ヒアルロン酸注入とボトックス注射は、それぞれしわやたるみを改善する効果が期待できる人気の美容注射です。ヒアルロン酸とボトックスに期待できる効果や値段相場などが異なるので「ボトックスとヒアルロン酸のどっちがいいのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、ヒアルロン酸とボトックスの違いを解説します。また、ヒアルロン酸とボトックスに適しているしわの種類やそれぞれのメリット・デメリットも併せて紹介します。

この記事を読めば、ヒアルロン酸とボトックスのどっちが自分に適しているか判断しやすくなるので、ヒアルロン酸とボトックスで迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ボトックスとは

ボトックス注射は、医師が細い注射針を使用し、患部に薬剤を精密に注入する治療法です。表情筋の動きを一時的に抑制することで、目尻や眉間のしわを目立たなくし、将来的なしわの深刻化を予防します。

ボトックスの値段は部位によって異なり、1回あたり2万〜7万円程度かかります。効果が持続する期間の目安は3〜6ヶ月程度で、推奨されている注入間隔は3〜4ヶ月に1回程度です。効果が持続する期間やおすすめの注入間隔は、一人ひとりの肌質や生活習慣により異なるので注意しましょう。また、ボトックス注射は次の方におすすめです。

  • 表情ジワが気になる方
  • エラの張りを改善したい方
  • わき汗ににおいが気になる方 など

ボトックスの効果を維持したり、自然な仕上がりを目指したりするためには、医師と相談しながら最適なタイミングに施術を受ける必要があります。特に、加齢によるしわやたるみが気になっている方は、ボトックス注射を検討しましょう。

ヒアルロン酸とは

ヒアルロン酸は、もともと私たちの体内に存在しており、肌のハリや弾力を保つうえで重要な保湿成分です。ヒアルロン酸注入には、肌にボリュームやハリを与える効果が期待できます。

ヒアルロン酸注入の値段は、注入部位や使用する製剤によって異なりますが、1本あたりの値段は4万〜7万円程度かかります。持続期間の目安は6ヶ月〜1年程度です。ヒアルロン酸注入がおすすめの人は次の通りです。

  • ほうれい線や口元のしわが気になる方
  • 30代後半〜50代の方
  • 頬のくぼみやたるみを改善したい方
  • 自然な仕上がりを求める方

年齢を重ねることで生じる肌のお悩みを、自然なアプローチで改善したい方は、ヒアルロン酸注入をご検討ください。

ボトックスとヒアルロン酸の違い

ボトックスとヒアルロン酸は美容医療において、しわ改善を目的とした異なる特徴を持っています。たとえば、ボトックスは筋肉の動きを抑制し、表情によるしわの形成を防ぐのに対し、ヒアルロン酸は皮下組織にボリュームを補充し、たるみやくぼみを改善することが可能です。

具体的には、ボトックスは眉間や目尻の動的なしわに効果的で、筋肉の緊張を和らげることでしわの発生を抑制します。一方、ヒアルロン酸はほうれい線やしわ・たるみに適しており、皮膚の下から自然にボリュームを与えます。

より自然で若々しい仕上がりを実現するには、専門医による慎重な診断と技術が不可欠です。ヒアルロン酸とボトックスは両方の効果を補完し合う関係にあるので、悩みや年齢に応じて適切に選択できます。自分の肌質や希望に適したオーダーメイドの治療法を検討しましょう。

ボトックスとヒアルロン酸が適しているしわの種類

しわの種類によって、ボトックスとヒアルロン酸の効果は異なります。それぞれの特性を理解して最適な治療法を選ぶと、肌の若返りをサポートしてくれます。次は、代表的なしわの種類別に適した治療法を解説します。

小じわ|乾燥や加齢によりできる小さなしわ

小じわは、肌の表面に細かく現れる目立たないしわで、主に目元や口元に発生します。乾燥や紫外線、加齢により生じる小じわには、柔らかめのヒアルロン酸が最適です。キメの細かい肌を目指している方は、肌の内側から水分を補給することを意識しましょう。

小じわの目立ちを軽減させたい方は、ボライトXCのような柔軟性の高いヒアルロン製剤を使用しましょう。

大じわ|加齢や紫外線によりできる深いしわ

大じわは、真皮層まで達する深いしわで、目の下や額などによく現れます。大じわはクリームや美容液では改善が難しい一方で、ボリフトXCのようなヒアルロン酸が効果的です。より自然な仕上がりを実現させたい方は、弾性や硬さが適切な薬剤を使用しましょう。

適度な硬さと弾力性により、しわをふっくらと改善し、より自然な仕上がりを実現します。しわ改善効果をより効果的に得たい方は、ボトックスとの併用を検討しましょう。

表情じわ|表情筋の収縮によりできるしわ

表情じわは、眉間や目尻、額など、表情筋の動きによって生じるしわですこのタイプのしわには、ボトックスが最も効果的です。筋肉の動きを一時的に抑制することで、しわの発生を防ぎ、既存のしわも目立ちにくくします

笑顔や驚きなどの表情によって繰り返し作られるしわに対して、高い改善効果が期待できるでしょう。

しわを治療するならボトックスとヒアルロン酸のどっちがいい?

ボトックスとヒアルロン酸は、それぞれ異なる特徴を持つ治療法です。あなたの悩みに併せて、最適な選択をしましょう。

ボトックスがおすすめのしわや部位

ボトックスは、表情筋の動きを抑制することで、動きによって生じるしわに効果的です。眉間、目尻、額など、表情変化で目立つしわに最適な選択肢となります。たとえば、真剣な表情で眉をひそめたときにできる縦じわや、笑ったときにできる目尻のしわなどが改善することが可能です。

加齢とともに深くなりやすいこれらのしわを、早めに治療することで予防効果も期待できます。さらに、小顔効果やエラの筋肉を細くする効果もあるため、顔の輪郭改善を望む方にもおすすめです。注射後は数日で効果が現れ、自然な仕上がりを実現できるのも魅力的なポイントです。

ヒアルロン酸がおすすめのしわや部位

ヒアルロン酸は、皮膚のくぼみやたるみを補充し、ボリュームを与える治療法です。ほうれい線、目の下のくぼみ、常に目立つしわや陰影などに効果的です。加齢とともに失われた皮下脂肪や組織を補うことで、自然なハリと若々しい印象を取り戻せます。注入後すぐに効果を実感でき、メイクも可能なため日常生活への影響が少ないのが特徴です。

また、硬さの異なる複数の製剤を組み合わせることで、より立体的で自然な仕上がりを実現できます。

ボトックスやヒアルロン酸でしわはすぐになくなる?

美容注射によるしわ改善は、即効性や効果の現れ方が異なります。個人の肌質や注入部位によって、変化のスピードや程度はさまざまです。次は、ボトックスとヒアルロン酸の効果の現れ方を詳しく解説します。

ボトックスは3日後から

ボトックス注射は、神経と筋肉の接合部に作用して筋肉の動きを抑制する施術です。施術直後はすぐに変化を感じられませんが、通常3日後から徐々に効果が現れ始めます。効果は注入後2週間前後で最も顕著になり、額や眉間、目尻のしわが目立たなくなります。筋肉の動きが抑えられることで、表情が柔らかく見え、しわの進行も抑えられるでしょう。

ヒアルロン酸は注入直後から

ヒアルロン酸は、即座に視覚的な変化を実感できる施術です。注入直後から、しわやくぼみが埋まり、肌にふっくらとした印象が生まれます。特に、ほうれい線や頬のたるみなど、ボリュームが必要な部位に効果的です。注入後すぐに若々しい印象に変化し、肌のハリや立体感が改善されます。ただし、わずかな腫れや赤みが生じることもあります。ただし、馴染むまでは、数日かかる場合もあるので注意しましょう。

ボトックスとヒアルロン酸のメリット・デメリット

美容医療で人気の高いボトックスとヒアルロン酸には、それぞれ期待できる効果と特徴が異なります。しわの改善や若返りを目指す方は、自分に最適な施術方法を選ぶためにも、それぞれのメリット・デメリットを理解しておきましょう。

ボトックスのメリット・デメリット

ボトックスのメリットとデメリットをそれぞれ解説します。

ボトックスのメリット

ボトックス注射を受けると、次のメリットを得られます。

  • 表情じわを改善・予防する
  • 額・眉間・目尻のしわを目立たなくする
  • 施術時間が短い
  • 低価格で気軽に利用できる

ボトックスは、表情によるしわを効果的に改善できる施術方法です。筋肉の動きを抑制することで、額や眉間、目尻周辺のしわを軽減し、顔全体に柔らかな印象を与えます。

ボトックスのデメリット

一方で、ボトックスには次のようなデメリットもあります。

  • 効果の持続期間が短い
  • 継続的な施術が必要
  • 長期的にコストがかさむ可能性がある
  • 筋肉の動き抑制による違和感を生じる恐れあり
  • 不自然な表情になる懸念がある
  • 注入量や部位により表情が硬く見える

ボトックスの主なデメリットは、効果の持続期間が比較的短いことです。通常3〜6か月で元の状態に戻るため、継続的に施術を受ける必要があります。長期的に見ると予算面で負担が生じる可能性があるので注意しましょう。

また、初めて施術を受ける方は、筋肉の動きが抑制されることによる違和感や、不自然な表情になることを心配する人も少なくありません。施術後のリスクを抑えるためにも、信頼できる経験豊富な医師に相談し、適切な注入量と部位を慎重に選びましょう。

ヒアルロン酸のメリット・デメリット

次は、ヒアルロン酸のメリットとデメリットを解説します。

ヒアルロン酸のメリット

ヒアルロン酸のメリットは、以下のとおりです。

  • 注入直後に顔のボリュームアップを実感できる
  • 持続期間が約半年から1年と比較的長い
  • 肌のたるみの改善も可能
  • 全体的な若返り効果も期待できる
  • 顔のハリや立体感も回復できる

ヒアルロン酸は、美容医療における革新的な施術として注目されています。注入直後から顔のボリュームが増し、しわが目立たなくなるため、即座に若々しい印象を得られます。特に、頬や唇、ほうれい線などの部位に注入することで、自然なリフトアップ効果を実現できます。

持続期間の目安が6ヶ月〜1年程度の点も、ヒアルロン酸の特徴です。ボトックスよりも持続期間が長めなので、頻繁な施術を避けたい方にもおすすめです。肌のたるみを改善する効果や全体的な若返り効果も期待できるため、顔のハリや立体感を取り戻したい方はヒアルロン酸注入を検討しましょう。

ヒアルロン酸のデメリット

一方で、ヒアルロン酸には次のようなデメリットもあります。

  • 施術者の技術により仕上がりが多く左右される
  • 不自然な仕上がりになる可能性がある
  • 信頼できる経験豊富な医師選びが重要
  • まれにアレルギー反応を生じるリスクがある
  • 過剰注入は硬化のリスクあり
  • 事前に医師と十分に相談しておく必要がある

ヒアルロン酸には、いくつかの注意点があります。最も重要なのは、施術者の技術と経験です。注入量や部位の選択を誤ると、不自然な仕上がりになる可能性があるため、信頼できる経験豊富な医師を選びましょう。

また、体内に本来存在する成分であっても、外部から注入する際にはアレルギー反応や硬化のリスクが伴います。過剰な注入は肌の硬化を引き起こす可能性があるため、事前に医師と綿密な相談を行い、一人ひとりの肌質や希望に合わせた慎重なアプローチを受けましょう。

ボトックスとヒアルロン酸は同時施術も可能

ボトックスとヒアルロン酸は作用が異なるため、相互補完的な効果を発揮します。表情筋の動きを抑制するボトックスと、ボリュームを補充するヒアルロン酸を組み合わせることで、より自然で若々しい仕上がりを目指すことが可能です。

ただし、同時施術をする際は、経験豊富な医師による慎重なアプローチが不可欠です。リスクを最小限に抑えながら最大の効果を生み出すためにも、注入部位・量・タイミングを適切に調整してもらえる医師を選びましょう。

また、個人の肌質や年齢、希望する仕上がりによって最適な組み合わせや注入量は異なるので、事前のカウンセリングが重要です。

ボトックスとヒアルロン酸に関するよくある質問

ボトックス注射とヒアルロン酸注入は、それぞれしわ改善効果が期待できる治療法です。どちらにするか悩んでいる方や安心して施術を受けたい方は、疑問に感じる方が多い以下の質問も併せて確認しておきましょう。

ボトックスとヒアルロン酸を同時に受けるならどっちが先がいい?

同時施術する場合は、ヒアルロン酸を先に注入し、最後にボトックスを受けるのがおすすめです。これは、ヒアルロン酸の注入後に筋肉の動きを抑制するボトックスを施術することで、より自然で効果的な仕上がりを実現できるためです。

ヒアルロン酸でへこんだ部分を補い、ボトックスで筋肉の動きを調整することで、バランスの取れた美しい仕上がりを期待できます。逆の順序で施術を受ける場合、ボトックスによる筋肉の動きの変化がヒアルロン酸の注入に与える影響を考慮し、2週間の間隔を空ける必要があるので注意しましょう。

ボトックスとヒアルロン酸はどっちが痛い?

痛みの程度は個人差が大きいため、どちらかが痛いとは一概に言い切れません。また、以下の要因によっても、痛みが異なります。

  • 施術部位の敏感さ
  • 一人ひとりの痛みに対する耐性
  • 使用する注射針の太さ
  • 施術者の技術 など

多くの美容クリニックでは、細い注射針を使用したり、事前に麻酔クリームを塗ったりするなど、患者の痛みを軽減させるために工夫をしています。施術時の痛みが心配な方や不安に感じている方は、クリニックが取り扱っている事前に麻酔クリームの種類や、痛みを軽減させるための追加処置などについて、担当医に相談しておくことをおすすめします。

まとめ

この記事では、ヒアルロン酸とボトックスの違いやそれぞれのメリット・デメリットについて解説しました。ボトックスは表情筋の動きを抑制するため、表情じわに有効です。一方で、ヒアルロン酸は皮下組織にボリュームを補充するため、小じわやたるみ・くぼみを改善する効果が期待できます。

ヒアルロン酸とボトックスは補完し合う関係にあるので、同時に施術を受けることも可能です。ヒアルロン酸とボトックスのどっちがいいかで悩んでいる方は、この記事を参考にしながら信頼できるクリニックや医師に相談し、自分の肌質や悩みに応じて適した治療法を選択しましょう。

足立 真由美
この記事の監修者 医療法人 涼葵会 理事長 足立 真由美
美容医療の豊富な経験から美容医療の枠を超え、東洋医学・アーユルベーダ等のホリスティック医療を展開。「美は健康な身体から」をテーマに、美容クリニックとは思えない多彩なアプローチで、最新の美を提供する。
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