最近テレビでも多く取り上げられるようになったエクソソーム。実は国家プロジェクトとして研究が進められています。

エクソソームとは簡単に言うと、細胞間の情報伝達物質として、細胞から常に分泌されている粒状の非常に小さい物質です。

この小さな物質が私たちの「健康維持」や「若返り」に大きく貢献しているのです。

このエクソソームですが、将来的にはあらゆる疾患を治すのでないかと言われ、近年、大変注目を浴びています。

この記事を読むと、

・エクソソームとは何か?

・エクソソームの役割とは?

・エクソソームに深い関わりのあるMSC療法とは?

・エクソソームによってがんの脅威がなくなる?

…などについて、理解が深まります。

また、Wクリニック福岡院では点滴や水光注射、ダーマペンの治療でこのエクソソームを使用していますよ。

ぜひ参考にしてくださいね。

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エクソソームとは何か?簡単に解説!


エクソソームとは何か?役割と概要について簡単に説明します。

エクソソームとは細胞間のコミュニケーションツール

エクソソームとは、身体の中の細胞から細胞へと情報を伝達する「コミュニケーションツール」です。

これまで脳や神経が管理していると思われていた私たちの身体ですが、実は細胞同士の情報伝達物質であるエクソソームのやり取りで管理されていることが分かってきました。

エクソソームはカプセル状の物質

そのコミュニケーションツールとして活躍するエクソソームは、体内の多くの細胞から分泌され、血液や尿、髄液、唾液、母乳…などさまざまな体液に存在しています。

エクソソームは体中を循環しているカプセル状の物質(細胞外小胞の一種)です。

そのカプセル状の内部に「核酸」と呼ばれるマイクロRNA・メッセンジャーRNAといった遺伝子情報やタンパク質などを含んでいます。

それらの情報を細胞のいたるところに伝達することで身体の「健康維持」や「若返り」に大きく関わっています。

このエクソソームをさらに詳しく解説するには間葉系幹細胞(MSC)についても説明しなければいけません。順を追って説明していきます。

エクソソームを知るための驚きの症例を紹介!

エクソソームを詳しく知るためにまず知ってほしい症例があります。2013年12月から札幌医科大学附属病院にて行われた治験に関するものです。

『(前略)患者さんの骨髄液より採取した自己骨髄間葉系幹細胞を体外で培養・増殖し、脊髄損傷の患者さんの静脈内に投与する細胞療法の医師主導治験を2013年12月より札幌医科大学附属病院において開始しました。

(中略)

脊髄損傷の患者さん13例のうち12例で投与後220日目に神経学的および機能学的分類の基準であるASIA機能障害尺度で1段階以上の改善が見られ、喪失した神経機能の回復などの治療効果が推定されました。重篤な有害事象の発現はなく、安全性も確認されました。

(後略)』

引用:国立研究開発法日本医療研究開発機構(2018年度 研究事業成果集 脊髄損傷治療のための自己骨髄間葉系幹細胞の実用化)

脊髄損傷の患者さんに自分の身体の中にある骨髄間葉系幹細胞を一旦体外に出して培養し、増やしたものをまた点滴で体内に戻す…、といった治療で、見事脊髄損傷を回復した症例です。

これは間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell)を使った「MSC療法」というもので、

この間葉系幹細胞の分泌するエクソソームが、再生医療の世界で大変注目されているのです。

間葉系幹細胞(MSC)とは?

間葉系幹細胞とは、胎盤や臍帯、脂肪組織、歯髄、骨髄などに含まれている幹細胞です。

幹細胞は、分裂・増殖過程を経ても自己と同じ特性を維持して複製する能力(自己複製能)や、さまざまな系統の細胞になれる能力(多分化能)を持っています。

採取がいろいろな場所からできる上、安全性も高いことから再生医療の世界で多く利用されています。

この間葉系幹細胞ですが、年齢を重ねるとどんどん数が減っていき、生まれたときは60億個あるのですが、80歳代になると1/200の3,000万個まで減ってしまいます。

赤ちゃんがちょっとしたけがをしたとしても、すぐに治り跡もほとんど残らないのに対し、高齢の方が同様のけがをした場合は、なかなか治らない上に跡も残ることが多いです。この違いは間葉系幹細胞の数の違いが関係しています。

間葉系幹細胞を使ったMSC療法とは?

このさまざまな細胞に変化し、病気やけがを治す間葉系幹細胞を使った治療が「MSC療法」と言います。

上述した通り、間葉系幹細胞を体外に取りだし、培養・増殖してまた体内に戻す療法ですが、理論上、今まで回復が難しいと思われていた病気やけがが治るのではないかと考えられています。

間葉系幹細胞が少ないから損傷した細胞の再生や修復が難しい…、つまり、間葉系幹細胞を体内に増やせば治せるということです。

しかし、これには間葉系幹細胞から分泌されるエクソソームが大きく関係しているのです。

エクソソームは優秀な情報伝達物質!

上述した脊髄損傷の患者さんのように病気やけがを治すためには、大量に体内に入った間葉系幹細胞が反応して「修復せよ」というメッセージを持ったエクソソームを、多く分泌したことから回復へとつながりました。

エクソソームには大切な情報が詰まっている

エクソソームの小さなカプセル状の中には、「けがをした」「腰が痛い」「足をひねった」などの体内の異常や、「傷を治せ」「寝不足だよ」「熱を下げろ」…と言った修復のメッセージが入っており、それを細胞間で伝え合って病気やけがを治しています。

つまり、細胞同士のコミュニケーションで細胞を管理しているのです。

エクソソームは優秀な運び屋!

このメッセージを伝えあうエクソソームですが、どうやって損傷した箇所をしっかり見極め、修復することができるのでしょうか?

それは身体の目的部位に、適したタイミングに「確実に」届ける運び屋(DDS)としての役割がエクソソームにはあるからです。運び屋として優秀なため、弱った箇所に迷わずに(勝手に)移動し、指示通りに修復を促します。

脊髄損傷の患者さんが外科手術をせずに点滴だけで回復したのは、

1.培養した間葉系幹細胞を

2.間葉系幹細胞が分泌したエクソソームによって

3.適切な場所(弱っている場所)へ適切な指示(治癒せよ)のもと働いた

…から治ったということですね。

エクソソームはがん治療を大きく変える

今エクソソーム研究で一番注目されていることは、エクソソームががん治療を大きく変える存在になるのではないかということです。

簡単に言うと、エクソソーム内の情報を読み取ることで「がんを早期に発見できる」ということです。

エクソソームは13種類ものがんを判別

身体の中の細胞は、常にエクソソームを分泌していますが、何か病気になるとその分泌量は特に増加します。それはがんも一緒で、がん細胞もエクソソームを出していることが判明しています。

『(前略)固形がん9,921例[乳がん675例、膀胱がん399例、胆道がん402 例、大腸がん1,596 例、食道扁平上皮がん566例、肺がん1,699例、胃がん1,418例、肝細胞がん348 例、膵がん851例、前立腺がん1,027 例、卵巣がん400 例、骨軟部肉腫299例、脳腫瘍241例]と非がん対照5,643例、および各種良性疾患626例の血清 miRNAプロファイルを一斉に解析しました。全体の 5 分の4に相当するサンプル数で機械学習モデルにmiRNAデータを学習させ、残りの5分の1のデータによってがんの種類を予測したところ、診断予測精度は全ステージで0.88(95%信頼区間:0.87-0.90)、特に早期診断の意義が高いステージ 0~IIに限っても精度 0.90(95%信頼区間:0.88-0.91)と高い性能が得られました。(後略)』

引用:慶應義塾大学薬学部 東京医科大学 国立がん研究センター 国立長寿医療研究センター(血中マイクロ RNAによって13種のがんを高精度に区別できることを実証-世界最大のヒト血清マイクロRNAデータベースを公開-)

がん細胞から出ているエクソソームはがんの種類によって、内包されている核酸やタンパク質が異なります。

血液検査をするだけで、希少ながんも含めた「13種類」のがん(乳がん、膀胱がん、胆道がん、大腸がん、食道がん、肺がん、胃がん、肝臓がん、すい臓がん、前立腺がん、卵巣がん、肉腫、神経膠腫)を、超初期段階で診断できるという検査手法が、まもなく一般化しようとしています。

がんを正しく判定できる精度は95%以上という結果で、早期実用化を目指し、現在加速度的に研究が進められています。

エクソソームでがんの超早期発見が可能に!?

一般的に現在のがん検診は、部位ごとにしかがん検診を受けることができません。それは、我々にとって負担が大きい上、中には痛みを伴う検査もあります。

いまや日本人の2人に1人ががんと言われる時代ですが、がん検診の受診率は全体の3割程度に留まっており、先進国の中でも低い割合です。

血液検査だけで13種類ものがんの検査ができるということは、検査の負担を軽くし、すい臓がんのように初期では自覚症状がないようながんも、超早期発見、そして早期治療を実現できるということです。

がんに対する脅威が近々なくなりそうですね。

エクソソームは若返りへと導いてくれる

エクソソームは美容業界でも「若返り」という観点で注目を浴びています。

お肌のエイジングケアはもちろん、健康維持や増進に関しても効果が期待されているのです。

ちなみに、脊髄損傷の患者さんのようなMSC療法は特定の疾患でないと受けることはできません。そして、費用も驚くほどかかります。

そこで、我々美容業界などでは、特許技術によって抽出されたエクソソームを多く含んだ幹細胞培養上清液を用いて、気軽に「若返り」が可能になったのです。

Wクリニック福岡院でも幹細胞培養上清液に含まれるエクソソームを使った施術があります。

当院で扱っているエクソソームは、独自開発された「ピュアエクソソーム®」という特別な幹細胞エクソソームで、従来のエクソソームに比べ、なんと純度が99%以上の優れもの。不純物を精緻に排除しています。

このため、人体に好ましくない成分が混在するリスクはほとんどありません。

では、このピュアエクソソーム®はどんな効果があるのでしょうか?

幹細胞エクソソーム点滴療法に期待される効果

幹細胞エクソソームを使った点滴療法では、上述した肌の若返りに関してだけではなく「健康維持・増進」といった全身の若返りに関してもさまざまな効果が期待できます。

肌の若返りに特化した効果の他に、以下のような効果も期待できます。

・毛髪再生や白髪の改善

・傷の治癒の促進

・肝機能障害の改善

・肩こりの改善

・疲労回復や滋養強壮

・不眠症の改善

・うつ状態の改善…など

このように、免疫力アップ、病気の予防・改善にも導いてくれます。

施術や特徴など、詳しくは「幹細胞エクソソーム~Pure Exosome®~」を参考にしてください。

1回でも効果は出ますが、何回か通うことにより更なる効果が期待できますよ。

ぜひ実感してみてくださいね。

エクソソームとは何か?についてのまとめ


エクソソームとは、その小さなカプセル状の身体の中に、体内の病気やけがの情報を書き込み、細胞間のコミュニケーションツールとして常に細胞から分泌されています。

病気やけがなどで弱った部位に働きかけ、細胞間で治すようにメッセージを流しあっているのです。

2013年12月から札幌医科大学附属病院にて行われた治験で、間葉系幹細胞から分泌されたエクソソームによって、回復が難しいとされた脊髄損傷の患者さんも「修復せよ」といったメッセージを損傷部分に的確に送り、回復へと導きました。

これはMSC療法というものですが、現在、あらゆる疾患を治すのではないかと大きな注目を浴びています。

また、エクソソームはがん治療を大きく変える存在として、急速に研究が進んでいます。

エクソソームの中にある核酸やタンパク質を読み取り、現在13種類ものがんを判別できるようになってきました。

これにより、一度のがん検診にて血液を調べるだけで超早期にがんを発見し、早期に治療がはじめられるのではないかと大きな期待がされているのです。

そんなエクソソームを使った施術をWクリニック福岡院でも点滴で取り扱っています。

MSC療法のような大がかりなものではなく、幹細胞培養上清液に含まれるエクソソームを使った施術で、多くの「若返り」効果を期待できます。

興味のある方は当院までお気軽にご相談ください。

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記事監修医師プロフィール

Kaoru Matsui

Wクリニック福岡院院長

松井 郁

2001年 福岡大学医学部医学科 卒業
2003年 福岡大学病院
2008年 独立行政法人九州がんセンター
2009年 福岡医科歯科大学病院
2010年 福岡大学筑紫病院
2013年 医療法人 天翠会 小倉きふね病院
2021年 Wクリニック 勤務

日本美容外科学会所属