Wフェミナクリニック(婦人科)|ミレーナとは?ピル以外の選択肢!について解説

ミレーナ

ミレーナとは?ピル以外の選択肢!について解説

2023.01.11

ミレーナは月経量が多く困っている方や、生理に伴う痛みで悩んでいる方の治療に用いられる医療器具です。

避妊の効果もあり、ピルの代わりになる新しい治療方法として注目を集めています。

ミレーナを使った治療とはどのような治療方法なのでしょうか。

今回の記事では、ミレーナの治療方法や効果を紹介し、ピルとどのような違いがあるのかを解説していきます。

月経量や月経痛に悩む方、避妊をお考えの方はピル以外のミレーナという選択肢を知って、自分にあった方法を自由に選択できるようにしましょう。

インスタグラムでもミレーナやピルについて発信しているので、チェックしてみてくださいね。

もっと詳しく話を聞きたいという方は、ぜひW femina Clinicにお気軽にご連絡ください。

ミレーナとは?

ミレーナとは合成樹脂でできた直径3㎝ほどのT字型の小さな器具で、子宮内に装着して使用する医療器具です。

子宮内に装着すると黄体ホルモンとよばれる女性ホルモンが持続して放出され、黄体ホルモンは子宮に直接作用します。

黄体ホルモンの働きにより月経が原因の不調を改善したり、ピルと同程度以上の高い避妊効果を発揮したりします。

装着をしている間は通常通りの生活をおくることができ、また妊娠を望む場合は医師によって簡単にはずすことができるため、新しい避妊方法としても注目されています。

ミレーナは装着後約5年間は黄体ホルモンを放出し続けるため、一度挿入すると5年間は交換が必要ない点も魅力です。

ミレーナの効果とは

避妊リングの一種であるミレーナは、子宮に装着するとどのような効果があるのでしょうか。

月経量や月経痛がなぜ緩和されるのか、避妊効果はどのように得られるのかを確認していきましょう。

過多月経・月経困難症の治療になる

ミレーナは過多月経や月経困難症の改善をすることができる治療方法です。

過多月経とは1回の月経量が150ml以上ある人のことで、月経困難症とは月経痛に加え、吐き気や頭痛、疲労といった身体の不調も含めた症状が月経に伴う人のことをさします。

ミレーナは子宮内でレボノルゲストレルという黄体ホルモンの一種を放出し、子宮内膜の増殖を抑える働きをします。

増殖がおさえられた子宮内膜は薄くなるため、月経量が少なくなり生理に伴う痛みも緩和するといった仕組みです。

ミレーナを装着することで一部の人は無月経になるほど効果は高く、月経量が大きく減るためナプキンの使用量も激減するでしょう。

避妊効果がある

避妊リングの中でも比較的新しいミレーナは、黄体ホルモンを放出するため非常に高い避妊効果を発揮します。

ピルは排卵がおこらなくなる作用がありますが、ミレーナの場合は排卵があっても妊娠が成立しない仕組みになっています。

ひとつは黄体ホルモンの一種であるレボノルゲストレルの効果で、子宮内膜が薄くなるため妊娠が成立しにくくなるという仕組みです。

また子宮入口の粘液を変化させて子宮内に精子が侵入しにくくなる効果もあるため、排卵があっても高い避妊効果を発揮します。

ミレーナは保険適用で装着が可能なケースも

ミレーナは過多月経や月経困難症の治療のために使用する場合、2014年から保険適用が可能になりました。

しかし、避妊のためだけに装着する場合は保険適用外になるため注意が必要です。

保険を適用した場合はおよそ15,000円で装着することができ、最長5年間使用することができます。

ミレーナは初期費用こそかかりますが、ピルを継続して飲み続けるより経済的に効果を得ることができるため、ピルを使用している方や検討している方におすすめの治療方法です。

ピルとミレーナの症状や副作用、使用可能な範囲を比較

ミレーナと効果が似ているピルは身近なものになりつつありますが、ミレーナはまだこれから周知されていく治療方法です。

ミレーナのメリットをお伝えしたことで興味を持った方もいるかと思いますが、子宮内に器具を挿入することに不安を覚える方もいるでしょう。

次は、体に与える影響や使用可能な人に制限があるのかどうかをピルとミレーナで比較してみます。

不正出血

ピルもミレーナも一部の方には、使用を開始してから数カ月は不正出血がみられます。

ミレーナの場合、子宮内の環境がレボノルゲストレルが濃い状態に慣れるまでおよそ3~4か月間、長い場合は6か月ほどの期間で毎日のように不正出血が続きます。

器具がずれているのではないかと心配になるかもしれませんが、次第におさまっていくので安心してください。

最初の数カ月がすぎて不正出血がおさまれば、その後の月経量は劇的に少なくなります。

身体への薬の影響

ピルは服用すると頭痛や吐き気を感じる方がいますが、これはピルに含まれる2種類のホルモンが身体全体に影響を与え、ホルモンバランスを崩すことからおこる症状です。

ミレーナの場合は子宮内だけに薬剤が効果を発揮するため頭痛などの不調がおこりにくく、体調への影響が少ない点にもメリットがあります。

また、ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤ですが、ミレーナは黄体ホルモンだけを放出している点も大きな違いです。

ピルに含まれる卵胞ホルモンは血栓症のリスクを高める作用があるため、血栓症リスクの高い方は服用に注意が必要だったり、服用自体ができなかったりする場合があります。

しかしミレーナは黄体ホルモンのみのため血栓症リスクのある方も安心して使用することができるという点もミレーナを選択するメリットです。

月経周期の変化

ミレーナ装着後は日がたつにつれ月経の回数が減少し、1年後にはおよそ20%の方に月経が起こらなくなります。

ピルを飲むと月経が止まると誤解している方もいますが、ピルは排卵を止める作用があるお薬で月経の周期を変える効果はありません。

ピルを飲んだ場合も経血量は減りますが、ミレーナの方が月経周期の変化や月経量減少の効果を強く感じるでしょう。

使用者の制限

ピルは卵胞ホルモンが含まれており血栓症のリスクがあるため、血栓症のリスクが高い方への処方ができない場合があります。

例えば、ピルの場合は年齢では40歳以上は服用に慎重な判断が必要となり、50歳以上は服用ができなくなります。

タバコは血栓症のリスクになるため、35歳以上で1日15本以上喫煙をされる方は服用できません。

その点、ミレーナには血栓症のリスクが無いため、年齢制限もなく愛煙者でも問題なく装着することができます。

使用1年間の避妊の失敗率

使用開始から1年間の避妊失敗率はピルが0.3~9%、ミレーナが0.2%といわれています。

ピルは継続して2日以上内服を忘れた場合、避妊の効果は大きく下がってしまうため、数字にばらつきがみられます。

ミレーナは装着後定期検診はあるものの、ピルのように毎日飲み続ける必要がないため避妊の方法としては確実性の高く、手間も少ないものだといえるでしょう。

ミレーナは重い月経や避妊方法で悩む女性の新しい選択肢!

ミレーナは月経量を少なくし月経痛を軽くできる新しい有効な治療方法で、確実性の高い避妊方法です。

まだ知らない人も多くいますが、ピルに比べると身体への影響も小さく、経済的な負担も軽いうえに効果は十分に得られるため、非常におすすめな治療方法です。

ミレーナは装着後は定期的な検診が必要になるため、装着をする際は気軽に相談でき信頼できるクリニックでの装着をおすすめします。

重い月経のお悩みやより確実な避妊方法をお探しなら、お気軽にW femina Clinicにご相談ください。

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産婦人科専門医宮崎 綾子 医師

私もひとりの女性として患者様に寄り添い、その方に合う最善の方法を見つけるお手伝いをさせていただきたいと思っております。どんな些細なお悩みも一緒に解決していきましょう!