口角ボトックスは、口角を上げて表情を明るくすることや、唇のシワを改善することのできる人気の高い美容医療です。

手軽に施術ができる反面、持続時間に限りがあることや、ダウンタイムの過ごし方によって失敗してしまうことがあります。実際に、SNSや口コミサイトでは失敗談を目にする方も多いのではないでしょうか。

この記事では、口角ボトックスでよくある失敗を紹介します。口角ボトックスの施術を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

口角ボトックスとは

口角ボトックスとは、口角を下げる作用のある口角下制筋にボトックスを注射して、口角を引き上げる施術です。ボトックスには特殊なタンパク質(ボツリヌス製剤)が含まれており、筋肉のはたらきを抑制させます。

その結果、反対に作用する筋肉が優位に働き、口角が上がる効果が得られます。この施術は、口元の印象を明るくし、笑顔を引き立たせる目的で行われることが多いです。

下の口角両側2か所に注射を打つだけなので、5分〜10分で施術が終わり、ダウンタイムも短くすみます。数日ほどで効果があらわれ、1ヶ月後にはさらに効果を実感できるでしょう。定期的なメンテナンスを行えば、注射の量も減っていきます。

口角ボトックスの効果

口角ボトックスをすることによって以下の効果が得られます。

  • 口角を引き上げる
  • 口元のシワ改善が期待できる
  • 顔の左右差を整える

この効果によってどんなメリットがあるのか、詳しく解説していきます。

口角を引き上げる

口角ボトックスには、口角を引き上げる効果があります。口角が下がってみえるのは、表情筋が衰えていることが主な原因です。特に、笑顔が少ない生活習慣や悪い姿勢が続くと、口角下制筋が優位に働き口角が下がりやすくなります。

セルフケアとして口角を鍛える方法もありますが、毎日続けるのは手間がかかるため、途中で挫折する方も少なくありません。しかし、口角ボトックスを利用することで、手軽に口角を引き上げ、明るい印象の口元を作ることができます。

口元のシワ改善が期待できる

口角ボトックスには、口元のシワを改善する効果が期待できます。特に、口角下制筋が発達しすぎて口元を下方向に引っ張ることでできるシワが緩和されるのが特徴です。

この筋肉の過剰な働きを抑えることで、「マリオネットライン」と呼ばれる口元の両側から顎にかけて伸びる溝も目立ちにくくなります。

また、口元は皮脂の分泌が少なく乾燥しやすいため、シワができやすい部位です。口角ボトックスを施すことで、口元のたるみやシワが軽減され、顔全体が引き締まった若々しい印象を与えることができます。

顔の左右差を整える

口角ボトックスでは、注入するボツリヌス製剤の分量を調整することで、顔の左右差を整えることが可能です。特に、口角の高さが異なる場合や、表情にアンバランスさを感じる方に効果が期待できます。

顔の左右差は、寝る向きが固定されていたり、食事の際に片側ばかりで噛む癖があったりすることが原因となる場合が多いです。これらの習慣は日常生活で無意識に行われることが多いため、すぐに改善するのは難しいでしょう。

口角ボトックスを活用すれば、これらの歪みを整え、よりバランスの取れた自然な表情を手に入れることができます。

口角ボトックスのデメリット

口角ボトックスには、以下のようなデメリットもあります。

  • 持続時間には限りがある
  • 抗体ができる場合がある
  • 赤みや内出血のリスクがある

それぞれ解説していきます。

持続期間には限りがある

口角ボトックスの持続期間は3〜6ヶ月程度です。ボトックス注射後、数日から1週間程度で効果があらわれ、その後3〜6ヶ月をかけて元に戻っていきます。

効果の持続期間には個人差があり、早く効果が切れてしまう方もいれば、半年以上効果を保つ方もいます。効果を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスや施術後の生活習慣の見直しが大切です。

抗体ができる場合がある

ボトックスを打ち続けることで、抗体ができてしまう場合があります。これは口角に限らず、他の部位にボトックスを注射した場合も同じです。抗体ができることで、ボトックスが効きにくくなったり、持続期間が短くなったりしてしまいます。

抗体ができるリスクは個人差がありますが、特に高頻度でボトックスを受けている場合や、過剰な量を注射した場合にリスクが高まるとされています。抗体の発生を予防するためには、適切な間隔を空けて施術を受けることが重要です。

赤みや内出血のリスクがある

口角ボトックスでは、施術箇所やその周辺で赤みや内出血が発生するリスクがあります。特に、注射針が血管に当たることで内出血が起こりやすくなります。

内出血は1〜2週間程度で自然に消えることが多く、日常生活に大きな支障をきたすことはほとんどありません。赤みや内出血が気になる場合は、医師に相談し、適切なケアを行うことで回復を早めることができます。

口角ボトックスでよくある失敗例

ここからは、口角ボトックスした方の失敗例を紹介していきます。

  • 口元を動かしにくくなる
  • 左右差がでる
  • 表情が固くなる

失敗のリスクを減らすためにも、施術前に確認しておきましょう。

口元を動かしにくくなる

ボトックスを頻繁に打ったり誤った部位に注射したりすることで、口元が動かしにくくなるケースがあります。その結果、喋ることや食べるのが困難になり、笑顔も作りづらくなってしまいます。

口角ボトックスは口角を下げる筋肉の働きを抑える施術ですが、影響が広がりすぎると意図しない結果を招くことがあります。ただし、ボトックスの効果は一時的であり、3〜6ヶ月程度で元に戻るため、時間が経過すれば改善するケースがほとんどです。

左右差が出る

施術をしたことで、余計に左右差が出てしまったという失敗例も多いです。左右差が出る主な原因は、施術前に十分な相談をせず両側に同じ分量で注射してしまったり、他の筋肉に影響が及んでしまったりすることです。

むくみや腫れが原因で一時的に左右差が出ている場合もありますが、見た目だけで判断し分量を変更してしまうと、更に不自然な仕上がりになるリスクがあります。

そのため、施術を受ける際は医師にしっかりと相談し、必要であれば少量から調整していく施術方法を選ぶことが大切です。

表情が固くなる

ボトックスの量が多すぎると、表情が固くなり顔の印象が変わる場合があります。具体的には、笑うと上の歯茎が見えるようになる、上唇の形が変わったり口角に丸みが出たりするなどです。

表情は相手にさまざまな印象を与えますが、表情が固くなることで悪い印象を持たせてしまうこともあるでしょう。笑顔が作りづらくなる可能性もあるので、希望する形を細かく共有し、仕上がりイメージをしっかり確認することが重要です。

口角ボトックスで失敗したときの対処法

口角ボトックスで失敗してしまった場合、基本的にすぐに改善することはできません。ボトックスの効果は3〜6ヶ月ほどで自然に薄れていくため、元の状態に戻るまで待つ方法が一般的です。

早急な改善が必要な場合は、リタッチで調整することで改善できることもあります。まずは施術を受けたクリニックに相談し、適切な対応を受けましょう。

口角ボトックスで失敗を防ぐためには、信頼できるクリニック選びと施術前の丁寧なカウンセリングが大切です。失敗を防ぐための具体的な方法については、以下で解説します。

口角ボトックスで後悔しないためのポイント

口角ボックスで失敗を防ぐためには、以下のポイントを意識することが大切です。

  • 実績・経験が豊富な医師を選ぶ
  • ダウンタイム中の過ごし方に気を付ける
  • 安全性が高い薬剤を使用する

それぞれ解説していきます。

実績・経験が豊富な医師を選ぶ

口角ボトックスをするときは、実績・経験が豊富な医師を選びましょう。実績・経験が豊富な医師を選べば、デメリットや副作用などの説明を丁寧にしてくれる場合が多いため、より安心して施術を受けられます。

また、ボトックスは適切な位置や分量で打てなければ、不自然な仕上がりになってしまいます。技術が高い医師であれば、個々に合ったボトックスを提案してもらえるため、失敗のリスクを最小限に抑えることが可能です。

症例写真や口コミ、SNSの評価なども参考にしながら、信頼できる医師のもとで施術を受けましょう。

ダウンタイム中の過ごし方に気を付ける

口角ボトックスはダウンタイムが短いのが特徴ですが、短い期間でも過ごし方に気をつける必要があります。ダウンタイム中は腫れや内出血が起きる可能性があり、ほとんどの場合1週間程度で収まりますが、強い刺激は与えないようにするのが重要です。

また、ボトックスは熱に弱い性質を持っています。効果が短くならないようにするためにも、3日程度は湯船に浸かることや激しい運動、サウナなどを控えましょう。

安全性が高い薬剤を使用する

口角ボトックスで失敗を防ぐためには、安全性が高い薬剤を使用するクリニックを選ぶことが大切です。薬剤の品質が低いと、効果のムラや副作用のリスクが高まる可能性があります。

アラガン社製のボトックスビスタ「BOTOX VISTAⓇ」は、アメリカのFDA(米食品医薬品局)で認可を受けた信頼性の高い製剤として知られています。

施術を受けるクリニックが安全性の高い薬剤を使用しているかを確認し、カウンセリング時に詳しく質問しておくと安心です。

口角ボトックスに関するよくある質問

ここでは、口角ボトックスに関するよくある質問をまとめました。口角ボトックスを検討している方は、少しでも疑問を解消できるように参考にしてください。

施術時に痛みはありますか?

ボトックスは針を使用する施術なので、注射をするときと同じように少しチクっとする痛みがあります。大半の方が我慢できる痛みですが、痛みに敏感な方や不安を感じる場合は麻酔を使用することで痛みを軽減することが可能です。

麻酔にはクリームタイプや冷却によるものなどがあり、使用する場合は麻酔代が追加で発生することがあります。麻酔を希望する方は、麻酔の有無や費用についても事前に確認しておきましょう。

妊娠中でも施術を受けることはできますか?

妊娠中や授乳中の方は、基本的に口角ボトックスの施術を受けることができません。

これは、ボトックスの成分が母体や胎児、乳児にどのような影響を与えるか十分な研究が行われていないためです。安全性が確立されていない状況では、リスクを避けることが推奨されます。

妊娠中や授乳中に美容施術を検討している方は、必ず医師と相談し、適切なタイミングで施術を受けるようにしましょう。

注射の痕は目立ちますか?

注射の痕はあまり目立たないケースがほとんどで、メイクでカバーできる程度です。しかし、強い刺激を受けた場合には痕が長引くこともあるため、施術後はなるべく触らずに数日間過ごすことを心がけましょう。

赤みや内出血が起こった場合、症状が引くまでに1週間程度かかることがあります。症状が長引くようなら、早めに医師に相談することをおすすめします。

まとめ

今回は、口角ボトックスでよくある失敗やデメリット、後悔しないためのポイントについて解説しました。

口角ボトックスは、理想の口元を手軽に実現できる魅力的な施術ですが、デメリットやリスクが伴います。失敗を防ぐには、適切な位置や量で施術を受けられる信頼性の高い医師を選ぶことが大切です。

事前に正しい知識を持ち、施術後のケアにも注意することで、満足のいく仕上がりを得られるでしょう。

足立 真由美
この記事の監修者 医療法人 涼葵会 理事長 足立 真由美
美容医療の豊富な経験から美容医療の枠を超え、東洋医学・アーユルベーダ等のホリスティック医療を展開。「美は健康な身体から」をテーマに、美容クリニックとは思えない多彩なアプローチで、最新の美を提供する。
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