ミレーナ
2023.01.11
避妊や重い月経の改善のために、ピルを飲んでいたり飲もうかなと検討している方にぜひ知ってもらいたい治療方法があります。
それは「ミレーナ」という避妊リングを子宮内に挿入する治療方法で、その効果は非常に高くおすすめです。
今回の記事では、ミレーナを挿入することで日常生活にどのような影響があるのかを中心に解説していきます。
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本格的に装着を検討したい方やもっと詳しく知りたい方は、気軽にW femina Clinicにお問合せください。
ミレーナは1回の経血量が150ml以上の過多月経や、月経痛や吐き気や頭痛、疲労といった月経に身体の不調を伴う月経困難症の治療に用いられます。
ミレーナは子宮内で黄体ホルモン(プロゲステロン)を放出し子宮内膜の増殖を抑える働きをするため、子宮内膜は分厚くならないため、月経量はいつもより減り、月経に伴う不調も軽くしてくれます。
ミレーナを装着後は回を追うごとに月経量が少なくなっていき、1年後には月経が止まってしまう人もいるほど効果が高い治療方法です。
ミレーナの効果の大きな特徴のひとつは高い避妊効果です。
ミレーナは装着していても、通常通り排卵がおこります。
しかし、子宮内膜が分厚くならないことで、またミレーナかが物理的に邪魔をして、受精卵が着床できないこと、さらに子宮入口の粘液を変化させ、子宮内に精子が侵入しにくくすることで高い避妊効果を発揮します。
一方で、ピルは黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)の合剤で、排卵を止める作用があります。
卵胞ホルモンは血栓症のリスクを上げるため、血栓症リスクの高い40代以上や喫煙者は注意が必要です。
また、ミレーナに比べてホルモンが全身に及ぼす影響がやや大きいため、ピルの飲み始めに頭痛や吐き気といった不調を感じる場合もあります。
ミレーナの場合は卵胞ホルモンが含まれていないことと、主に子宮に局所的に効果を発揮するため、ピルにある血栓症のリスクを考える必要がなく、体の不調を生じにくい点も魅力です。
ミレーナを装着して1年間の妊娠の確率は0.2%で、500人に一人が妊娠するといわれており、99.8%の方は避妊に成功しているということになります。
では、ピルの場合はどうでしょうか。
1年間の妊娠の確率は0.3〜9%で、避妊の成功率は99.7~93%で高い避妊効果を発揮していますがミレーナよりもやや避妊の成功率がひくく、ばらつきもあるという結果がでています。
ピルの場合毎日、決まった時間に飲まなければ、確実な効果が得られなくないことから、飲み忘れや飲む時間のずれにより効果が低下してしまいます。
しかし、ミレーナは一度子宮内に器具を装着することで、効果は5年間継続するため、ピルよりも手間がなく避妊をすることができます。
ミレーナは安定した高い避妊効果を装着後すぐに得ることができますが、ピルと同様に100%確実に避妊ができるわけではないことは覚えておきましょう。
重い月経の改善や高い避妊効果は魅力的ですが、子宮内に器具を挿入することで日常生活に影響はないのでしょうか。
器具を子宮内に入れることで、入れる前までの生活から変わる事はないのか気になるポイントを1つずつ確認してみましょう。
ピルと同様にミレーナの挿入によって体重が増えるということはありませんが、元々浮腫みやすい人は、浮腫みが生じることがあります。
また黄体ホルモンには食欲増進の作用もあったり、またはミレーナ挿入により体調がよくなることで食欲が増して体重が増える可能性もあります。
しかし、体重増加の原因は食生活や運動習慣、加齢など日常生活の中にさまざまあるため、日頃の体重管理には十分注意するようにしましょう。
挿入後に浮腫んでしんどい時は、主治医に相談しましょう。
ミレーナは子宮へ装着していますが、性交に影響することはありません。
もし、性交時に違和感を感じる場合はミレーナが正しく装着されていない可能性があるため、性交を避け医師の診察を受けるようにしましょう。
ミレーナを装着していても、タンポンは使用することができます。
ミレーナを装着してから、3日間はタンポンではなくナプキンを使用しますが、その後に出血があった際はタンポンを使用しても問題ありません。
ただし、同じタンポンを長時間(12時間以上)使用することは避けましょう。
また、ミレーナ装着中は抜去の際に使用する抜去糸が膣内にあります。
誤って抜去糸を引っ張ってしまうと、ミレーナが子宮内でずれる可能性があるためタンポン使用の際は特に注意しましょう。
装着から日数が経過するとしだいに月経量が減少していき、装着1年後には約20%の方が無月経になるといわれています。
ミレーナの黄体ホルモンは局所的に子宮に作用しているため月経量は少なくなりますが、体内のホルモンについては装着前と変わらない状態です。
排卵も通常通りおこっているため、閉経してしまったわけではないので安心してください。
ミレーナの有効期限は5年間で期限が近付くと効果が低下する可能性があるため、5年を超えないうちにミレーナを交換する必要があります。
体調やその後の妊娠計画などで継続を迷う場合は交換するか、抜去するかを医師と相談するようにしましょう。
ミレーナを交換する場合は、月経周期のいつでも交換が可能なのでお気軽にお問合せください。
ミレーナ装着中は装着後1ヵ月、3か月、6か月、1年で検診が必要です。
1年目以降は1年ごとに定期検診を受けるようにしましょう。
装着後は、不正出血やおりものの色や量、臭いの変化などがありますがしばらくすると落ち着いていきます。
しかし、症状が長引いたり、強い症状が出る場合など心配なことがあれば医師に相談するようにしましょう。
また、装着中もミレーナの位置がずれたり、脱出してしまう可能性もあります。
もし腹痛を感じたり、出血量が突然増えたりするなどいつもと違う症状を感じた場合はすぐに医師の診察を受けてください。
ミレーナはピルのような手間も無く、日常生活への影響も小さく、避妊の確実性が高いことから非常に有効な避妊方法です。
ピルに比べ情報も少なく子宮内に器具を設置することを不安もあるかもしれませんが、日常生活への影響や疑問点をクリアにして、避妊の選択肢を広げましょう。
W femina Clinicでは、ミレーナに関する不安な点や疑問点を丁寧にご説明させていただきますので、お気軽にご相談下さい。
産婦人科専門医宮崎 綾子 医師
私もひとりの女性として患者様に寄り添い、その方に合う最善の方法を見つけるお手伝いをさせていただきたいと思っております。どんな些細なお悩みも一緒に解決していきましょう!
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