
肩ボトックスは、肩こりや頭痛の改善、小顔効果などが期待できる美容施術です。しかし「打ち続けるとどうなる?」と不安に思う方もいるでしょう。
肩ボトックスは、注入量や治療頻度を適切に守れば基本的に打ち続けても問題ありません。しかし、デメリットやリスクが伴う施術なので、施術の特徴やリスクを抑える方法を事前に確認しておくことが大切です。
この記事では、肩ボトックスを打ち続ける影響や治療頻度の目安、リスクを抑える方法について解説します。肩ボトックスの施術を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
肩ボトックスとは
肩ボトックスとは、首から背中にかけて広がる筋肉(僧帽筋)の上部にボトックスを注入する美容施術です。ボトックスとは、ボツリヌストキシンという神経毒素を持つたんぱく質を含んだ製剤で、緊張した筋肉を弛緩させる効果があります。
肩ボトックスは、肩周りの筋肉の過度な緊張によって生じるさまざまな症状を改善するために行われます。製剤は注射を用いて注入し、1回10〜15分程度で完了するため、比較的負担が少なく受けられる点も特徴です。
肩ボトックスに期待できる効果
肩ボトックスは、筋肉の過度な緊張によって生じる症状の改善を目的に実施されます。具体的に期待できる効果は、以下のとおりです。
- 肩のラインがスッキリする
- 小顔効果をもたらす
- 肩こりが解消する
それぞれ詳しく解説します。
肩のラインがスッキリする
肩ボトックスに期待できる効果には、肩のラインをスッキリさせられることが挙げられます。ボトックスの注入によって、筋肉が緊張して肥大した肩のラインが平らになるためです。
また、肩ボトックスは巻き肩を改善する効果も見込めます。巻き肩は、肩周りの筋肉が緊張し、通常よりも肩が内側に丸まっている状態です。巻き肩が続くと、肩こりの原因にもなります。
緊張した肩周りの筋肉が弛緩すると、巻き肩が改善して姿勢が良くなるだけでなく、肩こりの予防も可能です。
小顔効果をもたらす
肩ボトックスを打ち続けると、小顔効果が期待できます。
肩周りの筋肉が強く緊張すると、肩のラインが上がり、首が短く見える恐れがあります。また、筋肉が発達しすぎると、ゴツゴツとした印象を与えてしまうことも多いです。その結果、顔が大きく見えてしまう場合があります。
ボトックスの注入によって筋肉の働きが弱まると、肩周りがスッキリし、首が伸びたように見えます。小顔効果も発揮されるため、華奢な印象も与えられるでしょう。
肩こりが解消する
肩こりを解消することも、肩ボトックスに期待できる効果の1つです。肩こりの主な原因は、首から背中にかけて広がる「僧帽筋」の過度な緊張です。ボトックスを注入し、肩周りの筋肉の緊張を和らげることで、肩こりの解消につなげられます。
さらに、肩ボトックス治療では首こりの改善も見込めます。肩こりと首こりは密接に関係しており、両方の症状に悩む方も多いです。実際に、肩こりだけでなく、首こりの改善を目的として施術を受ける方も存在します。
肩ボトックスは打ち続けるとどうなる?
肩ボトックスは、適切な注入量や頻度を守れば、基本的に継続的に施術を受けても問題ありません。ボトックスの成分は時間とともに体内に吸収されるため、体内に蓄積して悪影響を及ぼすリスクは低いとされています。
肩ボトックスを定期的に施術を受けることで、筋肉の緊張がさらに抑制され、効果の持続時間が延びることが期待できます。ただし、過剰にボトックスを注入すると、筋力の低下や動かしにくさを感じる恐れがあるため注意が必要です。
肩ボトックスの治療頻度の目安
肩ボトックスの治療頻度は、3〜4ヶ月に1回が理想です。ただし、効果の持続時間は体質やボトックス製剤によって異なります。肩こりが重度な方は持続期間が短くなりやすく、医師との相談のうえで治療頻度を増やすケースがあります。
一方で、短期間で繰り返し治療を受けると体内に抗体ができ、効果が薄れる可能性があるため注意が必要です。頻度を増やしたい場合でも、自己判断は避け、医師との相談のうえで、適切な間隔を空けましょう。
肩ボトックスを打ち続けるメリット
医師との相談のうえで適切な量と頻度を守って肩ボトックスを打ち続けるメリットは以下のとおりです。
- 肩こりの悩みから解放される
- 肩こりとともに頭痛も緩和する
- 肩以外の効果も実感できる
それぞれ詳しく解説します。
肩こりの悩みから解放される
肩ボトックスを打ち続けるメリットには、肩こりの悩みから解放されるという点が挙げられます。肩こりで悩む方の中には、マッサージやストレッチでは改善できない方や、痛み止めを飲んでも効きにくいという方もいるでしょう。
肩ボトックスの施術を受ければ、1度の治療でつらい肩こりが改善する可能性があり、効果も3〜6ヶ月程度持続します。マッサージやストレッチでは肩こりが解消しない方にとって、肩ボトックスは最適な治療方法といえます。
肩こりとともに頭痛も緩和する
肩ボトックスを継続して施術することで、肩こりが原因で起こる頭痛が緩和される場合があります。頭痛の原因はさまざまですが、肩こりが慢性化すると血流が悪化し、慢性頭痛につながるケースは多いです。
肩ボトックスを受けることで、肩こりの改善とともに血流がスムーズになり、頭痛が軽減される可能性が高まります。肩こりによる頭痛に悩む方にとって、肩ボトックスは日常生活の質を向上させるための選択肢の1つといえるでしょう。
肩以外の効果も実感できる
肩ボトックスは、肩こりや頭痛の改善以外にもさまざまな効果をもたらします。具体的には、以下の点が挙げられます。
- 巻き肩の改善
- 首が長く見える
- 華奢に見える
- 小顔効果がある
肩周りのボリュームが抑えられることで、全体的に細く整ったように見えます。体重に変化がなくても、痩せたように見えることも多いです。特に、肩の筋肉が発達してゴツゴツとした印象に悩んでいる方にとって、悩みを解消するために有効な手段といえるでしょう。
肩ボトックスを打ち続けるデメリット
肩ボトックスにはさまざまなメリットがある一方で、打ち続けると以下のデメリットも発生します。
- 肩が過度に細く見える可能性がある
- 依存につながる恐れがある
- コストや手間がかかる
それぞれについて、詳しく解説します。
肩が過度に細く見える可能性がある
肩ボトックス治療により、肩が過度に細く見える可能性があります。治療によって現れる効果には個人差があります。そのため、想像以上に細く見えてしまうケースも少なくありません。
肩周りなどの見た目の変化は、施術後約1〜2ヶ月後がピークになる傾向があります。一度施術を受けたら、体に生じる変化をしっかりと確認することが大切です。イメージと実際の効果に相違がある場合、医師と相談したうえで頻度や注入量を決定しましょう。
依存につながる恐れがある
肩ボトックスを打ち続けることで、依存につながる恐れもあります。前提として、ボトックス自体に依存作用があるわけではありません。しかし、美的効果や症状の改善を維持したい気持ちが強まり、施術をやめられない可能性があります。
依存のリスクを抑えるためには、生活にストレッチやマッサージを取り入れるなど、症状の根本的な改善を目指すことが大切です。また、医師と相談したうえで施術の方針を決定し、指示は厳守しましょう。
コストや手間がかかる
コストや手間がかかる点も、肩ボトックスを打ち続けるデメリットの1つです。肩ボトックスの効果は、永久に続くわけではありません。効果を維持するためには、継続した通院が必要です。
費用はクリニックや治療内容によって異なりますが、1回あたり数万円かかり保険は適用外です。また、施術自体は10〜15分程度で完了しますが、当然待ち時間や移動時間が発生します。術後の通院を要する場合もあるので、手間と感じることもあるでしょう。
肩ボトックスを途中でやめたらどうなる?
肩ボトックスを途中でやめた場合、ボトックスの効果が切れるにつれて筋肉が元の状態に戻っていきます。ボトックスに含まれるボツリヌストキシンは体内に吸収されるため、施術前よりも症状が悪化する心配はありません。
ただし、肩こりや頭痛、巻き肩などの症状が再発する可能性があるため、効果を維持したい場合は定期的な施術が推奨されます。一度施術をやめた後でも、再度治療を受けることで肩こりの緩和やスタイルアップ効果を取り戻すことが可能です。
肩ボトックスで起こりうる副作用やリスク
肩ボトックス治療では、以下のような副作用やリスクが起こる可能性があります。
- 腫れや内出血
- 筋力の低下
- 患部の痛み
- 頭痛
施術後の後悔を防ぐためにも、事前に副作用やリスクを確認しましょう。各要素について、詳しく解説します。
腫れや内出血
肩ボトックスの施術後は、腫れや内出血が生じる場合があります。腫れは注射による皮膚や筋肉への刺激が原因で、施術後数時間から数日で自然に治まることがほとんどです。
一方、内出血の原因は注射針が細い血管に当たることで、通常は1週間程度で目立たなくなります。腫れや内出血が気になる場合は、患部を優しく冷やすことで症状を軽減することが可能です。長期間改善しない場合は、施術を受けたクリニックに相談しましょう。
筋力の低下
肩ボトックスには、一時的に筋力が低下したり、筋肉が動かしにくくなったりするリスクがあります。これは、ボトックスの成分により筋肉の働きを抑制されることで起こる現象です。
日常的にスポーツに取り組む方や仕事で体を使う機会が多い方は、肩ボトックスの影響で生活に支障が出る恐れがあります。また、肩を補うために周囲の筋肉に余計な負担がかかる可能性もあるため注意が必要です。
このような筋力低下は一時的なものであり、通常2〜4週間程度で改善します。
患部の痛み
肩ボトックスの施術では、注射時や注射後に患部に痛みを感じることがあります。
一般的に、注射時の痛みは針の太さに比例して強くなりやすいです。しかし、肩ボトックスで使用される注射針は0.2〜0.3mm程度と細く、予防接種で使用される針よりも痛みは軽減されています。
また、注射後に筋肉痛のような痛みを感じることもありますが、これは一時的なものであり、通常は1週間程度で改善します。
頭痛
肩ボトックスの施術後は、頭痛が生じる場合があります。頭痛の主な原因は、注射部位の筋肉の働きが抑制されることで周囲の筋肉に負担がかかるためです。
ただし、重度な頭痛が生じるケースは非常にまれで、通常数日以内に自然に治まるため、過度に心配する必要はありません。
頭痛が発生したときは、頭痛薬の処方を受けられる場合もあります。不安がある方は、事前にアフターケアの体制を確認しておくと安心です。
肩ボトックスのリスクを減らすには?
肩ボトックスのリスクを減らすためには、以下のような対策をすることが重要です。
- 信頼できる医師のもとで施術を受ける
- 薬剤の量や施術頻度を守る
- 施術後は激しい運動や長風呂を控える
- 患部を刺激しない
それぞれ詳しく解説します。
信頼できる医師のもとで施術を受ける
肩ボトックスのリスクを抑えるために、信頼できる医師のもとで施術を受けましょう。経験豊富で技術力の高い医師であれば、適切な注入量や部位を判断し、個々の状態に合わせた施術が可能です。
また、施術前のカウンセリングや施術後のアフターケアが充実しているクリニックを選ぶことで、不安を軽減し安心して治療に臨めます。公式ホームページやSNS、口コミサイトなどを活用し、事前に十分な情報収集を行うことが大切です。
薬剤の量や施術頻度を守る
薬剤の量や施術頻度を守ることは、肩ボトックスの効果を最大限に引き出し、副作用を防ぐために重要です。「早く効果を感じたい」「もっと細くなりたい」と、自己判断で量や頻度を増やすのは避けましょう。
同じクリニックに継続して通う場合は、無理な施術は医師が適切に管理して防いでくれます。しかし、複数のクリニックで施術を受けると、医師による管理が行き届かず、薬剤の過剰投与や副作用のリスクを高めるため注意が必要です。
施術後は激しい運動や長風呂を控える
肩ボトックスの施術後は、激しい運動や長風呂を控えましょう。激しい運動や長風呂によって血流が促進されると、内出血や腫れといった副作用が生じるリスクが高まります。
また、ボトックスは熱に弱いため、高温環境にさらされることで治療の効果が低下する可能性もあります。効果を最大限に引き出すためには、施術後に体に負担をかける行動を避け、適切なアフターケアを行うことが大切です。
患部を刺激しない
肩ボトックスの施術から3〜4日程度は、患部を揉む、圧迫する、擦るなど刺激を与える行為は避けましょう。患部を刺激してしまうと、ボトックスの薬剤が周囲に広がり、効果が薄れたり予期しない部位に作用したりする恐れがあります。
患部を刺激すると、製薬が周りに広がり、適切に効果が出ない恐れがあります。また、傷から雑菌が入ったり、内出血が悪化したりする可能性もあります。注射を打った部分が気になって無意識に刺激してしまうケースもあるので、注意が必要です。入浴時は患部をやさしく洗うことを心がけましょう。
まとめ
この記事では、肩ボトックスを打ち続けると生じる影響や適切な治療頻度、リスクを抑える方法などを解説しました。
基本的に、肩ボトックスを打ち続けても体に悪影響を及ぼすことは基本的にありません。しかし、注入量や治療頻度を自己判断してしまうと、効果が出なかったり副作用が出たりする恐れがあります。そのため、信頼できる医師から施術を受けることが大切です。
適切な施術を受けることで、肩こりや頭痛の改善、スタイルアップ効果などが期待できます。美容と健康の両面で悩みを解消する手助けにもなるため、ぜひ検討してみてください。

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