待できます。

目の下のボトックスのデメリット

目の下のボトックスには、しわ改善や目元の印象を和らげる効果が期待できますが、一方でデメリットも存在します。ここでは、目の下のボトックスのデメリットについて解説します。

効果は永久的ではない

ボトックスの効果は一時的であり、3〜6ヶ月程度で徐々に薄れていきます。これは、ボトックスが神経伝達をブロックすることで筋肉の動きを抑える仕組みになっているため、時間の経過とともに体内で分解されるためです。

効果を維持するためには、定期的に施術を受ける必要があります。しかし、頻繁にボトックスを打ち続けることで、効果が薄れたり、筋肉の動きが鈍くなったりする可能性もあるため、適切な間隔を空けることが大切です。

また、一度の注入量が少なすぎると期待した効果を得られないこともあるため、医師と相談しながら適切な量を調整することが重要です。

腫れや内出血が起こる可能性がある

ボトックスは注射による治療のため、施術後に腫れや内出血が起こる可能性があります。特に、目の下は皮膚が薄く、毛細血管が密集しているため、内出血が生じやすい部位です。

腫れは、数時間から2.3日程度で落ち着くことが多いです。また、内出血が落ち着くまでには1〜2週間ほどかかることが多いですが、メイクでカバーできる程度のものがほとんどです。ただし、大切なイベントがある場合は、施術のタイミングを調整するのも良いでしょう。

施術後に血流が良くなる行為(長時間の入浴や激しい運動、飲酒)を避けることで、内出血のリスクを抑えることができます。

目元のしわやたるみが悪化することがある

ボトックスは表情筋の動きを抑える効果がありますが、誤った部位に注入するとしわやたるみが悪化することがあります。特に、目の下に過剰に注入すると筋肉のバランスが崩れ、以下のような副作用が起こる可能性があります。

  • 目の下が過剰にリラックスし、たるんでしまう
  • 表情の動きが制限され、不自然な仕上がりになる
  • しわがなくなる一方で、皮膚のハリが失われる

元々皮膚のたるみが強い方は、ボトックスだけでの改善が難しく、ヒアルロン酸注入やスキンケアと併用することでより自然な仕上がりが期待できます。そのため、医師としっかりカウンセリングを行い、適切な治療方法を選ぶことが重要です。

眼瞼下垂になることがある

ボトックスが誤った位置に注入された場合、眼瞼下垂が発生することがあります。これは、ボトックスがまぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)に影響を及ぼすために起こる副作用です。

眼瞼下垂の主な症状は以下のとおりです。

  • 目が開きにくくなる
  • まぶたが重く感じる
  • 眠たそうな印象になる

この症状は、ボトックスの効果が薄れる*3〜4ヶ月で自然に改善しますが、その間は視界が狭くなるなどの影響が出る可能性があります。そのため、リスクを避けるためにも、ボトックス注射の経験が豊富な医師を選び、慎重に施術を受けることが大切です。

目の下のボトックスで失敗しないためのクリニックの選び方

目の下のボトックスは、施術の仕上がりに医師の技術力が大きく影響します。ここでは、目の下のボトックスで失敗しないためのクリニック選びのポイントを解説します。

実績の豊富なクリニックを選ぶ

ボトックス注射はシンプルな施術に見えますが、目の下のような繊細な部位では、医師の技術が仕上がりを左右します。そのため、経験が豊富なクリニックを選ぶことが重要です。

  • ボトックス注射の症例数が多いか
  • 目の下のボトックス施術を専門的に行っているか
  • 医師がボトックス治療の研修や資格を持っているか

こうした点をチェックすることで、失敗のリスクを抑えられます。また、クリニックの公式サイトや医師のプロフィールを確認し、どの程度の経験があるのかを調べるのもおすすめです。

施術費用が適正なクリニックを選ぶ

ボトックスの施術費用はクリニックによって異なりますが、安すぎる価格には注意が必要です。適正な価格の目安としては、1回あたり2〜5万円程度が一般的です。

価格が安すぎる場合、以下のようなリスクが考えられます。

  • 正規品のボトックスではなく、効果が不明な製剤を使用している
  • 適切な量を注入していないため、効果が持続しない
  • 経験の少ない医師が施術を行っている

一方で、極端に高額なクリニックもあるため、適正価格を見極めることが大切です。費用だけで判断せず、医師の実績や使用するボトックスの種類なども総合的にチェックしましょう。

カウンセリングが丁寧なクリニックを選ぶ

ボトックスは手軽な施術ですが、個々の目元の状態に合わせた適切な量や注入部位の調整が必要です。そのため、施術前のカウンセリングが丁寧なクリニックを選ぶことが大切です。

カウンセリング時には、以下のような点を確認しましょう。

  • リスクや副作用についてしっかり説明があるか
  • 仕上がりのイメージを具体的に伝えてくれるか
  • 「とにかく安く」「すぐに施術を受けられる」といった安易な勧誘がないか

また、納得がいくまで質問に答えてくれるクリニックを選ぶことで、施術後の満足度も高くなります。

症例や口コミを参考にする

クリニック選びでは、実際に施術を受けた方の症例や口コミを確認することも重要です。公式サイトに掲載されている症例写真やレビュー、SNSでの口コミをチェックすることで、施術の仕上がりや医師の対応を知ることができます。

【口コミを確認する際のポイント】

  • ボトックスの仕上がりが自然か
  • 施術後の腫れや内出血などのトラブルがなかったか
  • 医師やスタッフの対応が丁寧か

ただし、すべての口コミが正確とは限らないため、複数のサイトやSNSを参考にしながら総合的に判断することが大切です。

目の下のボトックスに関するよくある質問

目の下のボトックスに関して、疑問や不安を持つ方も多いのではないでしょうか。ここでは、よく寄せられる質問について詳しく解説します。施術を検討している方は、ぜひ参考にしてください、

目の下のクマに効果はありますか?

目の下のボトックス注射は、クマの種類や原因によっては効果が期待できます。

ボトックス注射は、筋肉の動きを抑制する効果があり、目の下のちりめんじわやくぼみによってできる黒クマに効果を発揮します。また、目元のたるみを改善し、クマを目立たなくする効果にも期待できるでしょう。

ただし、ボトックス注射は、すべてのクマに効果があるわけではありません。医師と相談し、クマの種類や原因に合った治療法を選ぶことが大切です。

目の下のクマが気になる場合は、美容クリニックで専門医に相談することをおすすめします。

ボトックスを打ち続けると危険ですか?

ボトックスを定期的に打ち続けることで、耐性がついて効果が薄れる可能性があります。ただし、適切な頻度で施術を受ければ、安全性に問題はありません。

通常、ボトックスの効果は3〜6か月持続します。過度に短いスパンでの施術を繰り返すと、筋肉が過度に萎縮してしまい、不自然な表情やたるみを引き起こす可能性があるため注意が必要です。また、希釈の仕方や注入量の調整によってリスクを軽減できるため、ボトックス治療の実績が豊富なクリニックを選ぶことで安心して施術を受けられるでしょう。

まとめ

この記事では、目の下のボトックス施術について解説しました。

目の下のボトックスは、しわやたるみの改善に効果が期待できる施術です。ただし、適応範囲が限られており、場合によっては逆効果になるリスクもあります。そのため、施術を受ける際は、実績のあるクリニックを選び、十分なカウンセリングを受けることが大切です。

また、ダウンタイムや副作用について理解し、事前の準備やアフターケアを徹底することで、より満足度の高い結果につながります。ボトックスの特徴を正しく理解し、自分に合った施術を選ぶことで理想の仕上がりに近づくでしょう。

足立 真由美
この記事の監修者 医療法人 涼葵会 理事長 足立 真由美
美容医療の豊富な経験から美容医療の枠を超え、東洋医学・アーユルベーダ等のホリスティック医療を展開。「美は健康な身体から」をテーマに、美容クリニックとは思えない多彩なアプローチで、最新の美を提供する。
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