ヒアルロン酸注入は手軽に行える美容施術ですが、「体調不良のときに受けると腫れるの?」「腫れの原因は他にもあるの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

体調不良のときは免疫力が低下しているため、通常よりも腫れやすくなります。注入後の腫れにはさまざまな原因があり、適切な対処をすることで症状を抑えることができます。

そこでこの記事では、体調不良時のヒアルロン酸注入による腫れのリスクを詳しく解説します。また、体調不良以外の腫れの原因や、腫れを抑えるための対処法も紹介します。

この記事を読めば、ヒアルロン酸注入後に腫れやすい条件や、適切なケア方法が理解できるので、「安心して施術を受けたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ヒアルロン酸注入後に体調不良で腫れることはある?

ヒアルロン酸注入後に「腫れが長引いている」「いつもより腫れがひどい」と感じることがあります。その原因の1つとして、体調不良が影響しているかもしれません。体調が万全でないと免疫の働きが低下し、炎症反応が強くなります。

特に、風邪気味のときや疲れが溜まっているときは、通常よりも腫れが長引くことがあるため、施術を受けるタイミングには注意が必要です。施術前に少しでも体調が優れないと感じた場合は、無理をせずに日程を変更することを検討しましょう。

また、飲酒も腫れを引き起こす要因の1つです。アルコールは血管を拡張させる作用があり、ヒアルロン酸を注入した部位の血流が増加し、腫れや内出血が強くなります。そのため、施術後24〜48時間は飲酒を控えることが推奨されています。

体調不良でヒアルロン酸注入をしたら腫れやすい部位

体調不良の状態でヒアルロン酸を注入すると、通常よりも腫れやすくなる部位があります。特に、血流が豊富な部分や皮膚が薄い部分は腫れが強く出ることがあるため、施術前の体調管理が重要です。具体的には、以下の部位で腫れやすいとされています。

  • 目元

唇は非常に柔らかい組織であり、また動きが多いため、体調不良による反応が現れやすい部位です。飲食や会話などで頻繁に動くため、施術後のヒアルロン酸の定着にも影響を受けやすく、腫れが出やすいとされています。

目の周りは皮膚が薄い上、血流が豊富なため、疲れやストレスが腫れとして現れやすい部分です。目元の皮膚は非常に薄く、体調不良時には浮腫みやすくなるため、ヒアルロン酸注入後に通常よりも腫れが強く出ることがあります。

また、睡眠不足やストレスが原因で血行が悪くなると、目の下のクマが悪化し、腫れが目立ちやすくなります。施術後の腫れを抑えるためには、施術前後に十分な睡眠をとることが大切です。

表情筋が多い頬も、体調不良の影響を受けやすい部位の1つです。頬は顔の中でも面積が広く、表情筋が多いため、ヒアルロン酸を注入した後に腫れやすい部位です。特に、風邪をひいていたり、極度の疲労が溜まっていたりすると、体が炎症反応を起こしやすくなり、頬の腫れが長引くことがあります。

体調不良でヒアルロン酸注入をして腫れやすい方の特徴

ヒアルロン酸注入後に腫れが出るのは一般的ですが、体調不良のときに施術を受けると、通常よりも腫れやすくなります。中でも特に、ヒアルロン酸の注入量が多い方や、発熱を伴う体調不良の方は、施術後の腫れが強く出る傾向があります。

ここでは、体調不良時に腫れやすい方の特徴について詳しく解説します。

ヒアルロン酸を大量に入れている方

ヒアルロン酸を大量に注入している方は、通常よりも腫れが長引きます。

ヒアルロン酸は体内の水分を引き寄せる性質があり、大量に注入すると、その分腫れやすくなります。さらに、ヒアルロン酸の量が多いと、体調が悪いときに炎症反応が強くなり、通常よりも腫れがひどくなることがあります。

また、大量にヒアルロン酸を入れた場合、体調が万全でないときには体内の水分バランスが乱れ、むくみが発生しやすくなることもあります。そのため、施術後は体調管理を徹底し、体調が優れないときは無理に施術を受けないことが大切です。

体温が38度以上に上がった方

発熱がある状態でヒアルロン酸注入を受けると、腫れやすくなります。

体温が38度以上に上がると、免疫機能が活性化して炎症反応が強くなるため、ヒアルロン酸を注入した部位の腫れが悪化することがあります。特に、体調不良によって血管が拡張しやすくなるため、内出血やむくみが起こりやすいです。

また、発熱時には体内の水分が不足しやすくなり、血液の循環が変化するため、通常よりもヒアルロン酸が定着しにくくなります。そのため、施術後に腫れが長引くだけでなく、効果が不均一になったり、仕上がりが理想通りにならなかったりするかもしれません。

発熱時や体調不良時には無理に施術を受けず、体調が回復してから施術を受けるのがベストです。

通常ヒアルロン酸注入後はどれくらい腫れる?

通常、ヒアルロン酸注入後は軽度から中等度の腫れが見られます。施術直後は注入部分がふっくらと膨らみ、内出血が生じることもあり、数時間から1日程度で腫れがピークに達することが多いです。その後、数日をかけて徐々に腫れは引き、通常1週間程度でほとんど腫れが解消される傾向にあります。

クリニックでの指示に従い、無理のない生活を心がけることで、早期の回復が期待できます。

体調不良でヒアルロン酸注入をして腫れたときの対処法

ここからは、体調不良でヒアルロン酸注入をして腫れたときの対処法を3つ紹介します。

  • 患部を冷やす
  • 無理せず安静にする
  • 医師に相談する

それぞれ詳しく解説します。

患部を冷やす

施術後、特に体調が優れないときに腫れが強く現れた場合は、患部を冷却することが効果的です。冷却パックやアイスパックを利用することで、血管の拡張を抑え、炎症を軽減することが期待できます。

ただし、直接肌に冷却パックやアイスパックを当てると、冷たさが過剰になり皮膚を傷めてしまいます。そのため、必ず清潔なタオルに包んでから使用するよう心がけてください。

無理せず安静にする

体調不良の状態で施術を受けた場合、体は通常以上にストレスを感じ、炎症反応が強まることがあります。そのため、施術後は無理をせず、十分な休息をとることが重要です。

普段の生活リズムを乱さず、十分な睡眠や水分補給を心がけることが、腫れの軽減と施術効果の安定に繋がります。

医師に相談する

施術後の腫れが予想以上に強く、痛み・発熱・持続的な赤みが長期的に見られる場合は、早急に医師に相談することが大切です。自己判断で放置すると、稀に感染症や深刻な炎症が進行するかもしれません。

医療機関に適切に相談し、疑問点や不安をしっかりと解消するようにしましょう。

【体調不良以外】ヒアルロン酸注入後に腫れる原因

ヒアルロン酸注入後に腫れが生じることは一般的ですが、その原因は体調不良だけではありません。ここでは、体調不良以外のヒアルロン酸注入後に腫れる主な原因を6つ詳しく解説します。

  • ヒアルロン酸の入れすぎ
  • 内出血
  • 麻酔の影響
  • アレルギー反応
  • 医師の技術が低い
  • 感染

それぞれ詳しくみていきましょう。

ヒアルロン酸の入れすぎ

ヒアルロン酸を過剰に注入すると、皮膚や組織が一時的に膨らみすぎてしまい、腫れやむくみが目立つことがあります。特に、一度に多くのヒアルロン酸を入れた場合、体が異物として認識し、炎症反応が強く出ることがあります。

施術後に不自然な膨らみが気になる場合は、医師と相談し、適量を調整してもらうことが重要です。

内出血

ヒアルロン酸注入では針を使用するため、血管に針が当たると内出血が起こります。特に、皮膚が薄い部位や血流が豊富な部分では、内出血が目立ちやすくなります。

この内出血が原因で、腫れが出るかもしれません。一般的に、時間の経過とともに自然に吸収されるため、過度に心配する必要はありません。しかし、施術後は強くマッサージをしないように注意しましょう。

麻酔の影響

施術中の痛みを軽減するために局所麻酔を使用することがありますが、この麻酔が腫れの原因になることもあります。麻酔によって血管が拡張し、一時的に腫れやむくみが出ることがあります。

特に、麻酔が完全に抜けるまでの数時間は腫れが続くことが一般的です。この場合は、麻酔の影響が落ち着くとともに腫れも引いていくため、施術後の経過を観察しながら様子を見ることが大切です。

アレルギー反応

ヒアルロン酸はもともと体内に存在する成分ですが、まれにアレルギー反応が出ることがあります。アレルギー反応による腫れは、施術後すぐに発生する場合もあれば、数時間後や翌日に強く現れることもあります。

腫れに加えて、かゆみ・赤み・発疹などが生じる場合は、アレルギー反応の可能性があるため、すぐに医師に相談しましょう。

医師の技術が低い

ヒアルロン酸注入は、施術者の技術によって仕上がりが大きく左右されます。経験の少ない医師による施術では、適切な層にヒアルロン酸が注入されず、不自然な膨らみや腫れが出ることがあります。

特に、皮膚の浅い層に注入しすぎると「チンダル現象」と呼ばれる青白い透けが発生することもあります。施術後の腫れを最小限に抑えるためには、経験豊富な医師のもとで施術を受けることが重要です。

感染

ヒアルロン酸注入は基本的に安全な施術ですが、まれに細菌感染を起こすことがあります。感染が起こると、通常の腫れよりも強い炎症や痛みを伴うことが多いとされています。そのため、施術後数日経っても腫れが引かない場合や、腫れが悪化する場合には注意が必要です。

感染を防ぐためには、施術後に患部を清潔に保ち、必要以上に触らないことが大切です。万が一、腫れが長引いたり膿が出るような場合は、すぐに医師に相談し、抗生物質の処方を受けるなど適切な処置を行いましょう。

ヒアルロン酸注入のメリット

ヒアルロン酸注入は、手軽に顔のボリュームアップやシワの改善ができる美容施術として多くの人に選ばれています。その最大の魅力は、施術直後から効果を実感できる即効性です。施術後すぐにふっくらとしたボリュームが出るため、変化をすぐに確認できる点が、多くの人に支持される理由の1つです。

また、ヒアルロン酸はもともと体内に存在する成分であるため、施術後も自然な仕上がりになりやすいことも魅力的でしょう。適切な量を注入することで、不自然な膨らみを避けながら、ナチュラルに若々しい印象を手に入れることができます。特に、顔のバランスを整えたい方や、加齢によるシワやたるみを改善したい方には、満足度の高い施術といえます。

ダウンタイムが短い点も、ヒアルロン酸注入の大きな利点です。施術後に軽い腫れや赤みが生じることはありますが、通常は数日で落ち着きます。メスを使用する外科的な美容施術と比較すると、日常生活に影響を与えにくいため、忙しい方でも気軽に受けることができるでしょう。

さらに、安全性の高さもヒアルロン酸注入の魅力の1つです。ヒアルロン酸は時間の経過とともに体内に吸収されるため、半永久的に体に残ることがなく、必要に応じて分解されます。医師の適切な技術によって施術が行われれば、リスクを最小限に抑えることができ、安心して受けられるでしょう。

ヒアルロン酸注入のデメリット

ヒアルロン酸注入には多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。

1つ目に、副作用のリスクがある点が挙げられます。施術後に腫れや内出血が起こることがあり、体質によっては一時的な違和感やむくみを感じることもあります。まれにアレルギー反応が起こることもあるため、事前に医師としっかり相談し、自分の体質に合うかどうかを確認することが重要です。

もう一つのデメリットは、コストがかかる点です。ヒアルロン酸注入は一度の施術で長期間の効果が得られるわけではなく、数か月から1年程度で体内に吸収されるため、定期的に施術を受ける必要があります。ヒアルロン酸の種類やクリニックによって料金に差があるため、予算に合わせたプランを検討することが大切です。

まとめ

この記事では、体調不良のときにヒアルロン酸注入をすると腫れることがあるのかを解説し、体調不良以外の腫れの原因や対処法についても詳しく紹介しました。

ヒアルロン酸注入後の腫れは、体調が万全でないときに起こりやすいです。免疫力が低下している状態では、体が炎症を起こしやすくなり、通常よりも腫れや内出血が長引くかもしれません。

この記事を参考に、ヒアルロン酸注入後の腫れのリスクを理解し、適切なケアを行いながら安心して施術を受けられるよう準備をしてみてください。

足立 真由美
この記事の監修者 医療法人 涼葵会 理事長 足立 真由美
美容医療の豊富な経験から美容医療の枠を超え、東洋医学・アーユルベーダ等のホリスティック医療を展開。「美は健康な身体から」をテーマに、美容クリニックとは思えない多彩なアプローチで、最新の美を提供する。
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