ヒアルロン酸注入の特徴は、施術時間が短くダウンタイムが少ない点です。一方で、効果を持続させるためには定期的な注入が必要です。そんなヒアルロン酸について「打ちすぎるとどうなるのか知りたい」と感じている方の多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、ヒアルロン酸を打ちすぎるリスクを解説します。また、打ち続けるメリットとリスク、打ちすぎを防ぐための注意点も併せて紹介します。

この記事を読めば、ヒアルロン酸注入を打ちすぎる際と打ち続ける際の注意点を理解できるようになるので、ヒアルロン酸注入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

ヒアルロン酸注入に期待できる効果

ヒアルロン酸を注入すると、次の効果が期待できます。

  • しわやたるみの改善
  • 注入部位のボリュームアップ
  • 輪郭形成 など

ヒアルロン酸注入は、加齢によるしわやたるみの改善や涙袋や唇など顔のパーツごとのボリュームアップ、輪郭を整える効果が期待できる美容施術です。ヒアルロン酸は人間の体に元々存在する保水成分で、肌に弾力やハリを与える効果が期待できます。

顎先や鼻へヒアルロン酸を注入すると、顎先を出してシュッとした印象にしたり鼻に高さを出したりすることもできます。はっきりとして輪郭を形成したい方や顔を整えたい方にも、ヒアルロン酸注入がおすすめです。

体内のヒアルロン酸は加齢とともに徐々に減少していきます。若々しく自然な見た目を実現したい方は、ヒアルロン酸注入を検討してみてください。

ヒアルロン酸を打ちすぎるとどうなる?

ヒアルロン酸注入後の状態を維持するには、適量のヒアルロン酸を定期的に注入する必要があります。では、打ちすぎるとどうなるでしょうか。次は、ヒアルロン酸を打ちすぎることで起こるリスクを解説します。

不自然な仕上がりになる

ヒアルロン酸を過剰に注入すると、見た目が不自然になるリスクがあります。しわやたるみの改善で、ほうれい線に多量にヒアルロン酸を注入すると頬が不自然に膨れあがって見えてることがあります。また、唇や顎先といった部位は、不自然に強調される可能性があるため注意しましょう。

ヒアルロン酸を過剰に注入してしまうと、注入部位や顔全体がパンパンに膨らみ不自然に見えてしまう「ヒアル顔」と呼ばれる状態に陥る場合もあります。理想の見た目になるために、医師の事前カウンセリングを受けて適切な量のヒアルロン酸を注入するようにしましょう。

重大な副作用を生じるリスクがある

ヒアルロン酸は体内に含まれる成分であるため、安全性が高い施術です。しかし、ヒアルロン酸を過剰に打ちすぎると、以下のような症状が現れる場合があります。

  • しこり
  • 血流障害
  • チンダル現象 など

まれに、皮膚内部でヒアルロン酸が溶けきらずにしこりのように固まってしまうことがあります。また、ヒアルロン酸の過剰注入により血管を圧迫し、血流を妨げてしまう可能性もあるため注意が必要です。

副作用のリスクを最小限で抑えるために、ヒアルロン酸注入の知識や施術経験が豊富な医師から、医師のカウンセリングを受ける必要があります。ヒアルロン酸を適切な注入部位や量を医師と相談したうえで、施術を受けるようにしましょう。

依存や美的感覚のずれが生じやすくなる

ヒアルロン酸を打ちすぎると徐々に依存してしまい、美的感覚もずれが生じる可能性があるので注意しましょう。施術を繰り返すと徐々に自分の顔を見慣れて、さらに注入したいと思うようになります。その結果、注入量がどんどん増えていき、「注入部位だけ自然な仕上がりで、顔全体でみると不自然な仕上がりになった」という事態になりかねません。

ヒアルロン酸を短期間に何度も注入を繰り返していると、過剰な注入となる恐れがあります。また、美的感覚がズレてしまう可能性があるため、事前に医師へ改善したい部位と理想とする顔の状態を相談しておき、適切な感覚で施術を受けましょう。

注入量や頻度を守ればヒアルロン酸を打ち続けても問題ない

適量や頻度を守れば、打ち続けても大きな問題はありません。なぜなら、ヒアルロン酸は人間の体に元々存在する成分で、アレルギーや重大な副作用が発生するリスクが低い傾向にあるためです。

ただし、注入量や注入頻度を誤ると、しこりや血流圧迫、不自然な仕上がりの原因になる恐れがあります。適切な施術を受けるために、口コミや評判なども参考にしながら信頼できるクリニックを選びましょう。

また、頻繁にヒアルロン酸注入を受けると、前回のヒアルロン酸がまだ馴染まず、不自然な膨らみを生じる可能性があります。自分に適した施術を受けるためにも、ヒアルロン酸注入の施術経験が豊富で、技術力が高い医師からカウンセリングを受けることが大切です。

ヒアルロン酸を打ち続けても大丈夫な理由

ヒアルロン酸注入は、基本的に適切な間隔をあけて注入をおこなえば定期的に打ち続けても問題ありません。次は、ヒアルロン酸を打ち続けても安全である理由を解説します。

人間の体に存在している成分だから

先述したとおり、ヒアルロン酸はもともと人間の皮膚や目、関節などに含まれる保湿成分です。そのため、体が異物として認識し、アレルギー反応を起こす可能性は極めて低い傾向にあります。ただし、注入量が多すぎたり注入頻度が高すぎたりすると、注入部位に炎症が生じる恐れがあります。

ヒアルロン酸注入の安全性を高く保ち、異物反応や炎症などを生じるリスクを抑えるためにも、施術を受ける際は適切な注入量・注入頻度を守ることが大切です。

時間の経過とともに体へ吸収されるから

注入されたヒアルロン酸は、時間の経過とともに少しずつ体へ吸収されていきます。体内の同じ場所に長期間溜まり続けることはないので、適量を守れば打ち続けても問題ありません。

ヒアルロン酸が吸収されるまでの期間は、6ヶ月〜1年程度が目安です。しかし、注入する製剤により持続期間は異なり、1年半〜2年程度効果が持続する製剤もあります。製剤の種類により形状や硬さ、1ccあたりの料金などが異なるので、医師と相談して施術部位や希望の仕上がり、予算などに適したものを選ぶことが大切です。

リスクを回避して理想の状態を維持するためにも、適切な期間をあけてから施術を受けるようにしましょう。

ヒアルロン酸を打ち続けるメリット

ヒアルロン酸は定期的に打ち続けることで効果を継続して実感できます。次は、ヒアルロン酸を定期的に受けることで得られるメリットを3点解説します。

自然な仕上がりを目指せる

ヒアルロン酸注入を打ち続けることで、自然でバランスが取れた仕上がりを期待できるでしょう。1回の施術で大きく変化させると、仕上がりが不自然になる傾向があります。定期的に少量ずつ注入していくことで、顔全体のバランスをみながら調節できるため、自然で若々しい仕上がりにすることが可能です。

「加齢とともに少しずつしわやたるみが出てきた」「加齢に伴うしみやしわが気になる」という方は、ヒアルロン酸注入が適しています。ヒアルロン酸注入後の見た目を維持したい方は、定期的に打ち続けると良いでしょう。

ヒアルロン酸の持続期間が長くなる

ヒアルロン酸注入は、継続的に施術を受けることで、持続期間が徐々に長くなる点が特徴です。初回は、注入後すぐに効果を実感しやすい反面、比較的すぐに体内に吸収されてしまいます。

しかし、注入を繰り返すことで少しずつ注入部位に馴染み、効果の持続時間が長くなっていきます。打ち続けることで、施術の間隔も長くなっていく点も、ヒアルロン酸注入の魅力です。負担を軽減させながら長期的にケアしたい方や費用対効果を重視したい方は、ぜひヒアルロン酸注入を検討してみてください。

施術時間やダウンタイムの期間が短い

施術にかかる時間や施術後のダウンタイム期間が短い点も、ヒアルロン酸注入の大きなメリットです。ヒアルロン酸注入は15〜30分程度で受けられます。腫れや内出血がみられた場合でも、ダウンタイムは数日で治るため、施術後すぐに日常生活に戻ることが可能です。

施術時間やダウンタイムが短いので、仕事や家事が忙しく美容医療に多くの時間をかけることができない方や美容整形に抵抗がある方にもおすすめです。

また、ヒアルロン酸注入は施術時の痛みが少なく安全性も高い施術です。初めて美容施術を受ける方も検討しやすい施術なので、興味がある方はぜひ気になる部位へのヒアルロン注入を検討してみてください。

ヒアルロン酸の打ちすぎを防ぐための注意点

ヒアルロン酸を定期的に注入しているとどんどん頻度や量が増えていき、打ちすぎてしまう場合があります。打ちすぎによって顔が不自然になってしまうだけでなく、安全性におけるリスクもあるため注意が必要です。次は、ヒアルロン酸の打ちすぎを防ぐ注意点を解説します。

注入部位や用途に適したヒアルロン酸製剤を選ぶ

ヒアルロン酸製剤には、硬さや持続時間が異なるさまざまな製剤があるため、用途によって使い分けることが重要です。しわ改善には肌に馴染みやすくて柔らかい形状の製剤が適しており、輪郭形成には持続力が高くて硬めの製剤が適しています。

一方で、1年半〜2年程度ヒアルロン酸が持続するような製剤もあるため、理想の状態を長期間維持することも可能です。ただし、施術部位や目的に合わない製剤を使用すると、不自然な仕上がりになる恐れがあるので注意しましょう。施術部位に適切な製剤を選ぶには、ヒアルロン酸注入に関する専門知識が必要です。

ヒアルロン酸の注入量や注入頻度を考慮する

ヒアルロン酸の注入頻度と量は、仕上がりの自然さに大きな影響を与えます。たとえば、短期間で何度も注入した場合や過剰量を注入した場合は、不自然な仕上がりになるほか、皮膚の伸びやしこりなどが発生するリスクが高まったりします。ヒアルロン酸が残っている状態で注入すると、血流障害を起こす可能性があるので注意しましょう。

客観的な意見も大切にする

ヒアルロン酸注入を受ける際は、医師や周囲の意見を参考にして施術を進めることをおすすめします。定期的に注入すると、徐々に自分の顔を見慣れてしまい、美的感覚がズレてしまうことがあるためです。必要以上に注入を繰り返すと、注入部位が不自然な仕上がりになる恐れがあるので注意しましょう。

また、施術前には自分の理想の仕上がりを明確にすることが大切です。より理想の仕上がりに近づけたい方は、医師や信頼している家族、友人に感想を求めたりしましょう。

ヒアルロン注入の知識や施術経験が豊富な医師を選ぶ

医師の技術や知識によって、ヒアルロン酸注入の仕上がりやリスクは大きく変わります。美容医療の経験が豊富で解剖学を熟知している医師であれば、個々に応じた適切な部位に適切な量のヒアルロン酸を注入してもらえるからです。

また、専門知識や技術を併せ持っている医師に施術を任せると、リスクを最小限にしたうえで自然な仕上がりを実現できます。信頼できる医師やクリニックを選ぶ際は、口コミや実績を確認することも大切です。複数のクリニックでカウンセリングを受けて、信頼できる医師から施術を受けましょう。

ヒアルロン酸の打ちすぎに関するよくある質問

ヒアルロン酸の打ちすぎをしてしまった際に、どうすればよいか不安になる人も多いでしょう。最後に、ヒアルロン酸の打ちすぎに関するよくある質問へ回答します。

ヒアルロン酸の打ちすぎは修正できますか?

ヒアルロン酸の打ちすぎによる不自然な仕上がりやトラブルがあった場合、修正することは可能です。ヒアルロン酸溶解注射を使用すると、過剰に注入されたヒアルロン酸を分解できるので、吸収しやすくなります。

また、ヒアルロン酸溶解注射に含まれるヒアルロニダーゼと呼ばれる成分は数時間で効果を発揮し始め、2〜3日程度で注入前の元の状態に近づけるのをサポートしてくれます。ただし、ヒアルロニダーゼは注入部位の周辺に作用するため、修正箇所の周辺でヒアルロン酸を注入している場合は、一緒に溶かしてしまわないように注意しましょう。

ヒアルロン酸溶解注射を受けた後に、施術部位には一時的にむくみや赤みなどの症状が出現する場合があります。皮膚が完全に回復するまでに、一定の期間がかかる点にも注意が必要です。溶解注射後に再度ヒアルロン酸を注入する際は、必ず医師の指示に従い、適切な期間をあけるようにしましょう。

ヒアルロン酸注入を打ち続けるのをやめたらどうなりますか?

注入されたヒアルロン酸は、徐々に体内へ吸収されていき、最終的には元の状態に戻ります。ただし、数年以上過剰なヒアルロン酸を打ち続けた後に、ヒアルロン酸がすべて吸収されて元の状態に戻った際には、皮膚が伸びている場合があります。施術部位の皮膚が伸びると、しわやたるみが目立ってしまう可能性があるので注意しましょう。

また、ヒアルロン酸を打ち続けるのをやめた後も、しばらくは保湿効果により肌の潤いやハリがある若々しい状態が持続します。そのため、急激に老け込むような変化はみられず、徐々に変化が生じてきます。

ヒアルロン酸を打ち続けることや打ち続けるのをやめることに不安を感じている方は、医師のカウンセリングを受けて、皮膚の状態や今後の施術などについて相談しておきましょう。

ヒアルロン酸注入のリスクが高い危険部位を教えてください。

ヒアルロン酸の注入リスクが高い部位は、以下の3箇所です。

  • 目の下
  • 眉間

目の下は皮膚が薄く、青く透けて見えるのが特徴のチンダル現象やしこりが発生しやすくなっています。また、ヒアルロン酸が誤って眼球周辺の血管内に注入された場合に、まれに失明するリスクもあるため注意しましょう。

また、鼻や眉間も血管が多く集まる場所であるため、過剰に注入した場合に血管を圧迫して血流障害を起こすリスクがあります。まれに、周辺の皮膚組織の壊死を引き起こし、外見に影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。

目の下や眉間などの目の近くにある危険部位へヒアルロン酸を注入する際は、ヒアルロン酸注入に関する専門知識や症例実績が豊富な医師を選ぶようにしましょう。

まとめ

この記事では、ヒアルロン酸を打ちすぎるとどのようになるかリスクと注意点を解説しました。ヒアルロン酸の施術は、基本的には安全性が高く、しわやたるみの改善やボリュームアップ、輪郭形成といった美容の悩みを解消できます。

しかし、適切な量や頻度を守らないと不自然な仕上がりになってしまい、副作用や依存性といったリスクもあるため気をつける必要があります。打ちすぎを防ぎたい方は、実績や知識が豊富な医師を選び、事前にしっかりとカウンセリングを受けたうえで施術を受けるようにしましょう。

この記事を参考にしながら、ヒアルロン酸を定期的に注入し、打ちすぎを予防しながら理想の仕上がりを維持しましょう。

足立 真由美
この記事の監修者 医療法人 涼葵会 理事長 足立 真由美
美容医療の豊富な経験から美容医療の枠を超え、東洋医学・アーユルベーダ等のホリスティック医療を展開。「美は健康な身体から」をテーマに、美容クリニックとは思えない多彩なアプローチで、最新の美を提供する。
免責事項
  • ・本コンテンツの情報は、充分に注意を払い信頼性の高い情報源から取得したものですが、その正確性や完全性を保証するものではありません。
  • ・本コンテンツは一般的な情報の提供を目的としています。医療上のアドバイスや診断、治療に関しては、必ず医療従事者にご相談ください。
  • ・本コンテンツの情報は、その情報またはリンク先の情報の正確性、有効性、安全性、合目的性等を補償したものではありません。
  • ・本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。