
肌のたるみは、多くの女性が悩むトラブルです。改善する方法はいくつかありますが、「最近肌がたるんできたような気がする」「肌のたるみを改善したいけれど、どうすればよいのかわからない」とお悩みの方も多いでしょう。
肌のたるみを解消するには、原因をしっかり理解することが大切です。そこでこの記事では、肌のたるみが生じる原因をわかりやすく解説します。加えて、肌のたるみに効果的な対策やおすすめの美容施術も紹介します。
本記事を読めば、たるみの原因が理解できるとともに、効果的な対策も見つかるでしょう。肌のたるみに困っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
肌のたるみが生じる原因とは
肌のたるみが起こる主な原因は、以下のとおりです。
- 乾燥
- 紫外線
- 加齢
- 脂肪
- 皮膚
ここでは、それぞれの原因について詳しく解説します。たるみが起きるメカニズムを理解して、正しくケアしましょう。
乾燥
肌の乾燥は、たるみを引き起こします。肌が乾燥することで、表皮の下にある「真皮」に含まれるコラーゲンやエラスチンが変性してしまいます。その結果、皮膚の弾力性が低下し、たるみが発生するのです。
また、乾燥によってコラーゲンやエラスチンが減少すると、表皮の結びつきが弱くなり、肌が重力に負けて、たれてしまいます。肌を乾燥から守るには、適切なケアが必要です。
紫外線ダメージ
肌が繰り返し紫外線を浴びると、たるみが発生しやすくなります。紫外線は波長の長さによって、UV-A・UV-B・UV-Cに分けられます。なかでも、肌へダメージを及ぼすのがUV-AとUV-Bの2種類です。
UV-Aは最も波長が長く、曇りの日や室内にも降り注ぐ紫外線で、肌の真皮内のコラーゲンやエラスチンを変性させ、肌の老化を促します。UV-Bは、UV-Aよりも皮膚への刺激が強く、真皮内のコラーゲンを破壊する酵素を増やすことで、たるみを引き起こします。
紫外線はたるみだけでなく、シミやしわなどの肌トラブルも引き起こすため、日焼け止めを塗るなど、入念な対策が重要です。
加齢
加齢によって肌の弾力が失われたり、筋力が低下したりすることもたるみの原因です。年を重ねるにつれ、コラーゲンやエラスチンの生成量が減少し、肌にハリが失われると、たるみが目立ちやすくなります。加齢によって顔の表情筋が衰えると、顔全体がたるんだ印象を与えるでしょう。
また、僧帽(そうぼう)筋と呼ばれる、後頭部から背中にかけて広がる筋肉の衰えも、顔のたるみに影響します。さらに、最近の研究で、加齢に伴って骨密度が低下すると、骨が縮むことが判明しました。骨密度の低下により、頭蓋骨が縮むと皮膚がゆるんで、たるみが進行します。
脂肪
脂肪が原因で肌がたるんでしまう症状が、脂肪たるみです。脂肪たるみは、皮膚および、骨と脂肪層をつなぐ繊維が伸びることで起こります。皮膚や骨と脂肪層の間に無数にあるのが、繊維組織です。正常な繊維組織は、脂肪層がずれ落ちないようしっかりと固定する働きをしています。
しかし、皮下脂肪が増えると、重みに耐えきれなくなった繊維が伸びきってしまい、皮膚にたるみが生じます。顔のたるみは、痩せると治るというわけではありません。今まで皮下脂肪がついていた部分から急激に脂肪が減少した場合にも、皮膚が余ってしまいたるみを生じることがあります。
皮膚
肌の主要成分であるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの成分が、何らかの原因で失われたり、減少したりするのもたるみの原因です。皮膚にハリが保てず、重力に負けてしまい、しぼんだ風船のようになってたるんでしまうのです。
肌の主要成分が減少する原因として、加齢や紫外線のほか、ストレスや喫煙、過剰なアルコール摂取などが挙げられます。顔全体の皮膚がたるむと、口元や目元にしわができやすくなります。また、老け顔に見られたり、化粧のノリがわるくなったりと、さまざまな悪影響を及ぼすでしょう。
肌のたるみが起きやすい人の特徴
顔がたるみやすい人には、以下のような特徴があるといわれています。
- 姿勢がわるい
- むくみやすい
ここからは、顔がたるみやすい人の特徴を詳しく解説します。当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
姿勢がわるい
姿勢がわるい人は、たるみが起こりやすくなります。背中が丸まっていたり猫背気味だったりすると、骨格がゆがみ、重力で皮膚が必要以上に下向きに引っ張られるため、あごや頬にたるみが起こるのです。また、姿勢がわるいと血行不良になり、肌に十分な栄養が行き届かずたるみにつながります。
普段スマホを長時間見ている方やデスクワークが多い方は、意識して胸を張り、姿勢がわるくならないよう注意しましょう。
むくみやすい
むくみやすい人は、肌に水分や老廃物が蓄積するため、肌がたるみやすい傾向にあります。老廃物が蓄積されると、肌が下垂して、皮膚が伸びてしまいます。むくみによる肌のたるみは、ほうれい線などが目立つブルドック顔になりやすいのが特徴です。
むくみの原因として、水分や塩分の取りすぎ、運動不足による血行不良などが挙げられます。心当たりのある方は、むくみを改善する生活を意識してみましょう。
肌がたるみやすい部位と主な原因
肌のたるみは全身に起こりますが、一番気になるのは、他人の目に付きやすい顔から首元にかけてではないでしょうか。顔には、たるみやすい場所とたるみにくい場所があります。主に、たるみが出やすいのは以下の部位です。
- まぶた
- 目の下
- 頬
- 口元
- 首
それぞれの部位に起こるたるみの原因はさまざまで、症状も異なります。ここからは、各部位のたるみが起こりやすい原因を詳しく解説しましょう。
まぶた
まぶたのたるみは、筋力の低下や皮膚の酷使が原因で起こります。上まぶたがたるむと二重の幅が狭くなり、目が小さく見えてしまうでしょう。スマホやパソコンを長時間見ている人は、まばたきの回数が減ることで、目の周りの筋肉の老化が早まるため、まぶたがたるみやすくなります。また、メイクや洗顔の刺激によるまぶたへの負担も、たるみの原因の1つです。
上まぶたのたるみは、眼瞼下垂の可能性もあります。眼瞼下垂は、重篤な病気が原因の場合もあるので、まぶたが下がっていると感じたら、眼科医や皮膚科医に相談しましょう。
目の下
目の下のたるみは、スマホやパソコンの使用による慢性的な目の疲れが原因で起こります。そのほかの原因として、表情筋の筋力低下や、目の下への皮下脂肪の蓄積などが挙げられます。
目の下は、筋力の低下が顕著に表れる場所です。筋肉が衰えると、目の周囲にある脂肪を支えきれなくなり、目の下がたるみます。このとき、皮膚や皮下脂肪も一緒に下がるため、クマができているように見えるでしょう。
涙袋が大きい人ほど脂肪が蓄積されやすいため、目の下がたるみやすくなります。スマホやパソコンを使用する際は、意識して瞬きの回数を増やすなど、筋力が低下しないよう注意しましょう。
頬
頬のたるみは、口の周囲をぐるりと囲んでいる口輪筋(こうりんきん)や、首の側面にある広頸筋(こうけいきん)の低下が原因です。また、加齢によって頬の脂肪が減少し、皮膚や皮下組織がたれてしまうと、頬のたるみが起こります。
そのほかにも、加齢や紫外線が原因で肌のコラーゲンが減少すると、肌のハリが失われ、頬のたるみにつながります。皮膚の深層部で起こったたるみを、自力で改善するのは難しいものです。しかし、乾燥やコラーゲンの減少などが原因で起こったたるみは、スキンケアで多少改善できるでしょう。
口元
口元のたるみが起こる主な原因は、加齢による皮膚のたるみと表情筋の衰えです。加齢で皮膚のコラーゲンやエラスチンが減少すると、ハリや弾力が失われるため、口元の皮膚がたるんでしまいます。また、口角を上げたり、下げたりする筋肉が衰えると、口元のたるみにつながります。
口元が下がると口角が下がったり、口角からあごにマリオネットラインと呼ばれる縦の溝ができたりするでしょう。口角が下がると、実年齢よりも上に見られます。特に、マリオネットラインは、周囲の人に老けている印象を与えてしまうでしょう。
首
首のたるみは、加齢による肌の弾力や筋力の低下、姿勢のわるさ、乾燥などが原因で起こります。年齢と共に首の皮膚は薄くなり、保湿成分が減少・変性します。加えて、筋力が衰えて皮膚を支えられなくなることで、首がたるんでしまうのです。
また、猫背や首を前に突き出す姿勢、長時間下を向いた状態でいると、首周りの血行がわるくなりたるみにつながります。毎日の生活習慣で特に注意したいのが、枕の高さです。高さの合わない枕で寝ることも肌の老化を早め、たるみを起こす原因になります。
肌のたるみをとる意外な習慣
顔のたるみをとる意外な生活習慣とは、どのようなものがあるでしょうか。具体的には、食生活の見直しや禁煙などが挙げられますが、おすすめしたいのが筋トレです。
筋トレで血流がよくなると、肌に酸素と栄養素が効率よく運ばれ、肌の健康が維持できます。全身を鍛えるので、体の皮膚のたるみ改善効果や、体たるみ引き締め効果も期待できます。顔の皮膚のたるみだけでなく、お腹やお尻などのたるみを改善したい方は、筋トレを実践してみましょう。
ある情報番組で肌のたるみ改善の表情筋エクササイズが紹介されたこともありますが、表情筋は毎日の会話や食事の際に動かす程度で十分に筋力を維持できます。
肌のたるみの改善に有効な美容施術
肌のたるみをセルフケアで改善しようと思っても、なかなかうまくいかないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
セルフケアで一時的に肌の調子がよくなっても、根本からたるみを改善することはできません。また、間違ったケアをしてしまうと、たるみが悪化する恐れもあります。肌のたるみを正しく改善させるには、美容皮膚科で専門医による施術を受けるのがおすすめです。
ここでは、クリニックで受けられる、肌のたるみ改善に有効な美容施術をピックアップして紹介します。施術の特徴や、効果が期待できる部位もあわせて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
デンシティ
デンシティは、高周波(RF)と呼ばれる電磁波エネルギーを利用して、たるみや小じわを改善する施術で、目元や頬のたるみに効果的です。非常に高出力な高周波で皮下組織に熱エネルギーを加えることで、皮膚の収縮および凝固を促し、たるみを改善します。また、コラーゲンの生成も促進されるので、肌のハリや弾力アップ効果も期待できます。
デンシティは、強力なガス冷却装置が搭載されており、治療中の肌を熱から守ってくれるのが特徴です。施術時の痛みや不快感が少ないので、安心して治療を受けられるでしょう。
ハイフ
ハイフは、超音波の熱エネルギーを皮膚の深層部にあてる施術で、フェイスラインやあご、頬のたるみ改善効果が期待できます。ハイフは、虫眼鏡で光を一ヶ所に集めるように、超音波を専用の機械で一点に集めて照射する施術です。肌の表面を傷つけることなく、表皮のSMAS筋膜と呼ばれる深い層にまでアプローチします。
照射された場所が熱作用によって変性・収縮することで、リフトアップ効果が期待できます。ただし、ハイフは、減ってしまった皮下脂肪を元に戻すことはできません。そのため、重度のたるみや、たるみによる深いしわへの効果はあまり期待できません。
糸リフト
糸リフトは、特殊な形状の溶ける糸を皮膚の下に挿入して、あごや頬のたるみを改善する施術です。溶ける糸を挿入する際は、極細の針を使用するため、施術跡が目立ちません。糸を使用して皮膚からたるみを引き上げるので、ほうれい線やマリオネットラインの改善に効果が期待できます。
皮膚に挿入した糸の周りには、コラーゲンなどの繊維化組織が生成されて皮膚を支えるので、糸が吸収された後も効果が続くでしょう。糸リフトの平均持続期間は半年〜2年程度ですが、年齢や生活習慣、肌状態によって期間は異なります。
糸リフトはダウンタイムが少なく、施術後も普段と変わらない生活が送れます。
サーマジェン
サーマジェンは、ラジオ波という高周波による熱エネルギーを皮膚に照射して、コラーゲンの生成を促すことで、肌を引き締める施術です。主に、ほうれい線や口周り、目元のたるみに効果が期待できます。
サーマジェンは、施術直後から比較的すぐにリフトアップ効果が見られるため、早期に効果を実感したい方におすすめです。効果は2〜3ヶ月ほど持続するので、リフトアップを維持したい場合は、2~3ヶ月おきに施術を受けるとよいでしょう。頬や口周りなど、たるみが酷くてもたつきがある場合は、1ヶ月に1回程度の間隔で施術を受けるのがおすすめです。
まとめ
この記事では、肌のたるみが起こる原因について解説するとともに、肌たるみに効果的な美容施術を紹介しました。
肌のたるみはセルフケアや生活習慣の見直しで多少は改善できますが、根本的な解決は美容皮膚科による施術が有効です。たるみの部位や状態に合った施術を受けることで、「顔のたるみが治った」と心から満足できるでしょう。
専門医のもとで適切な施術を受けてたるみを解消し、若々しい肌を取り戻しましょう。

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