水光注射は、肌のうるおいやハリを高める美容施術として近年注目を集めています。しかし、施術には少なからずリスクが伴うため、効果や注意点について正しく理解することが重要です。

この記事では、知っておきたい水光注射の危険性やリスクを解説します。また、効果や注意点も併せて紹介します。水光注射のリスクを踏まえた上で施術を受けたいと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

水光注射とは

水光注射は、ヒアルロン酸やアミノ酸、成長因子などの美容成分を肌の浅い層に直接注入する美容施術です。従来のスキンケアでは浸透しにくい成分をダイレクトに肌内部へ届けることで、肌の保湿力やハリ、ツヤを劇的に向上させます。

この施術では、特殊なマシンを使い、細かい針で複数回注入するため、顔全体に均一に美容成分を行き渡らせることが可能です。また、肌質や悩みに応じて、配合する成分をカスタマイズできることも水光注射の特徴で、乾燥や小じわ、くすみの改善を目指す方に適しています。

最近では、水光注射の痛みを軽減する技術も進歩しており、以前よりも手軽に受けられるようになっています。

水光注射の危険性・リスク

美肌効果が高い一方で、水光注射にはリスクも存在します。施術を受ける際は、伴うリスクもしっかり理解しておくことが大切です。ここでは、主な危険性やリスクについて詳しく解説します。危険性やリスクは以下のとおりです。

  • 痛みや腫れを感じる場合がある
  • 注入時の針痕が残ることがある
  • 内出血が起こる場合がある
  • 肌がボコボコになることがある
  • アレルギー反応を起こすことがある
  • 肌が色素沈着を起こすことがある

それぞれ詳しくみていきましょう。

痛みや腫れを感じる場合がある

水光注射では、肌の浅い層に針を使って成分を注入するため、施術中や施術後に痛みや腫れを感じることがあります。痛みの感じ方は個人差が大きく、皮膚が敏感な方は施術をより痛く感じる可能性もあります。

痛み対策のために施術中には麻酔クリームを使用するクリニックも多いです。敏感肌の方や初めて受ける方は事前に痛みに対する対策についてカウンセリングで確認すると良いでしょう。

施術後に発生する腫れや赤みは、数日以内に引くことが一般的ですが、皮膚の弱い箇所では長引くケースもあります。施術後数日間は施術部位を冷やし、保湿ケアを徹底することが大切です。また、紫外線や強い摩擦を避けることも回復を早めるためのポイントです。

ただし、腫れや痛みが収まらない場合や異常を感じた場合は、すぐにクリニックに相談しましょう。

注入時の針痕が残ることがある

水光注射では、極細の針を使って顔全体に美容成分を注入するため、場合によっては施術後に針痕が残ることがあります。特に、肌が薄い部分や敏感なエリアでは、内出血や小さな赤い点が数日から1週間程度残ることがあり、メイクで隠す必要があるかもしれません。

多くの場合、このような針痕や内出血は自然に消えるため心配はありませんが、結婚式や撮影などのイベントを控えている場合には、施術を受けるタイミングに配慮することが重要です。

また、施術後に刺激の強い化粧品やピーリングを避けることで、肌の回復を早めることが期待できます。

内出血が起こる場合がある

水光注射では、極細の針を用いて顔全体に美容成分を注入するため、施術後に内出血が発生する可能性があります。特に、皮膚が薄い箇所や血管が多い部位では、針が血管を傷つけることにより内出血が起こりやすいです。内出血は小さな青あざや赤みとして現れ、数日から1週間程度で自然に消えることが一般的です。ただし、目立つ場所に出た場合にはメイクにでカバーする必要があります。

内出血を最小限に抑えるためには、施術前後に血流を良くするような運動やサウナ、アルコールの摂取を控えることがおすすめです。施術後には、冷やすことで内出血のリスクを低減できるため、担当医の指示に従って適切にケアをしましょう。

また、大切なイベントを控えている方は、スケジュールに余裕をもって施術を受けるのが安心です。

肌がボコボコになることがある

水光注射の施術後、肌に一時的に凹凸が現れる場合があります。これは、注入された成分がまだ肌内部で均一に広がっていない状態で、特に注入量が多い場合や、施術直後のケアが不十分な場合に発生しやすい症状です。この肌がボコボコした状態は通常数日〜1週間程度で自然に落ち着くことが多く、ほとんどの場合、一時的なものです。

ただし、施術後に強く触ったり、摩擦を与えたりすると症状が悪化することがあるため、アフターケアには十分に気をつける必要があるでしょう。ボコボコ感が長引く場合は、施術を受けたクリニックで相談すると適切な対処法を教えてもらえます。安心して施術を受けるためには、経験豊富な医師やクリニックを選ぶことが大切です。

アレルギー反応を起こすことがある

水光注射で使用される成分に対し、まれにアレルギー反応を起こす方もいます。

ヒアルロン酸やビタミン類といった美容成分は安全性が高いものの、体質によってはかゆみ、赤み、腫れなどのアレルギー症状が現れることがあります。事前にアレルギーの有無を確認し、自身の肌に合った成分を選ぶことがリスクを低減するポイントです。

多くのクリニックでは、施術前にアレルギーテストを行い、安全性を確認してから施術を始めます。アレルギー体質の方や過去に化粧品などでかぶれやかゆみを経験した方は、事前に医師に相談し、使用する成分を慎重に決めるようにしましょう。アレルギー反応が見られた場合は、早めに適切な治療を受けることが重要です。

肌が色素沈着を起こすことがある

施術後、まれに色素沈着が起こるケースもあります。これは、内出血や炎症が肌の中で沈着し、色が残る現象です。特に、炎症が強く現れたり、紫外線を浴びることで色素沈着が悪化したりするリスクがあるため、施術後は紫外線対策をしっかり行うことが重要です。

色素沈着を防ぐためには、施術後のスキンケアが欠かせません。日焼け止めをこまめに塗ることや、施術部位に直接触れないようにすることが大切です。万が一、色素沈着が発生した場合も、通常は時間と共に徐々に薄くなっていきますが、改善が見られない場合には、担当医に相談すると良いでしょう。

水光注射はやりすぎると危険?

水光注射は、美肌効果が期待できる一方で、頻繁に受けすぎると肌に負担をかけ、逆効果になる可能性があります。

例えば、短期間で何度も施術を繰り返すと、肌が過剰な刺激を受けることで炎症が生じたり、肌のバリア機能が弱まり、乾燥や肌荒れが進行したりすることがあります。また、注入成分の蓄積により肌がごわついたり、自然な仕上がりに見えなくなったりすることもあるため、医師の指示に従い、適切な間隔で施術を受けることが大切です。

理想的な施術頻度は、肌の状態や施術内容に応じて異なりますが、一般的には2〜3ヶ月に1回程度が目安とされています。安全で効果的な施術を受けるために、必ず専門医のアドバイスを受けるようにしましょう。

水光注射を受けない方が良い人の特徴

水光注射は多くの方に効果的な美容施術ですが、体質や健康状態によっては施術が適さない場合もあります。ここでは、水光注射を避けたほうが良い方の特徴について解説します。

アレルギーのある方

水光注射では、ヒアルロン酸や各種ビタミン、美容成分などが使用されますが、アレルギーのある方にとってはリスクが伴います。

特に注入時に使用される針がステンレス製であることが多いため、金属アレルギーがある場合は、炎症や腫れ、痒みといった反応が出やすくなります。また、ヒアルロン酸に対するアレルギーがある方も注意が必要です。

施術前に必ずアレルギーの有無を医師に伝え、必要であればアレルギーテストを実施することで安全を確保しましょう。万が一、アレルギー反応が起きると施術後の肌トラブルにつながるため、慎重な判断が必要です。

妊娠中・授乳中の方

妊娠中や授乳中の方も、水光注射の施術は避けるべきです。妊娠中はホルモンバランスが大きく変化するため、肌が敏感になり、施術による痛みや腫れが強く感じられる場合があります。

また、施術時に用いる麻酔クリームや成分が体内に吸収されるリスクも考慮する必要もあります。母体および胎児への影響を避けるためにも、妊娠中・授乳中は施術を控えるほうが良いでしょう。

施術を希望される場合は、出産や授乳が終わってから改めて検討することをおすすめします。

重度の糖尿病の方

糖尿病の方で、特に重度の場合、水光注射を受けることは推奨されていません。

糖尿病は体内の代謝や血糖コントロールに影響を及ぼし、通常よりも傷の治りが遅くなったり、感染リスクが高まったりします。水光注射は皮膚を針で刺激する施術であるため、回復が遅れると肌トラブルや感染症が発生するリスクが上がります。

そのため、糖尿病の方は、施術前に医師に相談し、感染リスクや回復の状況を考慮したうえで施術を判断することが重要です。

水光注射のダウンタイムを軽くするポイント

水光注射の施術後には、痛みや腫れ、赤みといった症状が一時的に現れることがありますが、適切にケアをすることでダウンタイムを軽減し、より快適に回復を促すことが可能です。ここでは、ダウンタイムを短くするための具体的なポイントを解説します。

痛みや腫れは冷やす

施術後の痛みや腫れは、冷やすことで和らぎます。施術後の肌は非常に敏感な状態にあるため、冷たいタオルや保冷剤をガーゼやタオルに包んだものを優しく患部に当てて冷やすのが効果的です。冷却により炎症が抑えられることで腫れや痛みが軽減されるため、施術当日はこまめに冷やすことを心がけましょう。

ただし、直接冷却物を肌に当てると逆に刺激となり、肌に負担がかかることがあるため、必ずタオルなどで覆うようにします。冷やす時間も長すぎず、5〜10分程度を目安にすると良いでしょう。

施術部位を触らない

水光注射を受けた部位には、細かい針を使用して成分が注入されているため、施術後は肌がデリケートな状態です。そのため、施術部位を頻繁に触ったり、こすったりしないよう注意が必要です。触れることで、雑菌が入り込みやすくなり、炎症や腫れが悪化する可能性があるためです。

特に、顔周りは無意識のうちに手で触れてしまうことが多いため、施術当日は意識して触らないようにしましょう。必要があれば、清潔なガーゼやタオルで軽く押さえる程度に留め、刺激を最小限に抑えるよう心がけましょう。

血流の良くなる行動は避ける

水光注射の後には、血流を良くする行動を避けることが、ダウンタイムを軽くするためのポイントです。

具体的には、長風呂やサウナ、過度な飲酒や運動が該当します。これらの行動は血行を促進し、施術後の腫れや赤みを悪化させる原因になります。施術当日から数日間は、血流を良くする行動を控えるようにしましょう。

特に、施術当日はシャワーのみで済ませたり、アルコールを摂取しないようにしたりしましょう。また、運動も軽いストレッチ程度に留め、過度な負荷をかけないようにしましょう。血流が促進されることで、炎症が長引くリスクがあるため、安静に過ごすことが重要です。

紫外線対策をする

施術後の肌は非常に敏感で、紫外線の影響を受けやすくなっています。紫外線は色素沈着や肌トラブルを引き起こす可能性があるため、施術後には紫外線対策を徹底することが重要です。

外出時には日焼け止めをこまめに塗り直し、帽子やサングラス、日傘などのアイテムを活用して直接日光を避けるようにしましょう。

日焼け止めを選ぶ際は、刺激の少ない敏感肌用のものや、SPF30以上のものがおすすめです。紫外線対策をすることで、施術後の肌の回復が早まるとともに色素沈着や肌のダメージを予防できるでしょう。

スキンケアを徹底する

施術後のスキンケアも、ダウンタイムを軽減するために重要です。施術後の肌は乾燥しやすく、バリア機能が一時的に低下しているため、保湿ケアをしっかりと行うことが望ましいです。乾燥が進むと、かゆみや赤みが悪化することがあるため、保湿成分が豊富なローションやクリームを使用すると効果的です。

使用するスキンケア用品は、刺激が少なく保湿効果の高いものを選び、こすらず優しくなじませるように心がけましょう。また、施術後1週間程度はピーリングなどの刺激が強いケアをしないようにし、シンプルで保湿重視のスキンケアを徹底することで回復を促します。

水光注射の注意点

水光注射を受ける際には、いくつかの注意点を理解しておくことが大切です。施術効果を最大限に活かし、安全かつ快適な回復を促すために知っておきたいポイントを解説します。

当日はメイクができない

水光注射後は、施術部位が敏感な状態になっているため、当日はメイクを控える必要があります。なぜなら、針を使った施術のため肌に小さな穴が開いており、メイクをすることで雑菌が入りやすくなり、炎症や腫れが悪化するリスクがあるためです。

メイクをしたい場合は、施術翌日からとし、メイク落としも肌に優しいものを選ぶと安心です。

メイクを避ける期間があることから、施術のタイミングにはイベントのスケジュールなども考慮し、余裕を持って予定を組むことをおすすめします。また、洗顔も優しく行い、擦らないように注意しましょう。

効果を長引かせるためには継続して施術を受ける必要がある

水光注射の効果は、1回の施術で劇的な変化が期待できる一方、継続して施術を受けることでより長期間にわたって効果が持続します。

初回の効果が持続するのは数週間〜1ヶ月程度で、肌の保湿力やハリを維持するためには、定期的に施術を受けるのがおすすめです。一般的には、2〜3ヶ月ごとに施術を行うことで、効果の維持がしやすいです。

継続的に施術を受けることで肌の質感が整い、肌トラブルの改善効果が実感しやすくなります。理想の肌を維持したい場合には、クリニックと相談しながら最適な施術頻度を決めると良いでしょう。

まとめ

水光注射は、肌にうるおいやハリをもたらす施術として多くの方に選ばれていますが、安全で効果的に受けるためにはいくつかの注意点を守ることが大切です。

危険性やリスクなどについても耳にすることがあるため、施術を受けることに不安を感じる方も少なくないのではないでしょうか。しかし、当日はメイクを控え、過度な運動などを避けたり、効果を長持ちさせるために継続的な施術を受けたりなど、基本的なことを徹底していれば心配はいりません。

信頼できる医師のもとでアドバイスに基づいて施術を受けることで理想の肌に近づけるでしょう。

足立 真由美
この記事の監修者 医療法人 涼葵会 理事長 足立 真由美
美容医療の豊富な経験から美容医療の枠を超え、東洋医学・アーユルベーダ等のホリスティック医療を展開。「美は健康な身体から」をテーマに、美容クリニックとは思えない多彩なアプローチで、最新の美を提供する。
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