
ヒアルロン酸注入は唇にボリューム感をもたせ、プルプルとした魅力的な唇を作り出したいときに選ばれる施術です。しかし、「失敗したらどうなるんだろう?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、唇へのヒアルロン酸注入で起こる失敗例と失敗の原因を紹介します。また、失敗したときの修正方法や失敗を防ぐ対策も解説します。この記事を読めば、唇へのヒアルロン酸注入で起こる失敗を理解できるので、満足いく施術結果にするために、ぜひ参考にしてみてください。
目次
唇へのヒアルロン酸注入で起こる失敗例とは?
ダウンタイムが少なく、低価格で施術を受けられると人気の唇へのヒアルロン酸注入ですが、注入する量や場所を間違えると理想の唇から遠ざかってしまうかもしれません。ここでは、施術で起こる可能性のある主な失敗例を6つ解説します。
ヒアルロン酸の入れすぎで腫れぼったくなる
注入量や施術回数が多い場合、唇が腫れているように感じることがあります。一般的に、唇に注入する量は片側0.5〜1.0cc程度です。ヒアルロン酸自体はもともと人体に存在する成分のため、時間の経過とともに体内に吸収されていきます。
しかし、1回の注入量が多かったり繰り返し注入したりすると、ヒアルロン酸製剤の吸収に時間がかかるため、唇が不自然に腫れぼったく見えることがあります。
青白くヒアルロン酸透けて見える
注入場所によっては、皮膚の下に注入したヒアルロン酸製剤の色で唇が青白く見える失敗例もあります。
そもそも唇の色が赤やピンク色なのは、唇の皮膚は非常に薄く透明度が高いため、普段は皮下の血管を流れる血液の赤色が見えているからです。寒い場所では唇の血流が悪くなり、紫色に見える経験をしたことのある方もいるかもしれません。
そのため、唇の皮膚の浅い部分に注入してしまうと、ヒアルロン酸の青白い色が透けやすくなってしまいます。
しこりができたりでこぼこになったりする
しこりができたりでこぼこになったりする、失敗例もあります。唇に注入する量は片側0.5〜1.0ccと、ごく少量です。そのため、質の良いヒアルロン酸製剤を均一に注入できれば、時間の経過とともに皮膚に馴染んでいきます。
しかし、注入するヒアルロン酸製剤の種類によっては、皮膚に馴染みにくかったり、体内に吸収されにくかったりするため、しこりやでこぼこになってしまうでしょう。また、均一に注入できていなかった場合も、しこりができやすくなることもあります。
唇が硬くなる
注入するヒアルロン酸の粒子が大きい場合、唇が硬くなる可能性があります。
施術に用いられる製剤には多くの種類があり、注入する部位によって使用する製剤の種類を使い分けます。粒子の大きなヒアルロン酸は体内への吸収が遅いため、持続時間が長いことが特徴です。
しかし、粒子の大きいヒアルロン酸を皮膚の浅い部分に注入した場合、吸収が遅く皮膚に馴染みにくいため、唇の質感が硬いと感じることがあります。
表情が不自然になる
唇にヒアルロン酸を注入することで、表情が不自然に見えるようになり、失敗したと感じるケースもあります。
顔には多くの表情筋が存在しており、神経の微細な動きで表情が作られることが特徴です。そのため、表情筋の動きを加味せず注入すると、話したり笑ったりしたときに施術前と比較して表情が不自然に見えてしまうことがあります。
唇に注射する製剤の量は多くないため、注入箇所に注意すれば表情が不自然になるリスクを減らせます。
塞栓が起きる可能性がある
起こり得る失敗例として、塞栓が起こって重大な失敗につながる可能性があります。
塞栓とは異物や血の塊が血管に侵入し、血の通り道を塞ぐことで体の構造物が壊死してしまう現象です。唇に注入したヒアルロン酸が血管に詰まってしまうと、顔の皮膚が壊死したり失明したりするリスクがあります。
また、ヒアルロン酸が直接血管内に侵入しなかったとしても、皮膚に注入された製剤が近くの血管を圧迫して壊死や失明を起こすことも考えられます。
唇へのヒアルロン酸注射が失敗する原因は?
唇へのヒアルロン酸注入により、以下のような失敗例があります。
- ヒアルロン酸注入のやりすぎ
- 仕上がりのイメージのズレと理解不足
- 医師の技術不足
施術に失敗したくないなら、まずは失敗してしまう原因を把握しておくことが大切です。
ヒアルロン酸注入のやりすぎ
施術の受けすぎは、唇が腫れぼったくなったりしこりができたりする原因です。
唇に注入するヒアルロン酸は一般的に粒子が小さく、体内へ吸収されやすいものを使用します。そのため、注入直後は変化を感じやすく満足していても、時間の経過とともに体内に吸収されて効果を感じにくくなる方もいるようです。
効果を持続させたいがために、適量以上を注入したり、頻繁に施術を受けたりすると唇が不自然に腫れてしまいます。
仕上がりのイメージのズレと理解不足
医師との間に仕上がりイメージのズレが生じていたり、施術に関する理解が不足していたりすると失敗へつながる可能性があります。たとえば、「唇を少しだけ厚くしたい」と施術を受けたものの、思ったより唇が大きくなってしまった場合は、施術後に起こる一時的な腫れかもしれません。
施術前のカウンセリングで具体的なイメージを医師へ伝えるだけでなく、起こりやすい副作用に関しても理解を深めるとよいでしょう。
仕上がりのイメージを医師へ伝える際は、理想の唇に近い画像を見せるのがおすすめです。
医師の技術不足
医師の技術不足によって、失敗するケースがもあります。医師は技術向上のため、日々勉強し技術を磨くものですが、残念なことに勉強不足・技術不足の医師が在籍するクリニックもあるのが事実です。
唇へのヒアルロン酸注入は注射だけの簡単な施術に思えますが、失敗すると表情が不自然になったり塞栓ができたりとリスクを伴います。そのため、技術力が確かで、実績豊富な医師に担当してもらえるクリニックを選ぶことが重要です。
唇へのヒアルロン酸注入の失敗したときの修正方法
失敗したと感じた場合でも、ヒアルロン酸分解注射を打つことで注入した製剤を取り除けます。
ヒアルロン酸分解注射とは、ヒアルロン酸を溶かすヒアルロニダーゼと呼ばれる酵素が含まれた製剤の注射です。溶かされたヒアルロン酸は体内に吸収され、一定期間後には改めてヒアルロン酸注入の施術を受けられます。
ただし、即日効果が現れるものではなく、注入量によっては一度の注射で改善しないこともあります。
唇へのヒアルロン酸注入の失敗を防ぐには?
万が一の修正方法としてヒアルロン酸分解注射の選択肢もありますが、まずは失敗を防ぐために対策することが大切です。ここでは、施術を受ける際にしておきたい6つの対策を詳しく解説します。
注入するヒアルロン酸の量に気をつける
失敗を防ぐためには、注入する量に注意しましょう。ヒアルロン酸注入はすぐに効果を感じやすい反面、体内へ吸収されやすい成分です。思ったより効果が長続きしないと感じ、「前回より多く注入したい」と考えるかもしれません。
しかし、過剰な注入は唇のしこりやでこぼこ、腫れぼったさの原因です。注入しすぎると、皮膚の壊死や失明といった重大なトラブルが起こる可能性もあるため、注入量が過剰にならないようにしましょう。
太めの針やカニューレを使用する
塞栓が起きるのを避けるには、太めの針やカニューレを使用することも重要です。
ヒアルロン酸注入では、ニードルやカニューレと呼ばれる針を使用します。ニードルは先端の尖った鋭針で、細かい施術が可能です。一方、カニューレは先端が丸みを帯びており、ニードルと比較して血管や組織を傷付けにくいメリットがあります。
太い針(ニードル)やカニューレを使用することで、血管が損傷して血の塊が発生することを防ぎ、塞栓を予防できます。
唇へのヒアルロン酸注入を過度に繰り返さない
ヒアルロン酸の注入量だけでなく、注入の頻度にも気をつけましょう。効果を持続させたいからと、頻回に注入を続けると唇が硬くなったりしこりができたりするリスクが高まります。
施術後の変化に見慣れてしまうと、「唇の厚みが足りない」「もっと厚くしたい」と感じて、ヒアルロン酸注射に依存しやすくなる点にも注意が必要です。納得のいく唇を目指すなら、焦らず適切な頻度で施術を受けましょう。
デメリットやリスクを理解しておく
失敗を防ぐためには、施術のデメリットや起こり得るリスクを理解しておきましょう。ヒアルロン酸注入は注射のみで施術できるため、メスを使う施術と比較すると重大なトラブルにつながりにくいでしょう。
しかし、人工的に製剤を体内に入れるため、リスクがないわけではありません。施術を受けるデメリットや起こりやすいリスクを理解したうえで、唇へのヒアルロン酸注入を受けることが大切です。
信頼できる医師やクリニックを選ぶ
唇へのヒアルロン酸注入で失敗したくない場合、信頼できる医師やクリニックを選びましょう。施術費用が安いからといって、評価の低いクリニックで施術することは危険です。そのため、実績や症例が豊富であるかを確認しましょう。
また、実際にカウンセリングを受けるときには、医師が丁寧にカウンセリングしてくれるか、スタッフは親切であるかも見ておくのがおすすめです。万が一のためにも、アフターケアが充実しているかも確認しておくとよいでしょう。
医師のアドバイスをきちんと聞く
医師のアドバイスを聞くことも、唇へのヒアルロン酸注入で失敗しないための対策です。
「こうなりたい」との理想があると、自分の意見を優先しがちになってしまうかもしれません。しかし、数多くの症例を経験している医師は、さまざまなパターンで最適な対応を知っています。
自己判断で失敗すると取り返しのつかないことになる可能性もあるため、信頼できる医師のアドバイスにはきちんと耳を傾けましょう。
唇へのヒアルロン酸注入に関するよくある質問
唇へのヒアルロン酸注入を検討する際、リスクだけでなく効果の持続期間や痛みの強さなど、気になる点も多いと思います。そこで、ここでは唇へのヒアルロン酸注入を検討している方によくある質問に対し、詳しい回答を紹介します。
唇へのヒアルロン酸注入の持続期間はどのくらいですか?
唇にヒアルロン酸を注入した場合、一般的には3〜6ヶ月程度効果が持続すると考えられています。持続期間に幅があるのは、個人差があったり注入量や回数によって変わったりするためです。
また、使用するヒアルロン酸製剤によっても持続期間が異なります。効果の持続期間が長いものでは、効果は2年程度です。持続期間が長い製剤ほど高価になりますが、総合的な手間や費用が抑えられるかもしれません。
唇にヒアルロン酸を注入するときに痛みはありますか?
ヒアルロン酸注入では繊細な唇に注射するため、インフルエンザのワクチンを打ったときの痛みと同じくらい、あるいはそれよりも強い痛みを感じることがあります。
しかし、希望すれば麻酔を用いて施術を受けられるため、痛みを抑えることも可能です。ヒアルロン酸注入では麻酔クリームやブロック注射があり、最も痛みを抑えられる麻酔はブロック注射です。
ただし、ブロック注射は注射で皮膚に麻酔薬を注入するため、注射時の痛みが発生する点に注意しましょう。
唇へのヒアルロン酸注入をしたら馴染むまでどのくらいですか?
唇へヒアルロン酸を注入した場合、ダウンタイムの腫れを経て馴染むまでに1〜2週間程度必要です。数日〜1週間程度で腫れや赤みがなくなり、1週間経つころから徐々に自然な仕上がりに見えるようになっていきます。
皮膚にヒアルロン酸が馴染むまでは注入部が腫れているように見えたり、触ったときに普段より硬いと感じたりすることもあるようです。ただし、ヒアルロン酸製剤が馴染むまでの時間には個人差もあるため、数日で腫れが引く方もいます。
唇にヒアルロン酸を注入後はどんなことに気をつけたらいいですか?
ヒアルロン酸の注入後は、激しい運動や飲酒、長時間の入浴などの行為は避けましょう。施術後に血行が良くなりすぎると、内出血や腫れがひどくなる可能性があるためです。
施術後24時間程度は運動や飲酒はせず、入浴もシャワーのみにするなど室内でゆっくり過ごすことで、不要なトラブルを避けられます。具体的に何をしてはいけないのか不安な場合は、あらかじめクリニックに確認して不安要素を減らしておくとよいでしょう。
唇にヒアルロン酸を注入後、キスしたらバレますか?いつからできますか?
唇にヒアルロン酸を注入した後、1〜2週間程度はキスを控えた方がよいでしょう。ただし、経過は個人差があるため、唇の状態によって期間は前後します。
唇の腫れや内出血が引いていない間は状態がひどくなる可能性もあるため、キスや唇に触れる行為は避けます。見た目は回復しても、触れると異物感がある場合はキスで気付かれてしまうことがあるため、ヒアルロン酸がしっかり馴染むまで待つ方が無難です。
まとめ
この記事では、唇へのヒアルロン酸注入が失敗してしまうケースと原因、対策を解説しました。唇へのヒアルロン酸注入はメスを使わない施術のため、比較的リスクが低いと認識されている方もいるでしょう。
しかし、過度に注入するとしこりができたり腫れぼったくなったりする失敗が起こる可能性があります。失敗を防ぐためには、ヒアルロン酸注入は適切な量・回数で受けるようにしましょう。そのためにも、信頼できる医師やクリニックを選ぶことが重要です。
この記事を参考に、唇へのヒアルロン酸注入の失敗を防ぎ、理想の唇を手に入れましょう。

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