ニキビは皮膚疾患の一種です。そのまま放置すると炎症が悪化し、※ニキビ跡が残るリスクがあるため、治療は医療行為として認められ保険適用の対象になります。

一方、ニキビ跡の治療は一般的に美容目的とみなされ、保険適用外となり自由診療としておこなわれます。

ニキビが治癒したあとに残る瘢痕（はんこん）や色素沈着は、医学的には病気とは判断されないためです。

そのため、美容皮膚科のニキビ跡の治療でよく用いられるレーザー治療やケミカルピーリングなどは全額自己負担となります。

ただし、ニキビ跡の症状が非常に重度で、患者の社会生活に支障をきたすレベルであると医師が診断した場合は、例外的に保険適用となる可能性があります。

※ニキビ跡……ニキビの炎症によって皮膚の組織が破壊され、瘢痕（はんこん）として残ってしまう状態。

同じ薬でも保険適用と保険適用外があるのはなぜ？

美容目的で使用される薬は、健康保険の適用外です。

しかし、医師が診察したうえで肌トラブルの原因が病気やけがであることが認められた場合は、保険適用で薬が処方されます。

たとえば、シミ予防などで処方される内服薬「トラネキサム酸」や「ビタミン剤」は美容目的の場合は自費となります。

一方でやけどによるシミの治療やニキビの炎症を抑える目的で処方される場合は、保険が適用されます。

次の項目では、保険適用できる主な治療を紹介します。

保険適用できる代表的な治療

皮膚科での治療が保険適用されるかどうかは、治療の目的によって判断されます。

保険が適用される代表的な治療を以下にまとめました。

内服薬・外用薬

次の表は、保険診療が可能な皮膚の症状と治療法をまとめたものです。

病名	症状	治療法	内服薬	外用薬
ニキビ	赤ニキビ、白ニキビ、化膿ニキビ、吹き出物	内服 ／ 外用 ／ 漢方処方、面皰圧出※	〇	〇
アトピー性皮膚炎	かゆみ、色素沈着	内服 ／ 外用 ／ 漢方処方	〇	〇
ヘルペス	単純ヘルペス、口唇ヘルペス、帯状疱疹	内服 ／ 外用 ／ 漢方処方	〇	〇
蕁麻疹・アレルギー	発疹、かゆみ、花粉症、蕁麻疹、ハウスダスト、食物、各種アレルギー	内服 ／ 外用処方、点滴治療、アレルギー検査	〇	〇
接触皮膚炎	ジュクジュク症状、ピアストラブル、水ぶくれ	内服 ／ 外用処方	〇	〇
肌荒れ・乾燥	かさかさ症状、かゆみ	外用薬 ／ 保湿剤処方	―	〇

※面皰圧出……にきびをグッと押して、中に詰まっている膿や皮脂や古い角質などを押し出す治療法。保険が適用される治療で、皮膚科では一般的に広く行われています。

保険適用となる薬には、抗生物質やビタミン剤、漢方薬などの内服薬や、コメド治療薬と呼ばれる毛穴の詰まりを改善する外用薬（塗り薬）などがあります。

レーザー治療

保険が適応されるレーザー治療には、黒あざ（太田母斑、異所性蒙古斑）・茶あざ（扁平母斑）の治療に関するものが対象です。

これらは外見のみで判断するのが難しいため、皮膚科専門医による診療・診断が必須となります。

また、ほくろやイボのレーザー治療は保険適用外ですが、皮膚腫瘍摘出や病理組織検査など一部の診療には保険が適用されます。

自費の美容医療と組み合わせるのもおすすめ

保険診療も行っている美容皮膚科では、保険適用の治療と、自由診療の美容医療を組み合わせられる場合があります。

そもそも「肌の悩みはひとつだけ」という人は少なく、シミ・そばかすや毛穴の開きなど、さまざまな悩みを抱えている人が多いのではないでしょうか。

保険が適用されるメニューはあくまで病気の治療が目的のため、美肌の追求という点では十分に満足できない可能性も考えられます。

選択肢が豊富で、美容効果が高い自由診療と組み合わせれば、さらに肌への自信がもてるようになります。

保険診療と保険外診療を併用する時の注意点

日本国内では、保険診療と自由診療を同時に受けられない※決まりがあります（例外を除く）。

そのため、クリニックによっては保険適用の治療と自由診療の治療の日を別日に設定し、複数回の通院が必要になる場合があります。

※混合診療の禁止

混合診療の禁止　参照サイト：https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/heiyou.html
混合診療の禁止　参照サイト：https://www.miuskin.com/2008/09/02/855

【保険適用可能】一般皮膚科併設の大阪のクリニック5選

皮膚の悩みは多岐にわたり、時に美容的な問題と保険適用の範囲での医学的な問題が重なることがあります。

そんな時、保険適用の一般皮膚科と自費診療の美容皮膚科の両方を備えたクリニックが大きな味方になるんです。

大阪には、このような総合的なサービスを提供する皮膚科クリニックが多数存在します。

ここでは、保険適用の一般皮膚科診療と美容皮膚科治療の両方を行う、大阪の代表的なクリニック5つをご紹介します。

1. Wクリニック 大阪心斎橋・梅田
2. さくらこまち皮フ科クリニック 大阪市西区境川
3. 天満橋ゆみ皮膚科 大阪天満橋
4. 桜川よしえクリニック 大阪難波・桜川
5. 上本町皮フ科クリニック 大阪上本町

これらのクリニックは、保険適用の一般皮膚科と自費診療の美容皮膚科が併設されているのでニーズに合わせた柔軟な治療選択が可能です。

それぞれ詳しく紹介していきます。

1. Wクリニック 大阪心斎橋・梅田

大阪の心斎橋と梅田に位置するWクリニックは、総合的な美容医療を提供する美容皮膚科です。

保険適用の一般診療と自由診療（美容医療）の両方を展開しています。

保険適用の診療科目は皮膚科、形成外科、婦人科、アレルギー外来、手外科と多岐にわたり、各分野の専門医が在籍しています。

クリニックの運営方針として、「急な症状でもすぐに診察ができる都会のかかりつけクリニック」を目指しており、土日祝日も診療を行っています。

利便性も高く、心斎橋駅や梅田駅から徒歩ですぐの場所にあり、24時間オンライン予約システムやLINEでの予約も可能です。

さらに、オンライン診療も提供しているため、来院が難しい方の診療にも対応できる体制を整えています。

美容皮膚科・一般皮膚科	Wクリニック
アクセス	大阪心斎橋院：大阪市中央区南船場 4-5-8 ラスターオン心斎橋9階/梅田院：大阪市北区梅田2-1-21レイズウメダビル4階
休診日	年始(1/1～1/4)

2. さくらこまち皮フ科クリニック 大阪市西区境川

大阪市西区境川のさくらこまち皮フ科クリニックでは、保険適用の一般皮膚科診療と自由診療（美容皮膚科）に対応しています。

男性医師1名、女性医師6名が在籍しており、希望に応じて医師を選択できます。

保険適用の一般皮膚科と美容皮膚科の診療科目を網羅しており、にきび、やけど、できもの、アレルギー疾患から、しみ、くすみ、脱毛症、ピアスまで幅広い症状に対応可能です。

2023年4月からは新院長として山下綾子医師が就任し、患者一人ひとりのニーズに合わせた治療を提供することを目指しています。

クリニックの理念として、「美しい肌は心まで輝かせるもの」という考えのもと、長期的な視点での美容医療を提供しています。

美容皮膚科・一般皮膚科	さくらこまち皮フ科クリニック
アクセス	大阪府大阪市西区境川1丁目1番31号 境川メディカルセンター3F
休診日	水曜午後・第1,3,5土曜・日曜・祝日

3. 天満橋ゆみ皮膚科 大阪天満橋

大阪天満橋の天満橋ゆみ皮膚科は、小さな子供から高齢者まで幅広い年齢層の患者に対応し、皮膚科専門医が患者の悩みや希望に寄り添った治療を提案しています。

保険適用の診療では、アトピー性皮膚炎、じんましん、にきび、かぶれ、手荒れ、花粉症、水虫など、様々な皮膚疾患に対応。

顔や体、手足だけでなく、髪や爪の病気まで幅広く診療を行っています。

皮膚の問題は生命に関わらないことが多いものの、日々の生活に大きな影響を与える可能性があるという考えのもと、患者が晴れやかな気持ちで過ごせるような保険適用診療・美容皮膚科治療を展開しています。

美容皮膚科・一般皮膚科	天満橋ゆみ皮膚科
アクセス	大阪府大阪市中央区大手前1-6-8 光養ビル3階　市営地下鉄谷町線　天満橋駅徒歩1分　京阪本線　天満橋駅徒歩1分
休診日	木・土曜午後・日祝

4. 桜川よしえクリニック 大阪難波・桜川

桜川よしえクリニックは、大阪のなんば駅から徒歩5分の場所に位置する皮膚科クリニックです。

保険適用の一般皮膚科と美容皮膚科が併設されており、幅広い皮膚の悩みに対応しています。

桜川よしえクリニックの特徴は、美容皮膚科の料金を比較的安く設定していることです。

これは、より多くの人々に美容治療を受けてもらいたいという思いから来ています。

患者の悩みや症状の程度に応じて段階的な美容皮膚科治療を提案し、料金と結果の両面で満足できるメニューを用意しています。

なお、保険適用の一般皮膚科の診療は完全予約制ではありません。

予約なしでも初診の保険適用の診察が可能ですが、再診予約の患者が優先されるため、早めの来院をおすすめしています。

美容皮膚科・一般皮膚科	桜川よしえクリニック
アクセス	大阪府大阪市西区境川1丁目1番31号 境川メディカルセンター3F
休診日	木曜・日曜・祝日

5. 上本町皮フ科クリニック 大阪上本町

上本町皮フ科クリニックは、大阪の上本町に位置する皮膚科クリニックです。

クリニックの診療理念は「日常のスキンケアから皮膚疾患にいたるまで、心のこもった診療をおこなう」ことであり、アットホームな雰囲気を大切にしています。

保険適用の一般皮膚科では、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医である院長が診療を担当し、赤ちゃんからご年配の方まで幅広い年齢層の患者に対応しています。

美容皮膚科では、「マイナス5歳肌」を目標に、患者の自然な美しさを引き出すことを目指しています。

保険適用の一般皮膚科と美容皮膚科のエリアが分かれており、患者のプライバシーに配慮した設計となっています。

また、保険適用のレーザー治療も行っており、円形脱毛症やアトピー性皮膚炎などの疾患に対応しています。

美容皮膚科・一般皮膚科	上本町皮フ科クリニック
アクセス	大阪府大阪市天王寺区上本町６丁目４−１２ 上六クリニックビル ２Ｆ
休診日	一般皮膚科：水・日・祝/美容皮膚科：水・日

まとめ：保険診療と自由診療がある大阪の美容皮膚科を選び、治療の選択肢を広げよう

この記事では、保険適用の一般皮膚科診療と美容皮膚科治療ができる大阪の皮膚科をご紹介しました。

この記事のポイントは以下の3点です。

1.美容皮膚科での治療は、ほとんどが保険適用外となる

• 美容目的の医療は健康保険の対象にならないため
• ただし、医師の診断結果によっては保険診療の対象になる場合もある
• 保険適用されるのは「肌の病気や傷の治癒」が目的の治療のみ

2.保険適用できる代表的な治療

• 内服薬・外用薬／ニキビ、アトピー性皮膚炎、ヘルペス、蕁麻疹・アレルギー、接触皮膚炎、肌荒れ・乾燥などの症状に対して処方されるもの
• レーザー治療／黒あざ（太田母斑、異所性蒙古斑）、茶あざ（扁平母斑）に適用可能だが、皮膚科専門医による診断が必須

3.自費の美容医療と組み合わせるのもおすすめ

• 保険適用の治療と自由診療の美容医療を組み合わせることで、複数の悩みを解決し、美肌を目指すことが可能
• ただし、保険診療と自由診療を同日に受けられない場合があるため注意が必要

今回紹介した大阪のクリニックでは、保険適用の一般皮膚科と自費診療の美容皮膚科が併設されています。

1. Wクリニック 大阪心斎橋・梅田
2. さくらこまち皮フ科クリニック 大阪市西区境川
3. 天満橋ゆみ皮膚科 大阪天満橋
4. 桜川よしえクリニック 大阪難波・桜川
5. 上本町皮フ科クリニック 大阪上本町

肌の悩みがあり、保険診療の対象かどうか迷っている人は、まずは美容皮膚科で医師に相談してみましょう。