顎のヒアルロン酸注入は、手軽にフェイスラインを整えられる人気の施術です。そんな顎のヒアルロン酸注入ですが、「思った通りの形にならなかった」「しこりができた」といった、失敗例やリスクについて心配している方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、「顎のヒアルロン酸の失敗例」について解説します。また、失敗の原因や修正方法、失敗を防ぐための具体的なポイントも併せて紹介します。

この記事を読めば、顎のヒアルロン酸注入に関する失敗例や対策を理解することができるので、安全で満足のいく施術を受けたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

顎のヒアルロン酸注入の失敗例

顎のヒアルロン酸注入では、理想のフェイスラインを手に入れられる一方、失敗例も少なくありません。ここでは失敗例を具体的に解説し、注意点や対策についても紹介します。

顎が太くなる、大きくなる

ヒアルロン酸の注入量が多過ぎると、顎が本来の骨格よりも太く、大きく見えてしまうことがあります。これは顔全体のバランスを考慮せずに施術が行われた場合に起こりやすい失敗例です。不自然な見た目となり、期待していたフェイスラインと異なる仕上がりになってしまうでしょう。

解消するには、適切な量を医師と相談し、全体のバランスを考えた施術計画を立てることが重要です。カウンセリングを通じてイメージを共有することで、こうした失敗を防げます。

顎が尖り過ぎる・ボコボコになる

ヒアルロン酸注入により顎をシャープにしようとすると、注入量や位置が不適切だった場合に尖り過ぎたり、表面が凸凹になったりすることがあります。

この失敗は、施術する医師の技術や経験不足が原因です。顎の形状や肌質に合わせた施術をすることで、自然な仕上がりを実現できます。十分な経験を持つ医師に依頼し、仕上がりをイメージしたうえで施術を進めることが失敗を防げるポイントです。

顔や顎が長く見える

ヒアルロン酸注入が過剰であったり、位置が不適切だったりした場合、顎が長く見えることがあります。これにより顔全体が縦長に見え、バランスが崩れる可能性があります。

特に小顔効果を求めている方にとっては逆効果になりかねません。顔全体の黄金比を考慮した施術が必要であり、施術前のシミュレーションが大切です。こうしたリスクを避けるためには、信頼できるクリニックを選ぶことが重要です。

顎を触るとしこりができている

ヒアルロン酸注入後に、顎にしこりができることがあります。注入が均一でない場合や体質により起こりやすい現象です。しこりがやわらかい場合は自然に消えることが多いですが、硬い場合は溶解注射などの処置が必要になることもあります。

また、不適切なヒアルロン酸の種類が使用された場合にもリスクが高まります。施術前に使用するヒアルロン酸の特性を確認し、技術力のある医師を選びましょう。

効果を実感できない

施術後、期待していたフェイスラインの変化が感じられないことがあります。この原因として、注入量の不足や適切な位置に注入されていないことが考えられます。

また、効果が自然すぎて変化が目立たないと感じる場合もあるでしょう。これを防ぐには、施術前に医師と具体的な仕上がりのイメージを共有することが重要です。必要であれば、追加注入で調整する方法も検討しましょう。

違和感や痛み・内出血

ヒアルロン酸注入後に、違和感があったり痛みを感じたりすることがあります。これは一時的なものが多いですが、内出血が発生した場合は治癒に数日〜1週間程度かかることがあります。

施術時の針の刺入角度や圧力が原因であることが多いため、施術者の技術が求められます。また、施術後のケアが不十分である場合、回復が遅れることがあります。冷却ケアや安静を保つことで、痛みや内出血を最小限に抑えられます。

注入した部位の色味が変わる

ヒアルロン酸が皮膚の浅い層に注入された場合、青白く色味が変わる「チンダル現象」が起こることがあります。特に、皮膚が薄い顎周辺で発生しやすい現象です。

チンダル現象を防ぐには、深い層に注入する技術が必要です。万が一色味が変わった場合は、ヒアルロン酸の溶解注射で改善できます。事前に信頼できる医師と施術計画をしっかり立てることが、このリスクを軽減できるでしょう。

アレルギー症状が出る

ヒアルロン酸に対して、赤みや腫れ、かゆみなどのアレルギー反応を起こす方もいます。アレルギー反応が強い場合は、施術後すぐに医師の診察を受ける必要があります。

アレルギー反応は個人の体質によるため、事前にアレルギー検査や体質についての相談を行い、リスクを減らすことが重要です。アレルギー反応が出た場合でも、適切な処置を受けることで症状を和らげることができます。

そのためにも、信頼できる医師やクリニックを選ぶことが大切です。

皮膚が壊死する

まれではありますが、ヒアルロン酸が血管に誤って注入された場合、血流が阻害されて皮膚組織に十分な酸素や栄養が届かなくなり、皮膚が壊死するリスクがあります。このリスクを回避するには、血管の位置を熟知した医師による施術が不可欠です。

壊死が進行すると大きなダメージを伴うため、施術後に異常が見られた場合は早急に医師に相談しましょう。信頼できるクリニックを選ぶことで、このリスクを大幅に減らすことが可能です。

顎のヒアルロン酸で骨が溶ける?

ヒアルロン酸注入が原因で骨が溶けると聞くと、驚く方も多いでしょう。この現象には、以下の要因が関係しています

  • 過度な量のヒアルロン酸を注入した
  • 細菌による炎症
  • 他の治療による要因

過剰な量のヒアルロン酸を注入すると、周囲の組織に圧力がかかり続け、長期的には骨への影響が懸念される場合があります。また、施術後に感染症を引き起こすと、細菌による炎症が骨の変性を促すリスクもあるようです。

さらに、顎や顔の整形手術を併用した際に、不適切な処置が原因で骨に影響を与える可能性があります。これらのリスクは、適切な注入量と清潔な施術環境で大幅に軽減されます。
骨が溶けるリスクを防ぐには、専門性の高いクリニックで適切な治療を受けることが不可欠です。

顎のヒアルロン酸注入で失敗する原因

ヒアルロン酸注入での失敗は、以下の4つの要因で起こることが多いです。

  • 注入するヒアルロン酸の種類が適していない
  • 安く質の悪いヒアルロン酸を使った
  • 医師の注入技術によるもの
  • 大きな変化を求めすぎた 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

注入するヒアルロン酸の種類が適していない

顎に適したヒアルロン酸を選ばないと、形状が崩れたり、持続期間が短くなったりするリスクがあります。また、ヒアルロン酸にはさまざまな種類があり、硬さや弾力性が異なります。やわらか過ぎると形が定着せず、硬過ぎると不自然な印象になるでしょう。

顎の部位ごとに適した硬さや粘度のヒアルロン酸が異なるため、信頼できる医師が個々の条件に合わせて選択することが重要です。また、メーカーや製品の品質も仕上がりに影響を与えるため、効果が確実な製品を使用するクリニックを選びましょう。

安く質の悪いヒアルロン酸を使った

低価格を売りにするクリニックでは、質の悪いヒアルロン酸を使用している可能性があります。このような製品は純度が低く、不純物が含まれている場合もあり、注入後に炎症やアレルギー反応を引き起こすリスクがあります。また、効果が持続しないだけでなく、不自然な膨らみや変形を引き起こすこともあるでしょう。

高品質なヒアルロン酸は価格が高めですが、安全性や効果が保証されている点で安心です。適正価格で安全な施術をしてくれるクリニックを選ぶことが、失敗を避けるための重要なポイントです。

医師の注入技術によるもの

ヒアルロン酸注入の仕上がりは、医師の技術によって大きく左右されます。注入量の調整が不適切だったり、正確な位置に注入されなかったりした場合、不自然な膨らみや左右非対称になる可能性があるでしょう。

また、注射針を適切に扱えない場合には、血管にヒアルロン酸が入り込むリスクもあります。このような失敗を避けるには、経験豊富な医師が在籍し、注入技術に定評のあるクリニックを選ぶことが重要です。医師の実績や症例写真を確認し、信頼性を確保しましょう。

大きな変化を求めすぎた

理想の見た目を追求するあまり、過剰な量のヒアルロン酸を注入すると、不自然な仕上がりになるリスクが高まります。顎が極端に尖ったり、全体のバランスが崩れたりすることで顔全体の印象が悪くなることもあります。

また、過剰な注入は周囲の組織に負担をかけ、長期的な副作用の原因になる場合も考えられるでしょう。自然で美しい仕上がりを目指すには、医師と慎重に相談し、適量の注入に留めることが大切です。バランスを重視した施術計画を立てることが、失敗を防ぐポイントです。

顎のヒアルロン酸注入で失敗したら修正できる?

顎のヒアルロン酸注入で失敗してしまった場合でも、適切な修正を行うことで改善が可能です。

ヒアルロン酸溶解注射とは?

ヒアルロン酸溶解注射は、ヒアルロン酸を体内で分解する「ヒアルロニダーゼ」である酵素を注入して、不要になったヒアルロン酸を溶かす施術です。この方法は、過剰な注入や不自然な仕上がりを修正する際に用いられます。

また、しこりや膨らみが目立つ場合にも効果的です。施術時間は短く、結果がすぐに現れるのが特徴です。ただし、溶解後の状態を確認しながら適切に行う必要があり、医師の技術が求められます。

ヒアルロン酸溶解注射のデメリット

ヒアルロン酸溶解注射には、施術後に腫れや赤み、内出血が生じる可能性があります。また、まれにヒアルロニダーゼに対するアレルギー反応を起こす場合もあります。

他にも、溶解によって期待する仕上がりにならないこともあり、再施術が必要になるケースもあるでしょう。一度に大量のヒアルロン酸を溶解すると、皮膚のたるみや不自然な形状になる可能性があるため、慎重に進めることが大切です。

経験豊富な医師の下で施術することで、リスクを軽減できます。

顎へはヒアルロンとプロテーゼのどっちが良い?

顎の形成において、ヒアルロン酸注入とプロテーゼ挿入はどちらも選ばれる方法ですが、それぞれの特徴や目的により適した選択肢が異なります。施術を受ける前に、自分に合った方法を選ぶことが重要です。

プロテーゼとは?

プロテーゼは、医療用シリコンやポリエチレンなどで作られた人工物を顎に挿入する手術法で、顎の形状を長期間維持することが可能です。この方法は、一度の施術で永久的な効果を得られる点が特徴であり、大幅な改善を希望する方に適しています。ヒアルロン酸と異なり、プロテーゼは骨のような硬さがあり、自然な感触を持つ顎の形を実現できます。

しかし、外科的な手術であるため、感染症や腫れといったリスクやダウンタイムがある点には注意が必要です。また、一度挿入すると形状を変更するのが難しいため、慎重な検討と信頼できる医師の選定が重要です。

ヒアルロン酸とプロテーゼとの違い

ヒアルロン酸注入は短時間で施術が終わり、ダウンタイムが少なく修正がしやすい点が大きなメリットです。一方で、プロテーゼは一度挿入すれば効果が長期間持続し、顎の形を大きく変えられます。

ただし、プロテーゼは手術が必要で、リスクやダウンタイムが伴います。また、ヒアルロン酸は自然な見た目と感触があり、効果が徐々に消えるため定期的な施術が必要です。どちらを選ぶかは、改善希望の度合いやライフスタイルに応じて決定するのが良いでしょう。

顎のヒアルロン酸で失敗しないためのポイント

顎のヒアルロン酸注入で失敗しないためには、信頼できる医師やクリニックを選び、事前のカウンセリングで希望を明確に伝えることが大切です。適切な量を注入することも、重要なポイントです。

信頼できるクリニックや医師を選ぶ

ヒアルロン酸注入の結果は、施術を行う医師の技術や経験に大きく左右されます。そのため、実績が豊富で信頼できるクリニックや医師を選ぶことが重要です。口コミや症例写真を確認し、施術内容や料金の透明性があるクリニックを選ぶと安心です。

また、資格や専門知識が証明されている医師に相談することで、リスクを最小限に抑えることができます。特に、顎は顔のバランスを左右する重要な部位のため、慎重な選択が求められます。

カウンセリングでイメージを具体的に伝える

カウンセリング時には、自分の理想とする顎の形や全体のバランスを具体的に伝えることが大切です。参考となる写真や、自分の顔の特徴に合わせた希望を明確に伝えることで、施術後の仕上がりに対するイメージの共有ができます。

また、医師からの提案や注意点をしっかり理解し、不安や疑問を解消しておくことも重要です。顎の形は顔全体の印象に大きな影響を与えるため、入念なコミュニケーションが必要です。

ヒアルロン酸を入れ過ぎない

ヒアルロン酸を過剰に注入すると、不自然な見た目や顎のバランスの乱れを引き起こす可能性があります。また、顎が大きく見えたり、触ったときの違和感が生じたりすることもあります。

適量を守りながら施術を進めることで、自然な仕上がりを保つことが可能です。施術後の状態を確認しつつ、必要に応じて調整を加えることで、より満足度の高い結果が得られるでしょう。医師と相談しながら、理想的な注入量を決めることがポイントです。

まとめ

この記事では、「顎のヒアルロン酸の失敗例」に関する失敗例やその原因、避けるためのポイントについて解説しました。

顎のヒアルロン酸注入は、適切な施術をすることで、自然な美しさを手に入れることができる人気の治療法です。そのためには、信頼できるクリニックを選び、医師としっかり相談することが大切です。

この記事を参考に、顎のヒアルロン酸注入で失敗を避け、理想のフェイスラインを実現しましょう。

足立 真由美
この記事の監修者 医療法人 涼葵会 理事長 足立 真由美
美容医療の豊富な経験から美容医療の枠を超え、東洋医学・アーユルベーダ等のホリスティック医療を展開。「美は健康な身体から」をテーマに、美容クリニックとは思えない多彩なアプローチで、最新の美を提供する。
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