
肩ボトックスには、肩の筋肉の過度な緊張を緩和し、肩こりを軽減する効果があります。巻き肩の改善にも役立つため、姿勢を整えたいと考えている方に注目されている施術の1つです。
この記事では、肩ボトックスが巻き肩に与える影響や肩ボトックスのメリット・デメリットを解説します。巻き肩に悩んでいる方や肩ボトックスを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
巻き肩とは
巻き肩とは、肩が本来の位置よりも前に出て内側に丸まった状態を指します。本来、肩の位置は耳の直線上にくるはずですが、巻き肩では耳よりも前方に出てしまっており、上半身全体が少し前に傾いたように見えます。
猫背と似ていますが、猫背は背中全体が丸くなった状態であるのに対し、巻き肩は肩そのものが内側に丸まる状態です。巻き肩になると見た目が悪くなるだけでなく、肩こりや首こり、頭痛、呼吸の浅さなどさまざまな不調を引き起こす原因にもなります。
見た目の印象を損なうだけでなく、日常生活にも影響を及ぼすことがあるため、適切な対策を取ることが重要です。
巻き肩によって生じる症状
巻き肩によって生じる症状は以下のとおりです。
- 肩・首がこる
- 頭痛が起こりやすくなる
- 睡眠の質の低下
- 自律神経失調症につながる
- 頸椎ヘルニアになるケースもある
巻き肩の状態では、肩が前に出ることで肩周りの筋肉が常に緊張しやすくなります。その結果、肩こりや首こりが慢性化し、睡眠の質の低下につながる恐れもあるため注意が必要です。
また、巻き肩が長期間続くと、頸椎にも負担がかかり頸椎ヘルニアを発症してしまうケースもあります。巻き肩は単なる姿勢の乱れではなく、放置することでさまざまな不調につながる可能性があるため、早めに対策をとることが大切です。
巻き肩になる原因
巻き肩になる主な原因は、以下のとおりです。
- 筋肉が緊張している
- 横向きで睡眠している
- パソコンやスマホを長時間操作している
それぞれ解説します。
ストレッチ・運動不足
巻き肩の原因の1つが、ストレッチ・運動不足です。筋肉が緊張すると、肩が前方に引っ張られた状態が続き、自然な位置に戻りにくくなります。その結果、肩が内側に入りやすくなり、巻き肩の姿勢がクセづいてしまうのです。
また、運動不足によって筋肉が衰えると、筋肉のバランスが崩れ、肩の位置が内側に引っ張られやすくなります。巻き肩を防ぐためには、日々の生活に筋肉をほぐすストレッチや筋力トレーニングを取り入れるのがおすすめです。
横向きに寝る習慣がある
横向きに寝る習慣がある場合も、巻き肩になりやすいため注意が必要です。横向きで寝ると、上半身の重みが肩にかかり、肩が前に出た状態になります。この状態を長く続けることで、肩の前方への傾きが定着し、巻き肩のクセがついてしまうのです。
また、横向き寝は体の重みが特定の部位にかかりやすく、筋肉のバランスが崩れやすくなります。どうしても横向き寝が必要な場合は、枕の高さを調整したり抱き枕を活用したりすることで、肩への負担を軽減することが可能です。
パソコンやスマホの長時間の使用
パソコンやスマホを長時間使用すると、肩が前に出た状態が続き、巻き肩になりやすいです。同じ姿勢を長時間取り続けると、肩や背中の筋肉が過度に緊張します。その状態が続くことで、肩周りの筋肉が硬くなり、自然と肩が内側に入りやすくなってしまいます。
また、長時間のデスクワークやスマホ操作は猫背を助長し、巻き肩を悪化させる可能性があります。普段から姿勢を意識し、巻き肩の予防につなげましょう。
肩ボトックスで巻き肩は改善できる!
肩ボトックスは、巻き肩の改善に効果が期待できる施術の1つです。ボトックスとは、ボツリヌストキシンという成分を筋肉に注入することで、過剰な筋肉の収縮を抑制するはたらきがあります。
肩ボトックスを注入すると、筋肉の緊張が緩和され、肩が本来の正しい位置に戻りやすくなります。その結果、姿勢が改善され、肩こりや首の痛みの軽減にもつながります。特に、巻き肩が慢性化している方にとって、肩ボトックスは有効な選択肢となるでしょう。
また、肩ボトックスにより筋肉の緊張がほぐれることで、血流が改善され、肩こりや首の痛みの軽減も期待できます。
肩ボトックスの効果の持続期間
肩ボトックスの効果の持続期間は約4〜6ヶ月で、施術後1週間程度で効果を実感できるケースが多いです。ただし、持続期間には個人差があり、筋肉の大きさや肩こりの度合い、生活習慣などによっても異なります。
ボトックスの効果が切れてくると徐々に肩の筋肉が元の状態に戻るため、継続的な施術が推奨されます。しかし、治療の間隔を適切に調整することで、施術の頻度を徐々に伸ばすことも可能です。
肩ボトックスは、自己判断で繰り返し施術を受けるのではなく、担当の医師と相談しながら適切な間隔で施術を受けることが大切です。
肩ボトックスで巻き肩を改善するメリット
肩ボトックスにはさまざまなメリットがあります。代表的なメリットは、以下の3つです。
- 肩こりの改善も期待できる
- 頭痛を緩和できる
- 小顔効果や華奢見え効果も期待できる
それぞれ詳しく解説します。
肩こりの改善も期待できる
肩ボトックスのメリットの1つが、肩こりの改善が期待できる点です。
肩こりの原因となる筋肉にボトックスを注入すると、ボツリヌストキシンの作用によって筋肉の過度な収縮が抑えられ、緊張が緩和されます。その結果、血流が改善するため、肩こりによる不快感が軽減することが可能です。
また、肩こりが慢性化している場合、筋肉の過度な緊張が神経を圧迫し、頭痛や腕のしびれを引き起こすこともあります。肩ボトックスを施術することで、これらの症状の改善にもつながるでしょう。
頭痛を緩和できる
頭痛を緩和できることも、肩ボトックスのメリットとして挙げられます。
肩こりが原因で起こる頭痛を「緊張性頭痛」といい、夕方や仕事終わりのタイミングで発生しやすいとされています。この頭痛は、筋肉の緊張や精神的なストレスなどによって引き起こされることが多く、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
肩ボトックスは、筋肉の過度な収縮を抑えることで肩こりを和らげ、血流を改善する効果があります。これにより、肩や首の緊張が原因で発生する緊張性頭痛の症状が軽減されることが期待できます。
小顔効果や華奢見え効果も期待できる
小顔効果や華奢見え効果を得られるのも、肩ボトックスのメリットです。
ボトックス注射で肩の筋肉の緊張を和らげることで、張り出していた筋肉がスッキリし、肩のラインがなだらかになります。肩の盛り上がりが抑えられることでデコルテラインも美しく整うため、華奢な印象を与えられるでしょう。
また、肩のラインがすっきりすることで顔まわりとのバランスが取れ、小顔に見えやすくなります。肩ボトックスは、治療目的だけでなく、美容効果を求める方にも適した施術です。
肩ボトックスで巻き肩を改善するデメリット
肩ボトックスには多くのメリットがありますが、以下のようなデメリットもあります。
- 効果をすぐに実感するのは難しい
- 効果を維持するために継続的な施術が必要
- 副作用のリスクがある
施術を検討する際は、メリットだけでなくデメリットも理解したうえで判断することが大切です。
効果をすぐに実感するのは難しい
肩ボトックスは、効果を実感するまでに数日〜1週間程度かかるのが一般的です。そのため、即効性を求めている方にとっては物足りなさを感じるかもしれません。
また、効果の持続期間には個人差があり、筋肉量や体質によっても変わるため注意が必要です。大事なイベントが控えている場合などは、効果が出るまでの時間を逆算し、計画的に施術を受けることが大切です。
効果を維持するためには継続的な施術が必要
効果を維持するためには、定期的に施術を受ける必要があります。個人差がありますが、肩ボトックスの効果の持続期間は約4〜6ヶ月です。継続的に施術を受けることで、より安定した効果を得られやすくなります。
ただし、頻繁に施術を受けすぎるとボツリヌストキシンに対する抗体ができ、効果が弱まる可能性があります。継続的に受けることで費用もかさむため、医師と相談しながら無理のない施術計画を立てることが大切です。
副作用のリスクがある
肩ボトックスは比較的安全な施術ですが、施術後に赤みや内出血、腫れが生じる場合があります。ただし、多くの場合は数日で治まるため、過度に心配する必要はないでしょう。
また、ボトックスの効果が強く出すぎると、肩の可動域が狭くなったり、腕を上げにくくなったりすることもあります。副作用のリスクを最小限に抑えるためにも、施術を検討する際は信頼できるクリニックや経験豊富な医師を選ぶことが大切です。
肩ボトックスで巻き肩を改善する際の注意点
肩ボトックスで巻き肩の治療を行う際は、以下の点に注意が必要です。
- 注入量や注射箇所に気をつける
- 短期間に何度も注入しない
- クリニック選びは慎重におこなう
それぞれ解説します。
注入量や注入箇所に気をつける
肩ボトックスの施術を受ける際は、注入量や注入箇所に気をつけましょう。肩ボトックスは、注入量や注入箇所を間違えると効果を十分に実感できない可能性があります。また、注入量や注入箇所が適切でないと、副作用のリスクも高まります。
安全に施術を受けるためにも、事前のカウンセリングで医師としっかり相談し、自分の状態や希望を伝えることが大切です。
短期間に何度も注入しない
肩ボトックスは継続的な施術が推奨されますが、短期間に何度も注入するのは避けましょう。施術の間隔を守らず頻繁にボトックスを注入すると、体が抗体を作りやすくなり、効果が徐々に弱まる可能性があります。
また、過剰な注入によって筋肉のバランスが崩れ、肩周りの動かしにくさや違和感を感じることもあります。そのため、医師と相談しながら施術間隔で施術を受けることが大切です。
クリニック選びは慎重に行う
クリニック選びは、時間をかけて慎重に行うことが重要です。肩ボトックスは、医師の技術によって仕上がりが大きく変わります。実績が豊富で信頼できる医師が在籍しているクリニックでは、安全かつ満足のいく仕上がりが期待できます。
また、カウンセリングの丁寧さやアフターフォローの充実度も大切なポイントです。しっかりと説明を受けたうえで、自分に合った施術プランを提案してくれるクリニックを選びましょう。
肩ボトックスの巻き肩改善に関するよくある質問
ここでは、肩ボトックスに関するよくある質問をまとめました。疑問や不安を解消して安心して施術を受けられるよう、ぜひ参考にしてください。
肩ボトックスの施術からどれくらいで効果を実感できますか?
一般的には、施術後2〜3日ほどで徐々に効果を感じ始め、1〜2週間程度で効果がピークに達します。ただし、効果を実感できるまでの期間には個人差があり、筋肉の状態や体質によっても異なります。
巻き肩の改善や肩こりの軽減を目的とする場合は、日常生活での姿勢改善や適度なストレッチを併用することでより効果を実感しやすくなるでしょう。
1回の施術だけで巻き肩を改善できますか?
1回の施術で巻き肩の改善を実感することは可能ですが、根本的な改善を目指す場合は継続した施術が推奨されます。
ボトックスの効果は一時的で、永久に続くわけではありません。通常、4〜6ヶ月程度で効果は薄れていくため、効果が切れる前に再度施術を受けることで持続的な改善が期待できます。
肩ボトックスの施術にダウンタイムはありますか?
肩ボトックスは、ダウンタイムがほとんどない施術とされています。施術直後から普段の生活に戻れるため、忙しい方でも受けやすいのが特徴です。
まれに腫れや内出血、筋肉痛のような違和感が生じることがありますが、通常1〜2週間ほどで自然に落ち着きます。適切なケアを行いながら、施術後の過ごし方に気をつけることで、より効果的な結果が得られるでしょう。
まとめ
この記事では、肩ボトックスが巻き肩に与える影響や肩ボトックスのメリット・デメリットについて解説しました。
肩ボトックスには肩の筋肉の緊張を和らげるはたらきがあり、巻き肩の改善や肩こりの軽減、小顔効果などが期待できます。一方で、効果を維持するためには継続的な施術が必要であり、副作用やダウンタイムが生じる可能性もあります。
巻き肩の改善などを目的に施術を受ける際は、信頼できるクリニックを選び、適切な頻度や注入量を守ることが大切です。

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